5月のスペシャルコーヒーは、インドネシア諸島シリーズということで、バリ島からスタートして、インドネシアではないけど東ティモールへ移り、最後はフローレス島で終わるという内容だった。
そんな中、東ティモールは同島では珍しいナチュラル精選のものだったのだが、テストローストして一口飲んだ瞬間、北白川のスタッフ一同「これはアナエロビック(嫌気性発酵)製法のものではないか?」と思うほど、イチゴのような香りがするコーヒーだった。
で、一応アナエロではないかと確認したところ、そもそも東ティモールでは、まだアナエロビックをこのレベルでやるだけの技術がない。という返答。
つまり、普通のナチュラルなのに、アナエロビックなみの香りがするコーヒーに仕上がったということで、驚きとともに販売をかいししたら、売り出すと同時に3日で半分がなくなってしまった。
そこで、急遽もう一袋注文して、いつもの倍の量を販売することにしたのだが、有難いことにそれも2週間ほどでほとんど売れてしまい、本日無事と言うか、早くもと言うか、東ティモールは下鴨、髙島屋S.C.ともに売切れになった。
恐らく今日には売り切れになるだろうと思って、昨日の夕方、北白川で次のフローレス島を焙煎した。
まだ東ティモールも少しのこっていたので、メルマガなどは出さず、昨夜の日記に山下がちらっと書いたのと、ヴェルディのInstagramに焙煎しているところをアップしただけなのに、早くも北白川では、昨日5キロ焙煎したフローレス島の豆が残り100g程度になってしまった。
明日は、またMAX焙煎しなくては・・・
で、今回のフローレス島、何が特徴かと言うと、味の方は先の東ティモールほど強い個性を持ったものではない。
が、良質なパプア・ニューギニアを思わせるクリアで甘い口当たりと、残り香にほんのりマンデリンっぽさがある、本当に『澄んだ良質のコーヒー』という味わい。
ただ、パプアと言えば、現在世界の中でも最もティピカ種が残っている産地なのだが、このフローレス島の豆はティピカ種ではなく、S795というハイブリッド品種。
しかも普通ハイブリッドと言えば、アラビカとロブスタの交雑が多い中、これはなんとアラビカとリベリカの交雑種にインドでティピカが突然変異した「ケント種」も入っているもの。
まぁ、ケントが入っている分、ちょっとだけティピカよりという感はあるが、それでもハイブリッドなのにティピカ種に近いクリアでまろやかな口当たりはなんなんだ!?と思ってしまうわけである。
さらに、精選方法は「スマトラ式」
フローレス島の豆というだけでもレアなのに、リベリカとのハイブリッドで、しかも精選方法としては世界的に非常にシェアの低いスマトラ式。
味は王道なのに、モノは超レアという一品。
今回はわりとひそかに販売スタートしたつもりだったが、この勢いだとどれだけもつか分からないので、ご希望の方はお早めにお召し上がりください。