自家焙煎珈琲 カフェ・ヴェルディ

カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記

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珈琲のことなど

ひそかにスタートしたのに

2024年5月26日 

5月のスペシャルコーヒーは、インドネシア諸島シリーズということで、バリ島からスタートして、インドネシアではないけど東ティモールへ移り、最後はフローレス島で終わるという内容だった。

そんな中、東ティモールは同島では珍しいナチュラル精選のものだったのだが、テストローストして一口飲んだ瞬間、北白川のスタッフ一同「これはアナエロビック(嫌気性発酵)製法のものではないか?」と思うほど、イチゴのような香りがするコーヒーだった。

で、一応アナエロではないかと確認したところ、そもそも東ティモールでは、まだアナエロビックをこのレベルでやるだけの技術がない。という返答。

つまり、普通のナチュラルなのに、アナエロビックなみの香りがするコーヒーに仕上がったということで、驚きとともに販売をかいししたら、売り出すと同時に3日で半分がなくなってしまった。

そこで、急遽もう一袋注文して、いつもの倍の量を販売することにしたのだが、有難いことにそれも2週間ほどでほとんど売れてしまい、本日無事と言うか、早くもと言うか、東ティモールは下鴨、髙島屋S.C.ともに売切れになった。

恐らく今日には売り切れになるだろうと思って、昨日の夕方、北白川で次のフローレス島を焙煎した。

まだ東ティモールも少しのこっていたので、メルマガなどは出さず、昨夜の日記に山下がちらっと書いたのと、ヴェルディのInstagramに焙煎しているところをアップしただけなのに、早くも北白川では、昨日5キロ焙煎したフローレス島の豆が残り100g程度になってしまった。

明日は、またMAX焙煎しなくては・・・

で、今回のフローレス島、何が特徴かと言うと、味の方は先の東ティモールほど強い個性を持ったものではない。

が、良質なパプア・ニューギニアを思わせるクリアで甘い口当たりと、残り香にほんのりマンデリンっぽさがある、本当に『澄んだ良質のコーヒー』という味わい。

ただ、パプアと言えば、現在世界の中でも最もティピカ種が残っている産地なのだが、このフローレス島の豆はティピカ種ではなく、S795というハイブリッド品種。

しかも普通ハイブリッドと言えば、アラビカとロブスタの交雑が多い中、これはなんとアラビカとリベリカの交雑種にインドでティピカが突然変異した「ケント種」も入っているもの。

まぁ、ケントが入っている分、ちょっとだけティピカよりという感はあるが、それでもハイブリッドなのにティピカ種に近いクリアでまろやかな口当たりはなんなんだ!?と思ってしまうわけである。

さらに、精選方法は「スマトラ式」

フローレス島の豆というだけでもレアなのに、リベリカとのハイブリッドで、しかも精選方法としては世界的に非常にシェアの低いスマトラ式。

味は王道なのに、モノは超レアという一品。

今回はわりとひそかに販売スタートしたつもりだったが、この勢いだとどれだけもつか分からないので、ご希望の方はお早めにお召し上がりください。

明日から

2024年4月28日 

今日の今日とは暑かったですね。

夕方髙島屋店へ行ったら、ドラフトアイスコーヒーが売り切れになっていたり、下鴨店でも今日はヴェルディブレンドに次いで、アイスコーヒーがご注文数で2番目になっていた。

そんな夏のような日曜日、髙島屋S.C.店では期間限定販売をしていた「桜ラテ」が売り切れになったので、明日からは次の期間限定商品「抹茶カフェラテ」がスタート!

こちら、味を決めるまでけっこうアレコレあって、何とか間に合ったという感じ。

詳細は、6月1日から配布する月間紙をご覧ください。

世の中の抹茶ラテは、抹茶風味の乳飲料が多い中、こちらはしっかりエスプレッソを使って、コーヒーの味わいと抹茶の風味が楽しめるコーヒー屋による、コーヒーを使ったコーヒー飲料。

抹茶は、もちろん抹茶フィナンシェと同じ一保堂さんの抹茶を使用しています。

ホットだけではなく、アイスもご用意しておりますので、四条河原町近辺へおいでの際は、ぜひお立ち寄りください。

ストロベリー!!

2024年4月25日 

先日の日記で、東ティモールの豆が限定販売されることを書いたら、北白川焙煎所と髙島屋S.C.店には、多くのお客様からお問い合わせを頂きました。

そして、ついに本日 東ティモール・ストロベリーナチュラル を焙煎。

生豆の状態から、かなり良い香りがします。

焼きあがってハンドピックを終えたら、すぐに髙島屋へ持って行くため、普段だと焙煎してすぐには味見をしないのですが、お出しする前に味を見ておかねばということで、焙煎直後に豆を挽いたところ、挽いている瞬間から「うわ~っ」という香りが漂いました。

