自家焙煎珈琲 カフェ・ヴェルディ

カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記

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たわごと

たられば

2024年5月3日 

今日の日記は、かなりマニアックなので、クラッシック好きでない方はどうぞパスしてください。

私は毎日、北白川、下鴨、髙島屋にカウンターの中に入ることはなくても顔を出しているが、その主な用事としては豆や焼菓子の移動ということになる。

なので、荷物を積まなくてはならないため車で行き来をすることになるが、その車のBGMは、ナビについているフラッシュメモリーに録音した音楽を聴くことが多い。

で、どんな音楽が入っているかと言うと、ポピュラーなら俗に言う「ソウル」や「リズム&ブルース」で、クラッシックだとオペラやバレエ曲に、コンチェルト系が多い。

そんな中、かなりのシェアを誇るのが「ワグナー」の楽曲。

ちょっと前に、ワグナーオペラ全集を購入して、全部メモリーに入れてしまったため、一度ワグナーが始まると、CDにして36枚分延々とワグナーがツぐくことになる。

さまよえるオランダ人から始まり、タンホイザー、マイスタージンガー、ローエングリン、パルジファルと続いて、最後は「リング」になるのだが、まぁ、だいたい全部で30時間以上ワグナーを聞き続けることになるので、車に乗っている時間を考えると1週間程度はワグナーから逃げられないことになる。

そんなわけで、今日も一日ヴァリキューレを聞きながら、ふと思ったことに「もしワグナーがリングを作っていなかったら、スターウォーズの音楽はどんなだっただろう?」ということがある。

ジョン・ウイリアムスは非常に優れた作曲家ではあるが、彼の出世作であるスターウォーズにおいて、メインテーマ以外の部分は、かなりリングに触発されているように感じる。

同じようなことで、もしマーラーの交響曲3番がなかったら、映画「美女と野獣」の中でもメインテーマと並んで有名な曲「一人ぼっちの晩餐会」の音楽をアラン・メンケンはどんな曲にしていただろう?と考えてしまうわけである。

ブラームスが交響曲第1番を作るにあたり、20年物歳月をかけたのは、ベートーヴェンが全てやりつくしてしまったからだと言われるが、パクリとか模倣とかとは違った次元で、やはり過去の偉大な楽曲のフレーズにインスピレーションを受けて出来上がる曲というものは多々ある。

そんなことを考えていたら、音楽だけではなく、いろんなことで何かにインスピレーションを受けて新しいものを作ることがあるわけだが、その「何か」と言う基になるものを作る人って凄いなぁとつくづく思う。

私もヴェルディの営業面で、「何か」を模倣したり、それにインスピレーションを受けて作ったりと言うことが多いのだが、自分でその何かの基を作れたらいいのになと思いながら、今日の夕方やっと神々の黄昏に行きついたのだった。

お湯万能説

2024年4月26日 

今朝出勤したら、北白川焙煎所の太田が「今朝、育てているコーヒーの木を外に出そうとバルコニーに出たら、小さなイモムシみたいなのがいっぱいいたんですよ」と言う。

「で、どうしたの?」と訊いたら、「殺虫剤がなかったので、お湯をまいてきました。」と。

そう、北白川焙煎所の前身である芸大店で、時折現れる黒いヤツ、通称 G が出たら、私たちはお湯をかけて処理していた。

殺虫剤だと、成仏するまでに若干時間がかかるため、逆に勢いよくあちこちを走り回ってしまう可能性があるのだが、お湯は一瞬で動きが止まる上、においもしない。

さらに飲食店だと、殺虫剤が飛散して、万一人の口に入る可能性があるものにかかってしまうと大変なことになるが、お湯ならふき取るだけで大丈夫。

しかも、コーヒー店なのでお湯は常に豊富にある。

そんなわけで、芸大店にいた社員やアルバイトは、害虫が出たらお湯をかけるというのが習慣になっていたのかもしれない。

そういう経験から、北白川焙煎所の店頭に生えている雑草にもお湯をかけたら良いのではないか?と思った私は、草むしりをするのではなく、雑草にお湯をかけてみた。

すると、翌日には枯れていたので、これまた草むしりをする手間も必要ないし、除草剤を買う必要もない。

お湯って最強だなぁ・・・と思う今日この頃。

でした。

深読み

2024年4月19日 

ヴェルディでは、現在インドネシア特集をしていて、今は「バリ・ウォッシュド」を販売中。

こちらは、ともかくスムース&クリアで甘みが強いのが特徴で、髙島屋や北白川でご試飲下さったお客様の多くがお求めくださっている。

おかげさまで、仕入れた生豆も残り5キロを切ったので、来週中には販売を終了することになると思われる。

その次に登場するのが「東ティモール・ナチュラル」

バリに限らず、マンデリンもトラジャも、インドネシアの豆は近年価格がかなり上昇している一方、東ティモールの豆は、比較的安価なイメージがあるのだが、こちらの東ティモールは、バリよりも高価な豆。

