雨の週末、梅雨の時期なので雨が多いのは仕方ないが、できれば週末は降らないでほしいなぁ・・・
さて、先日CDラックを見ていたら、ふとブルックナーの交響曲8番が目についた。
そう言えば、ここ数年ブルックナーって聞いていなかったなぁ、と思って久しぶりに聞いたら、なんだか昔と感じ方というか印象が違っていた。
で、Bのところから少し下がってSのところを見たら、実はけっこうサンサーンスも持っていることに気付く。
そこで久しぶりに聞いたのが、サンサーンスのヴァイオリン協奏曲第3番。
この曲は3枚持っていて、モノラルのフランチェスカッティと、定番かどうか知らないけど、あまりヴァイオリンの奏者を知らなかった頃に買ったパールマン、そして、どうしてこんなの買ったんだろう?と思う、チョンキョンファ。
最初に聞いたのはフランチェスカッティ。
さすがに音質は良くないが、そんな中でも存分に歌っているのが分かる。
が、演奏そのものは、けっこう昔の人はこんなテンポどりが普通だったんだろうなというか、時代を感じると言うか、「間」を重視せずテキパキとしたテンポの中での音色と技術をしっかり聞かせる感じ。
一転パールマンは、もう彼の世界をしっかりと披露する内容で、特に3楽章のラストあたりは、もうひれ伏すしかないパールマン節。
そして、以前作った動画「木の実の塩タルト」のBGMに使ったのは、チョンキョンファのサンサーンスだった。
ある意味、チョンキョンファの演奏は、音大を首席で卒業した学生が卒業コンサートで弾いているような教科書通りの演奏。
全く面白さはないが、取り立ててマイナス点もない超無難な演奏。
でも、動画のBGMとして聞いたとき、フランチェスカッティはレトロな動画なら大丈夫だが、今のことをテーマにした動画だと時代が買ってしまう。
パールマンは、演奏の主張が強いので、動画が負けてしまう可能性も。
そうしてみると、動画を見せるBGMとしては、チョンキョンファの優等生演奏が一番しっくりくる。
これって、コーヒーで言うと、ブレンド向きというか、他の主張したい味を上手く引き立ててくれる豆的な「良い」存在かもしれない。
一方で、パールマンなんかは演奏そのものは「良い」ものだが、本当に主張したい豆より目立ってしまって、何がメインのブレンドなのか分かりにくくしてしまうという点では「好ましくない」演奏かもしれない。
音楽の演奏も、ブレンドベースに使う豆も、時と場合によって「良い」ものの基準は変わってくるものだな、と、思いながらの音楽鑑賞であった。