自家焙煎珈琲 カフェ・ヴェルディ

カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記

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店主のお仕事

終わった~

2025年10月29日 

毎月、早めに仕上げようと思っている月刊紙の編集。

でも、結局毎月ギリギリになってしまう。

本当は、昨日のうちに終わらせて、今日はWeb Shopのページ作りに専念しようと思っていたのに、昨夜はどうしても私のコラムの内容が決まらず、結局今日に持ち越しになってしまった。

で、なんとか書き終えて、さきほど入稿できたので、11月号も1日の午後からは配布できそう。

とりあえず、一仕事終わった!

そしてもう一つ。

先日お客様からお借りした押し付けられたCD

チェリビダッケのブルックナー選集。

交響曲6曲とテ・デウム、ミサ曲3番の12枚。

こちらも、やっと聴き終えた~!

個人の好みではあるけど、3番の2~4楽章と4番は良いと思う。

特に4番は、この遅いテンポでこそ聞こえてくる天上の和音と言うか、本当に美しい。と思えたのだが、問題は5番~9番。

このテンポは本当に必要なのか?

と、手にとれる範囲にあったブルックナーのCDのクレジットを見て演奏時間を確認したが、やはりほとんどの曲で私が持っているブルックナーの演奏時間ではこのチェリビダッケが最長。

下手すると1つの楽章で他の演奏者と比べ10分以上長いものも。

特に7番とか8番のアダージオや、9番の第一楽章の長大さ!

9番のアダージオについて言えば、ジュリーニ / VPOと1分程度しか違わないのに、なんだか時間以上に長く感じる演奏。

そして、9番3楽章最後の最後、ホルンの静かな音色の中に弦のピチカートが、まさに天国の階段を上っていくかの如く消え入るように響き、エンディングを迎えるところ、あろうことかチェリビダッケの演奏では、ほとんどピチカートが聞こえない・・・

ベートーヴェンの第九が、全てを巻き込み、トルネードのように昇天していくようなエンディング(フルヴェンやバーンスタインの場合ではありますが)なのに対し、ブルックナーは美しくもやさしい光に包まれながら、一歩一歩階段を上っていくようなエンディング。

私が最も好きな数秒、この数秒のためにこの曲の全てがあるとも思える部分だけに、個人的にチェリビダッケのエンディングでは天上へのぼれないのである。

もしかすると、実際にコンサートホールで聴いたら感銘を受けるのかもしれないけど、CDで聴くにはちょっと苦行と言うか、忍耐力を養うトレーニングと言うか・・・

あくまで個人的な好みではあるけど、やはりチェリは9番のリスボンライヴだけで、ご馳走様という感じだった。

そんな今夜はコレ

イエローマジックオーケストラ ソリッド ステイト サヴァイヴァー

やっぱりスゴイです、この人たち!

YMOが出た当時は、「なんだこれ!?」って感じで、本当に新しい音楽に感じていたけど、改めて聴いてみると、この人たちの音作りの凄さを改めて実感する。

一周回って、やはり新鮮。

チェリのブルックナーを聴いた後は、こういうのもいいですねぇ・・・

不味くなってほしい?

2025年9月30日 

今日は朝から北白川焙煎所で、今週末に開催する夜話でテイスティングをして頂くためのサンプル豆を焙煎。

今回は、同じ焙煎度合いに仕上げても、火力と排煙のバランスで味は大きく変わるということを飲み比べながら実感して頂くという内容。

開店時間の前に店に行き、まずは通常の焙煎を終えて、今回のサンプル豆を2キロずつ5回転焙煎。

最初は、ヴェルディで出すならこの火力と排煙という模範的焙煎。

その後、火力を強く、火力を弱く、排煙を閉めた状態、排煙を全開の状態と、5回転した。

定休日なので公休をとっている下鴨店の鈴木も駆けつけて、データをとりながら焙煎を進める。

彼女の勉強熱心さと、コーヒーに対する探究心はすごいなと思う。

そうして、5種類を同じ焙煎度合いに煎りあげた。

焙煎度合いが違ったら、つまり、浅煎りと深煎りなら同じ豆でも風味が違うということは、ヴェルディのお客様ならご存じかと思うが、同じ焙煎度合いでも味が大きく違うというのはどういうことか。