実は、こちらの豆はカッピングもせず、いつもお世話になっている商社の人が激しく推薦してきたので購入したのだが、先日届いた生豆をサンプルローストした結果、北白川焙煎所のスタッフ一同が「これ、スゴイ!」と唸るほどのクオリティーだった。

そんなわけで、バリはもう間もなく終了、そして次に出てくる東ティモールにもぜひご期待ください。

さて、話は変わって、先日ケニアの豆が一般的にいくらくらいで売られているか見ていたとき、こんな説明文を目にした。

ケニアのオークションロット

ケニアで毎年開催されるオークションで落札されたニュークロップ。

2月入港

ここから先、書くと同業者に嫌われそうだけど、まぁ、たまにはいいかと言うことで・・・

上の説明だけを見ると、何も知らない人が読んだら、年に一回開催されるカップオブエクセレンスなどのようなコンペで、秀逸な豆をオークションで競り落とされたものというイメージを抱いてしまうかもしれない。(そんなこと一言も書かれていないが)

ケニアのコーヒーは、7月以外は概ね毎週火曜日にNCE(ナイロビコーヒーエクスチェンジ)で開催されるオークションにより落札され、市場に出回る。

一部の中規模~大規模農園で、自前の精選所を持っているところは、MA(マーケティングエージェント)を通して、直接取引ができるものの、大半の小規模農家はチェリーをファクトリーと言われる精選所へ持って行って、ファクトリー(ファクトリーが複数集まったFCSの場合もある)単位でロットを作ってオークションに出品される。

NCEのオークション会場
灰皿もあったりして・・・

しかも、オークションと言っても、コンペのようにハイクオリティーな豆が集まるわけではなく、グレードで言えばスペシャルティーとして流通している【AA】や[【AB】だけではなく、【T】や【TT】(水洗時に水に浮いてしまうような軽くてスカスカな豆、欠点豆比率も劇高)から、本当に良いものまで玉石混交。

↑ 次回オークションに出される豆 ↓

つまり上の写真ほどの数の豆がオークションに出品されるので落札したというだけでは、どんなグレードのものだったかは不明。

Tグレードの豆も出品される
この汚い豆も言いようによっては「オークションロット」。

そして、ケニアのメインクロップ収穫は、9月ごろにスタートして、11月~12月が最盛期になるため、実際にメインクロップのオークションが活況を呈するのは、1~4月。

年間を平均したら、毎週1,000~1,500ロットがオークションに出されるが、メインクロップの最盛期である1~4月は2,000~2,500ロットが出品される。

と言うことで、2月入港のものは、ニュークロップに違いはないかもしれないが、概ねメインクロップよりも比較的安価な「フライクロップ」ということになる。

これをまとめると先の説明は以下のようになる。

「この豆は確かにケニア産だけど、グレードについてはどんなものか不明。そしてニュークロップではあるが、比較的安価なフライクロップです。」

と言っているということになる。

もし、本当に良いものを直接取引が認められている農園から仕入れているのであれば、決して「オークションロット」とは言わず、「〇〇エステートのスペシャルティー」と表現するはず。

そんなわけで、モノは言いようだなぁ・・・

と、思いながら、私はいくら「モノは言いよう」でも、知らない人に対して紛らわしい表現は使えないなぁ・・・と思った。

おしまい。

固定観念

2024年4月16日 

今日、出勤して通販のご注文リストを見たら、先日の日記でもご紹介していたコーヒー豆ガチャのご注文が2件入っていた。

それも、2件とも20連という一番数量の多いもの。

この「ガチャ」をスタートするにあたり、ECサイトで同様のガチャを販売していて成功しているところを多数参考にしたものの、コーヒー豆のガチャをやっているところが見つからなかったので、お酒やお肉などのサイトを参考にした。

開始当初は、一番リーズナブルな5連が良く出て、10連がたまに出るかな?15や20は、あまり購入されないだろうと思っていたのだが、ここまで入ったご注文は、15連か20連のみ。

ヴェルディの通販を繰り返しご利用くださっている方は、ほとんどがいつもと同じ豆を400~500グラムという少量多頻度購入して下さるお客様が多いし、初めての方にとっては、10連以上は価格的に敷居が高いのではないかと思っていたのに、予想とは逆の展開になっている。

また、ヴェルディの常連さんだったら、何が入っているか分からないというよりは、自分の好きなものをご購入下さるだろうと思っていたので、ちょっと意外だった。

逆を言えば、ここにきて初めてスタートした「ガチャ」の販売。

こういう何が入っているか分からないというのがウリの企画や、大量の豆と言う面に置いての需要もあるのだと言うことが分かった。

何となく、これまでは慣例とか分析しているつもりで、実は固定観念で物事を見ていた可能性もあるなぁ。

と反省。

通販のアイテムはもちろん、リアルの店でも、固定観念で物事を見るのではなく、柔らかい頭でいろいろと試すことも大切だな、と思った。

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