一口飲んでみると熱いうちは、ほんのりフルーティーな風味がします。

そして、少し冷めてくると、もう「いちご!」という感じで、本当にストロベリーの風味が口に広がります。

最初は、普通に「東ティモール・ナチュラル」という名称で販売しようかと思っていましたが、これはもう「ストロベリーナチュラル」で良いよね。

ということで、ネーミングはストロベリーナチュラルに。

北白川焙煎所と髙島屋S.C.店および通信販売では、明日から東ティモール・ストロベリーナチュラルを販売開始いたします。

下鴨店では、少しだけ バリ・ウォッシュド が残っているので、そちらが終了次第の販売になるかと思います。

バリも非常に人気で、東ティモールとは対照的に王道の美味しさ。

もし、バリをご希望のお客様がいらっしゃいましたら、下鴨に少しあるかもしれないので、お問合せの上お求めください。

下鴨TEL 075-706-8809

今回も少量の数量限定販売ですが、東ティモールのサンプルをテストローストしてみると、恐らくこれはすぐに売り切れてしまって、お召し上がりになれない方もいらっしゃると思ったので、急遽問い合わせて、商社の倉庫に残っていた1袋を追加で仕入れました。

が、それもなくなりしだい販売終了。

今回のものは、本当に分かりやすくイチゴを感じて頂ける逸品です。

ぜひお試しくださいませ。

深読み

2024年4月19日 

ヴェルディでは、現在インドネシア特集をしていて、今は「バリ・ウォッシュド」を販売中。

こちらは、ともかくスムース&クリアで甘みが強いのが特徴で、髙島屋や北白川でご試飲下さったお客様の多くがお求めくださっている。

おかげさまで、仕入れた生豆も残り5キロを切ったので、来週中には販売を終了することになると思われる。

その次に登場するのが「東ティモール・ナチュラル」

バリに限らず、マンデリンもトラジャも、インドネシアの豆は近年価格がかなり上昇している一方、東ティモールの豆は、比較的安価なイメージがあるのだが、こちらの東ティモールは、バリよりも高価な豆。

実は、こちらの豆はカッピングもせず、いつもお世話になっている商社の人が激しく推薦してきたので購入したのだが、先日届いた生豆をサンプルローストした結果、北白川焙煎所のスタッフ一同が「これ、スゴイ!」と唸るほどのクオリティーだった。

そんなわけで、バリはもう間もなく終了、そして次に出てくる東ティモールにもぜひご期待ください。

さて、話は変わって、先日ケニアの豆が一般的にいくらくらいで売られているか見ていたとき、こんな説明文を目にした。

ケニアのオークションロット

ケニアで毎年開催されるオークションで落札されたニュークロップ。

2月入港

ここから先、書くと同業者に嫌われそうだけど、まぁ、たまにはいいかと言うことで・・・

上の説明だけを見ると、何も知らない人が読んだら、年に一回開催されるカップオブエクセレンスなどのようなコンペで、秀逸な豆をオークションで競り落とされたものというイメージを抱いてしまうかもしれない。(そんなこと一言も書かれていないが)

ケニアのコーヒーは、7月以外は概ね毎週火曜日にNCE(ナイロビコーヒーエクスチェンジ)で開催されるオークションにより落札され、市場に出回る。

一部の中規模~大規模農園で、自前の精選所を持っているところは、MA(マーケティングエージェント)を通して、直接取引ができるものの、大半の小規模農家はチェリーをファクトリーと言われる精選所へ持って行って、ファクトリー(ファクトリーが複数集まったFCSの場合もある)単位でロットを作ってオークションに出品される。

NCEのオークション会場
灰皿もあったりして・・・

しかも、オークションと言っても、コンペのようにハイクオリティーな豆が集まるわけではなく、グレードで言えばスペシャルティーとして流通している【AA】や[【AB】だけではなく、【T】や【TT】(水洗時に水に浮いてしまうような軽くてスカスカな豆、欠点豆比率も劇高)から、本当に良いものまで玉石混交。

↑ 次回オークションに出される豆 ↓

つまり上の写真ほどの数の豆がオークションに出品されるので落札したというだけでは、どんなグレードのものだったかは不明。

Tグレードの豆も出品される
この汚い豆も言いようによっては「オークションロット」。

そして、ケニアのメインクロップ収穫は、9月ごろにスタートして、11月~12月が最盛期になるため、実際にメインクロップのオークションが活況を呈するのは、1~4月。

年間を平均したら、毎週1,000~1,500ロットがオークションに出されるが、メインクロップの最盛期である1~4月は2,000~2,500ロットが出品される。

と言うことで、2月入港のものは、ニュークロップに違いはないかもしれないが、概ねメインクロップよりも比較的安価な「フライクロップ」ということになる。

これをまとめると先の説明は以下のようになる。

「この豆は確かにケニア産だけど、グレードについてはどんなものか不明。そしてニュークロップではあるが、比較的安価なフライクロップです。」

と言っているということになる。

もし、本当に良いものを直接取引が認められている農園から仕入れているのであれば、決して「オークションロット」とは言わず、「〇〇エステートのスペシャルティー」と表現するはず。

そんなわけで、モノは言いようだなぁ・・・

と、思いながら、私はいくら「モノは言いよう」でも、知らない人に対して紛らわしい表現は使えないなぁ・・・と思った。

おしまい。

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