今度の土曜日にしっかり説明したい。

で、煎り上がったもののテイスティング。

本当は、不味く仕上げるつもりで焙煎したはずのものまで、「そこそこ飲めるやん」という味。

普通に、安い喫茶店で出てきたら「こんなもんかな」と思っちゃいますね、という感想まで飛び出して、本来なら夜話の会で「これは美味しくない焙煎だ」と思ってもらいたかったものまで、そんなに不味くなく仕上がってしまった。

今月号の月刊紙で、焙煎士を指揮者、焙煎機をオーケストラに例えたのだが、一流のオーケストラなら、ちょっとやそっとでは下手な演奏にはならない、のかも。

週末までに、ある程度味は変わると思うが、ちょっと不味くなっていてほしい。かも。

そんな今日は、月刊紙の入稿を終えねばならないため、まだまだ私はお仕事モード。

ちょっと日付をまたいでしまったが、頑張って早く終わらせよう!

ということで、今週末ご参加下さる方は、どうぞお楽しみに。

SCAJ2025

2025年9月25日 

今日は朝一の新幹線で東京へ。

SCAJ(日本スペシャルティーコーヒー協会)の展示会が東京ビッグサイトで開催されているので行ってきた。

昨日は、下鴨店で焙煎を担当している鈴木が行って、いろいろと見てきた感想をくれたので、それも参考にしながら・・・

と、思ったが、彼女はどちらかと言うと、多くのコーヒーを試飲したいところ、私はもちろん試飲もするが、どちらかと言うと産地や豆のことについての生の情報を欲しいというのと、これからの販売資材や新商品に使えそうなものを探すというのが目的だったので、彼女が推薦してくれたブース全ては回れず。

それにしても、今年は例年以上に多くの出展者がいて、初出展のブースも多く、今までの中でも見どころが多い展示会だった。

入場してすぐ、アフリカやコロンビア関係でお世話になっているZEPHYR COFFEEの橋本さんと、エチオピアでお世話になったMETADの浅野さんにばったり。(顔半分しか写ってないけど)

コロンビア・ナリーニョのことを立ち話で聞いたりしながら、またこんどゆっくりと、ということで。

今年は、リキッドアイスコーヒーが大変好調で、ギフトも多くのご注文を頂いたので、来年に向けて高級ギフト路線も検討したいということおあり、リキッドコーヒーを加工して頂いている中村商店さんで話を聞き・・・

来年は、瓶に入れたギフトも検討。

そう言えば、パプア・ニューギニアの政府直結輸出機関であるCIC(コーヒーインダストリーカンパニー)が、今年はブースを出すと連絡をくれていたので行ってみた。

パプア訪問時にはお世話になったCICの方々と久々の再会。

私が行ったときは、まだまだ未整備だった精選所がソーラー発電装置を導入することで、かなり最新式に生まれ変わったということ、その生産性なども聞いて、そう言えば、訪問時は電気が通っていない中、設備が作れないと言っていたところをソーラーで対応したんだ、と。

しかも、パプアのブースでは、一緒にパプアを回った酒井さんがお手伝いしていて、こちらも久しぶりの再会。

ちょっと同窓会チックな雰囲気だった。

その後、現在ブルンジやインディアを仕入れているオリジンコーヒーさんで、コロンビアのデカフェとグァテマラのバレルエイジドを試飲。

「秋の夜長のほろ酔いコーヒー」として毎年10月後半から11月に出していたカシャーサが、今年は一足早く出てしまったので、11月には、このグァテマラを使っても良いかも。

と。思うなかなかの美味しさだった。

ちょっとかなり高いけど、風味は素晴らしくて・・・

どうしようかなぁ・・・

と、思っていたら、別のブースから「パナマのゲイシャ、素晴らしいので試飲して」と差し出されたのを試飲してみた。

う~ん、残念ながらフツー。

これなら、うちで出しているコスタリカの方が数倍美味しいかな?

