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カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記

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たわごと

2週連続で

2024年12月2日 

このところ、日記の更新ができておらず、お客様から店頭では「元気ですか?」と声をかけて頂いたり、「生きていますか?」といったメールを頂いたりしましたが、私はちょっとヘバッてはいるものの、無事生きております。

が、実はこの2週間連続で近しい人の葬儀があり、時間的にも心情的にも日記を書く余裕がありませんでした。

先週の月曜は、伯母の葬儀がありました。

何人かいる伯母の中でも、最も親しくさせて頂いていおり、ちょくちょくヴェルディへお越しくださったり、また私の娘も大学のころに大変お世話になったりと、悲しみの参列でした。

そんな中、先週の木曜には予てより療養中だった義父が天に召され、店の方も多くのお客様がお越し下さり、しかも月末ということもあり、事務作業も多い中、同時進行でカミさんは葬儀のことなどを進めなくてはならず、慌ただしい時間が過ぎて行きました。

そして、今日義父の葬儀も無事終わり、ふと仕事のことを考えると、けっこうやらねばならないことが山積しているので正直焦っていますが、明日からしっかりこなして行こうと思います。

そのようなわけで、日記も滞っており、ご心配下さった方もいらっしゃったかと思いますが、明日から気持ちも新たにクリスマスブレンドの販売開始や、間もなくスタートするコラボ商品のスタート準備と、頑張ってまいります。

どうぞよろしくお願いいたします。

選択

2024年11月19日 

ちょっと前の日記で、ヴェルディで経理の仕事をしてもらっている方のご主人が、「アントン・ブルックナー」という書籍の翻訳をされた本が出版されたことを書いたが、今日やっと少しだけ読み始めてみた。

同時に、けっこう久しぶりにブルックナーの交響曲聴き比べも少しタート。

と言っても、ブルックナーとなると、なかなか自宅でゆっくり聴き比べる時間もないので、車のオーディオにCDから録音して聴きながら走らせているのだが、本当に演奏者によって世界観は変わるもの。

さらに言うと、私が以前にブルックナーを聴き比べていたのは学生時代の時間に余裕があったころだった。

そのころと今とでは、私の音楽に対する解釈も違うし、ブルックナーという作曲家に対する理解も違う、そういう中で聴くと、また学生時代とは違った観点で一つ一つの音、旋律・副旋律・和音を聴いている。

そして、この本を読み終えた後でもう一度聴いてみたら、また違ったものが見えてくるのかもしれないと思うと、また楽しみも増してくる。

少し前(と言っても、これまた私が学生だった頃のことだが)「ショスタコーヴィッチの証言」という本が出版された。

私はショスタコーヴィッチもよく聴く作曲家の一人だったので、非常に興味深く読んだ記憶がある。

そして、その本が出版された後に録音されたショスタコーヴィッチの交響曲第5番の中でも印象的だったのは、スラットキン指揮のセントルイス交響楽団のもの。

個人的には、バーンスタインによる1979年に東京文化会館でのライヴ盤が愛聴盤だったが、「証言」後の録音ということでスラットキン盤を聴いてみたところ、ものすごいスローテンポで全く違う表情を見せている興味深い演奏だった。

ショスタコの演奏も、この「証言」出版前と後で解釈が変わったと言っても良いかもしれないが、今ではその「証言」そのものについての真偽が議論されているのだから、何を解釈の前提としてよいのかすらよくわからない。

となると、結局のところ自分にとって良いと思える演奏のものを愛聴盤にするのがベストということだろう。

とは言え、書籍などでその曲に対する作曲家の考えだとか、どういう背景で作られた曲かなどが分かると、聴いていてもまた奥深い世界が見えてくるもの。

音楽と味覚は違うが、コーヒーにしても、そのコーヒーについてのバックグラウンドストーリーが分かると、より味わい深く楽しめるかもしれない。

そうしてみたら、やはり販売しているコーヒーについて、もっとお客様に深く楽しんで頂けるような情報を手軽に提供できるようにしたいと思う反面、あまりうるさくなっても嫌われそうなので、そのあたりの説明における匙加減も難しいところ。

ただ、情報というものは、正確なものだけが出回っているわけではない。

音楽とかコーヒーなら、間違った情報を鵜吞みにして聴いたり飲んだりしても何ら害はないが、現在の情報化社会においては、重要な情報も操作されている可能性があるから恐ろしい。

先日の兵庫県知事選挙の結果を見て、本当のところどの情報が真実なのか、私自身も良く分からなっているのだが、少なくとも兵庫県民の方々が正しいという判断を下したのは、テレビや新聞といった既存メディアの情報ではなく、ネットの情報という、ある意味今までの常識を覆す結果だった。

生きていく中では、小さなことから大きなことまで、常に何かの選択をしながら進んで行くわけだが、その選択の判断基準になるものの多様性と言うか、真偽判断は、本当に難しい時代になってきたと考えてしまう今日この頃。

