昨日は、下鴨店が定休日だったので、私も月曜日はお休み。
なので、北白川へ行くことになるのだが、下鴨にいると開店準備から閉店後まで、昼食をとる余裕すらなく、気が付いたら午後9時とか10時なので、商談だとか打ち合わせなどは、どうしても休みの日の月曜日にまとめてすることになる。
ご多分に漏れず、昨日も10時からZOOMでのミーティングがあり、午後一には生豆を扱う業者さんが来店。
その合間に髙島屋用の豆の焙煎をしつつ、生豆業者さんとの話が終わったら、髙島屋へ豆の配達へ行き、戻ったら商品の写真撮影。
をしている間に、この春のアルバイト募集をお願いする会社の担当者が来店。
結局休みの日も息つく間もなく一日が過ぎていくのだが、それでも北白川だと、さっとお昼ご飯を食べる程度の時間は作れるから、まだお休み気分が味わえるかも。
そんなわけで、比較的のんびりと過ごした月曜が終わり、火曜日の下鴨店。
この土日は、なかなか慌ただしかったので、やらねばならない仕込みが山ほどあったのだが、今朝は落ち着いていたので、パートのスタッフにはそれら仕込みをしっかりとやってもらい、私は今日焙煎する豆のハンドピック。
なんだかのんびりしているなぁ・・・と思っていたら、いきなり12名のご来店。
10時半に、12名様分の席が空いていること自体は、けっこうヤバイ状況なのだが、いきなり大ピークが訪れて、一気に活気づく下鴨店。
その後もお客様が途切れることなく、なんだか午後は春爛漫という雰囲気の店内だった。
と、ここまでは前置きで、ここからが本題。
ラーメン屋さんから、よく「1000円の壁」という言葉を聞く。
ラーメン一杯1000円を超えるというのは、ちょっと・・・という発想なのだが、ヴェルディ的にもコーヒー豆100gにおいて1000円の壁というものがある。
原価的には、本当なら1200円くらいで売りたいものの、やはりコーヒー100gに1000円以上出して頂くのは、心が痛む。
なので、ギリギリのところで1000円を超えないよう頑張っているのだが、最近オープンした自家焙煎店などは、平気で1000円以上の値段をつけているし、コーヒー一杯カップで飲むにしても、平気で800円とか1000円とかメニューに書かれている。
実際、ヴェルディでも本当ならそのくらい頂戴しないと、経営は安定しないのだが、やはりコーヒー一杯に800円以上をつけることや、豆100gに1000円以上をつけることは、長年ご愛顧下さっているお客様のことを考えると、どうしても踏み込めない領域。
そんなことを考えていたら、先日の夜に今年の仕入れのことで打ち合わせをしていた生豆商社の社長も、生豆の卸価格をしっかりと会社を経営できる価格にしようとしたら、販売先のロースターさんの顔が頭に浮かび、なかなか価格を決められない。といったことをおっしゃっていた。
本当に10年前と比べたら、ブラジル・サントスNo.2なんかは4~5倍の値段になっているし、エチオピアもほぼ2倍、コロンビアでも1.8倍程度になっている。
10年前と同じ原価率で販売しようと思ったら、100gを1500円~2000円で売らないと、かなり厳しいことになってしまうのだが、その値段でヴェルディが販売している豆って、ブルーマウンテンかお酒風味の豆くらいなもの。
一方で、通販関係の広告会社の方と話をしていたとき、私が本来なら1200円以上の値段を付けたいけど、やはり1000円の壁があって・・・と言ったところ、「そうやって本来あるべき原価率で価格をつけた会社は、本当に2倍近く値上げをして、客数は4割ほど減ったものの、売価が2倍になったので、結果的に売り上げは伸びているので、ヴェルディさんも思い切って1000円の壁を突破したらどうです?」と言われた。
本当に、これはもう究極の選択なのだが、やはり私的には1000円の壁は超えられない。
1000円の壁をぶちやぶって営業を続けるか、もういっそのことコーヒーというものに見切りをつけるか。なんてことも脳裏を横切る。
けっこうお客様からは気軽に「コーヒーの値段上がっていて大変だね」と声をかけられるのだが、実は本当にシャレにならない現在のコーヒー生豆価格。
長く自家焙煎を続けている人ほど、私と同じ悩みを持っているように思いつつ、今日はこの春からヴェルディで働きたいと言っている人と面談をしたのだが、コーヒーについて、深く学びたいので、私の元で働きたいと言ってくれる眼前の若者に向かって「でも、今のコーヒー業界の状況からすると、うちで働くのは、泥船に乗ることになるかもしれないよ」と、冗談抜きで言わずにはいられなかった。