そうそう、セラードさんに挨拶せねば、と、向かって行ったら、ベネゼエラの人が「ちょっと飲んでって、ベネゼエラのゲイシャ」と出してこられた。

セラード珈琲のブースの一角を乗っ取っていた様子。

陽気なおっちゃんだった。

で、セラード珈琲のブースでは、ヴィンテージバレルのウイスキーバージョンを試飲しつつ、やはりブラジルのバレルエイジドは、カシャーサが一番いいな、と。

社長の横山さんと現在の相場の話などをしながら一応記念撮影。

セラードのすぐ横に合った堀口さんのブースでは、同じ豆の焙煎違いなどの飲み比べができたので、ちょっと並んで試飲させてもらった。

2つの飲み比べが体験出来て、まずは、「クリーンな味」とはどんなものかを飲み比べる。

続いて、同じ豆の焙煎度合い違い。

面白かった。

で、実はこんどの夜話の会のテーマは、同じ豆を同じ焙煎度合いで仕上げるものの、火力と排煙のバランスを変えることで、同じ豆が同じ色なのに、味が違うということを体験して頂くものなのだが、堀口さんのブースでも同じようなことをされていたわけで、個人的には「ふむふむ」という感じだった。

個人的に興味深かったのは、エチオピアのアナエロ。

やはり、もとの豆のポテンシャルが高いと、アナエロも随分変わってくる。

そして、あいさつに行かねばならないとことの一つ、三洋産業さんのブースでは、2年連続でハンドドリップチャンピオンシップ優勝の新田さんが抽出実演をするとのことで、せっかくだったので飲みに行ってみた。

2023年大会では、新田さんが一位、芸大店の太田さんが2位。

抽出後に私を見かけて「どこかでお目にかかりましたか?」と訊かれ、「太田が所属していたヴェルディです」と言ったら、マイクついているのに「あぁ、太田さん元気です?うちの店にも来てくださってねぇ」と。

気さくな方だった。

その後、世界第4位のコーヒー取引高を誇る商社であるボルカフェさんが、今年は初出展されていたので、ちょっと情報収集に行ったら話し込んでしまい、なかなか面白い豆を教えて頂けたりしたので、また近々ヴェルディの店頭に並ぶかも。

他にもいろいろと見て回って、ヴェルディでも使おうかな、と思うような資材や、物販品もサンプルをもらってきたので、またご紹介できれば良いかなと思う。

そんなこんなで、久しぶりにいろいろと新たな情報も得て、これからの営業に活かして行ければ。

で、帰る前に八重洲地下で天丼。

東京でサラリーマンをやっていたころには、けっこうお世話になった「てんや」さんの季節の天丼。

個人的に、天丼は関西風ではなく東京風が好き。

良い一日だった。

あたりまえ

2025年9月9日 

昨日、北白川焙煎所で焙煎を終えて、スタッフがお昼休憩をとっている間、店番をしていたときのこと。

一人のお客様が、コーヒー豆をご購入に来店されたのだが、「いつも私の挽目で豆を挽いてもらっているのですが・・・」と。

残念ながら、そのお客様にとっての「いつもの挽目」を私は知らなかったので、どうしようかと思っていたら、「また来ます」とお帰りになった。

こちらに不備があって、怒ってお帰りになったわけではないので、恐らく文字通りで、また来ていただけるものだとは思うのだが、いつもなら顔を見たら自分にカスタマイズされた挽目で購入できるところ、今日はたまたま私が知らないお客様だったので、いつも通りの対応ができなかった。

予約だけの高級レストランなら、いつどんなお客様がご来店になるか分かっているので、よくご利用下さるお客様であれば、好みやアレルギーなども掌握した上で提供できるものだと思う。

でも、ヴェルディはそういった店舗ではなく、いつ何方がおいでになるか分からないので、毎日店頭に立っていないと、全てのお客様のお好みを掌握することは難しい。

芸大店時代から通ってくださっているお客様の場合、私もお好みなどを知っているものの、移転後にお越し下さるようになったお客様について、私は週に1日しか来ないので、ほとんど知らないということになる。

一方、下鴨の場合は、数年ぶりに来店されたという方以外は、どのお客様が、何をどのように購入されるか掌握しているので、店の前にお姿を拝見した瞬間に準備を始めるということもしばしば。

常連のお客様になったら、何も言わずとも、いつものものが出てくるというのが「あたりまえ」になっている。

それが良いのかどうかは別として、ヴェルディの営業はそういうお客様が多数いて下さっているから成り立っていると言っても過言ではない。

それだけに、いつもご来店下さるお客様には、「あたりまえ」が「あたりまえ」にできる店でなくてはならないわけで、昨日のお客様に対応できなかったことに、ちょっと残念な思いがした。

100%掌握するのは難しいとは思うが、こんど山下に私の知らない常連さん情報を聞いて、可能な限り対応できるようにしておきたいものである。

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