なんか時間がない

2024年11月7日 

今日は立冬。

そのまんま「冬になった」気分の一日だった。

で、気温は低くても、私の頭の中は湯気が立つほど、やらねばならないことが山積していて、今日もさっきまで店でパソコンに向かっていたのだが、洗面所に立って鏡を見たら、目がかなり充血していて、こりゃヤバイということで帰宅した。

そんなわけで、このところ日記を書いている時間もなく、開店準備から閉店までは店頭に立ち、閉店後にパソコンに向かっていると、翌日になっていることもしばしば。

多分、普通の会社だと、9時から5時までかけて担当の人がやるようなことを夜の7時からスタートしてその日のうちに終わらせようとしているのだから無理はあるよなぁ・・・

というわけで、来週半ばまで日記の更新もままならないかと思いますが、運よく時間が作れたら書きますので、気長に更新をお待ちくださいませ。

アントン・ブルックナー

2024年10月30日 

このところ、やっと秋らしくなってきた。

昨日などは、これまでいつも冷たいコーヒーをご注文だったお客様が、ホットをご注文下さったりで、あぁ、季節が変わったなぁ・・・と思った。

店内にいると、外の気温が分からないのだが、お客様の注文で何となく今日は涼しいのか、暑いのか、などを感じられる。

そんな今日は、朝からけっこうアイスコーヒーが出たり、昼間にはコーヒーフロートのご注文が入ったり、実際のところ、今日は寒かったのか、暖かかったのか?

話は全く変わって、ヴェルディで経理業務をしてもらっているスタッフのご主人が、ある本の翻訳をされていると聞いていたところ、その本が明日出版されるということで、今日はその宣伝。

アントン・ブルックナー。

ご存じない方のために説明すると、ブルックナーは1824年9月4日 に生まれ、 1896年10月11日に亡くなったオーストリアの作曲家、オルガニスト。

宗教曲と交響曲の作曲家として有名で、生涯に作曲した交響曲は10曲。

第9番は3楽章を書き終えたところで亡くなったので未完の大曲となっている。

9番までしかないのに、10曲とは?と思われたかもしれないが、なぜかブルックナーは最初に作った交響曲を「0番」として発表しているので、合計10曲ということになる。

今年は、その生誕200周年ということで、オーストリアを中心にいろいろなイベントが開催されている中、その一つとしてドイツで出版されたこの本が、超速で翻訳されて出版されることになった。

私にとって、ブルックナーは子供のころに一番好きだった作曲家。

小学校の時に、お年玉をもって三条の十字屋へ行き、なぜかブルックナーの交響曲第9番のレコードを購入してしまった。

カラヤン / ベルリンPOのブルックナー交響曲第9番

このときのレコードの帯に書かれていた言葉が「威圧するのではなく感銘を与えてくれます。」という言葉だった。

本当は、ベートーヴェンの第九を買おうと思っていったのに、なぜかブルックナーという当時小学生だった私は聞いたことのない作曲家のレコードを購入してしまい、自宅に帰ってレコード盤に針を落とした。

そして、A面の1~2楽章で、その美しさと激しさに打ちのめされ、B面の第3楽章、アダージォを聞きながら、なぜか涙が止まらなかったことを記憶している。

私は、カラヤン指揮のコンサートを2度聴きに行く幸運に恵まれ、ブラームスの交響曲は全て生のカラヤン/BPOで聴くことができたものの、そのときのプログラムにブルックナーがなかった。

そして、3度目の正直、いよいよブルックナーの第9番ではなかったが、第8番がプログラムに入ったコンサートがあったので、チケット発売日の早朝から新宿のプレイガイドの前に並んで、朝いちばんでサントリーホールのS席を1枚購入。

いよいよカラヤンのブルックナーが聴けると思っていたのだが、残念ながら晩年のカラヤンは体調を崩して来日をキャンセル。

代役は小澤征爾によるリヒャルトとなった。

そんなわけで、店名はヴェルディと言いながら、実は小学生のころからブルックナーが大好きで、ほとんどの交響曲は3人以上の指揮者でCDを持っている。

が、実際のところ、ブルックナーという人は、聞けば聞くほどよくわからない。

曲がよく分からないというのではなく、「この人いったいどんな人だったんだろう?」という疑問が深まっていく作曲家なのである。

個人的には、この本は必読で、とても楽しみ。

誰彼構わずオススメというわけには行かないが、ブルックナーの交響曲はともかく長大で、モーツァルト感覚では聞けないものの、その壮大な世界観は聞いていると地球の波長の中に身を置くような気分になれる。

秋の夜長、ブルックナーの交響曲を聞きながら、この本を読む時間をつくれたらいいなぁ・・・

と、思いながら、とりあえず Amazon でポチっとしてみた。

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