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カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記

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知らなくてもいい珈琲の話

知らなくてもいい珈琲の話-その34【生豆の仕入れ-その2】

2021年10月17日 

自家焙煎店では、多かれ少なかれ販売している豆についての蘊蓄を語っていると言えるでしょう。

ヴェルディでも、通販ページでは各豆の特徴やストーリーを書いています。

そんな中、よく「産地の農園から直接仕入れ」といった表現をされることがあります。

珈琲豆の流通につていよく知らない人が「産地の農園から直接仕入れ」をいう言葉を聞いたら、産地へ出向いて行って、いろいろな農園を回った中で良い豆を見つけて自分で仕入れてきたように思われるかもしれません。

でも、正直言うと、月間数トン程度までの自家焙煎店では、ほぼ無理なことだと言えるでしょう。

ヴェルディでも、私がブラジルへ行った折に、現地で数十種類の豆をカッピングした結果、セーラネグラ農園の特定区画のロット(当該区画で作られたロットは10袋程度)をヴェルディだけに販売してもらうよう契約して、ヴェルディのロゴを入れた麻袋で仕入れました。

しかし、それは取引のある商社を通して購入し、その商社が輸入するコンテナの中に入れてもらうという形での仕入れでした。

もし、個人で1から10まで仕入れをするとなったら、まず1コンテナを仕立てなくてはなりません。

コンテナ1台には、60キロ麻袋で約280Bag、つまり16.8トンの豆を仕入れることが条件となります。

単一生産国の豆しか扱わないのであれば、年間16トン焙煎する自家焙煎店はあるでしょう、でも、単一国だけで16.8トンを仕入れるというのは、数種類の豆を販売している自家焙煎店にとってはリスクが高すぎると言えるでしょう。

さらに、輸出・輸入の手続きも面倒ですし、輸入した後の検査対応や、倉庫の契約や運送のことなどを考えると、正直個人でそんなことはやりたくない、と言うよりそんなことに時間をとられていると自家焙煎店としての仕事にならないと思います。

そんなわけで、自家焙煎店や小規模ロースターが「産地の農園から直接仕入れ」という言い方をしたときは、産地に出向いたかどうかは別として、商社からもらったマイクロロットのサンプルの中から、自分が扱いたい豆を選んで、それを商社に頼んで独占的に仕入れてもらうという意味だと思えば良いでしょう。

そこで、非常にざっくりとではありますが、珈琲の仕入れチャートを作ってみました。

青い線は、裸の価格、つまり、産地が販売する価格にエクスポーターに払う手数料や船舶代金、国内での輸送費、倉庫での管理費などが乗っただけのものです。

黄色は、そこに手数料(利益)を乗せて販売した価格。

オレンジは、黄色の上にさらに手数料(利益)が乗った価格。

赤は、オレンジの上にさらに手数料(利益)が乗った価格です。

つまり、下層に行けば行くほど価格は上昇していくのですが、残念ながら最上層から仕入れるには、それなりの取引量が必要となってきます。

焙煎している豆のグレードは違いますが、大手ロースターがスーパーなどで500gの豆を1,000円程度で販売できるのは、そもそも仕入れ価格が全く違うからなのです。

そして、大手ロースターと個人自家焙煎店ほどの差はありませんが、同じ自家焙煎店と言っても、仕入れ価格には1キロあたり2~300円程度の差は出てきます。

しかし、価格以上に大切なのは、いかに高品質の豆を仕入れるかと言うことになります。

それは即ち、どこから仕入れるかということになるのですが、多くの場合は「どこの商社から仕入れるか」ということが重要となります。

もちろん、商社毎に強みがあるのでそこを掌握しておくことは必要ですが、それ以上に「誰が」扱っている豆か?ということが重要になってきます。

そのあたりを次回お話ししたいと思います。

知らなくてもいい珈琲の話-その32【生豆の仕入れ-その1】

2021年10月3日 

知らなくてもいい珈琲の話、今回からは「生豆の仕入れ」について書きたいと思います。

自家焙煎店は、どのようにして生豆を仕入れているのか。

よく「指定農園」とか、「現地買い付け」と謳っているものがありますが、それはどのように調達しているのか、などについて書いて行きたいと思います。

さて、多くの方がご存じの通り、私はバッハの門をたたき、バッハグループの一員として自家焙煎店を始めました。

バッハグループとは何か?と言うと、東京・南千住の自家焙煎店カフェ・バッハの田口氏伝承の焙煎技術を学び、バッハが選んだ生豆をバッハから購入して店舗を営業している数十件の店からなるグループのことです。

バッハグループのような生豆購入を前提としたグループは、他にも「珈琲工房ホリグチ」で有名な堀口さんのグループや、丸山珈琲のグループなど、いくつかのグループが存在しています。

こういったグループは、前提条件としてバッハや堀口、丸山珈琲といった主幹の会社がグループ全体の豆を一括で仕入れて、グループの店舗は全ての豆をその主幹会社から購入することになっており、許可なく他社から購入することは禁じています。

利点として、豆の善し悪しがまだ判断できない営業開始直後においては、間違いなく悪くはない商品を入手できること、特定銘柄が欠品することなく安定して入手できること。

そして、仕入れに頭を悩ませる必要がないため、店舗の営業と焙煎に専念できると言うことがあります。

また、取扱品目のうちの何点かは、そのグループの主幹会社が独占的に購入したロットになるため、他では購入できない豆が入手できるということが挙げられます。

一方で、マイナスな点としては、そのグループの主幹会社が選んだ豆以外は使えないため、独自色を出すことが難しいこと。

また、ある程度の量を仕入れられるようになった場合、同じ豆を商社や問屋と直接取引するよりも3~5割高く購入しなくてはならないということが挙げられます。

ただ、開業当初の使用量が少ない時点では、商社から直接購入できなかったり、問屋から購入するにしてもロットの問題で主幹会社から購入するのと同等の金額になる場合も少なくなりません。

さらに、数多ある中から、何を選ぶべきか?また、選んだ豆が欠品してしまうということもあります。

そのようなわけで、私も当初はバッハが選んだ豆だけで営業していましたが、焙煎量が増えてきたら、グループで購入しているのと同じ金額を出せばよりグレードの高い、良質な生豆が購入できることや、より幅広い豆を仕入れられること、産地などへ行ってより深く勉強できることなどから、グループを脱退。

仕入れを自由にできるようになりました。

そんなわけで、こういったグループに属さず、良い豆を仕入れるにはどのような方法があるのか。

簡単に言えば、商社や問屋から仕入れるということになりますが、そのあたりがなかなか簡単ではないところ。

ここから3回ほどに分けて書いていこうと思います。

知らなくてもいい珈琲の話-その31【コーヒーの精製-スマトラ式】

2021年9月19日 

コーヒーの精製もいよいよ最終回。

今回は精製方法のシェアとしては非常に小さく、インドネシア・スマトラ島の中でもマンデリンを製造しているエリア以外、ほぼ利用されていない「スマトラ式」について説明いたします。

そもそも、スマトラ式という精製方法がなぜ採用されているのかを考えてみましょう。

まず、ナチュラルの場合は、収穫後の時期は乾季であるか降雨が少ない必要があります。

そして、広い平地も必要です。

一方、ウォッシュドは比較的短期間で乾燥まで持って行けるので、収穫後も雨がよく降る地域でも採用できます。

また、平地が少ない山岳地帯などでもできるというのが利点です。

それではスマトラ島はどうか?と言うと、中南米の多くの国々、ウォッシュドを採用している多くの地域と比べても、収穫後の降雨量が多いことが挙げられます。

また、ほとんどが零細農家で、土地も非常に狭いという事情もあります。

そんな事情から、独自の精製方法と流通方法が出来上がっていったのが他にはない味わいの「マンデリン」です。

【コーヒーの精製】の最初に書いた通り、精製方法の違いは、どのタイミングで乾燥させるかということが最大のポイントになりますが、スマトラ式はその中でも非常に独特な手法がとられます。

精製方法による比較チャートを作ってみたのでご覧ください。

農家が行うのは、果肉を除去した状態である【GABAH】までで、この状態で仲買人が豆を小規模農家から買い集めます。

そして、仲買人か市場のエクスポーターはこのウエットパーチメントの状態のものからパーチメントを脱穀(この状態の豆をLABUと呼びます)、生豆にした状態で水分値12~15%まで乾燥させて(この状態のものをASALANと呼びます)保管・熟成するという仕組みになっています。

ここで問題が発生します。

通常、珈琲豆を仕入れる業者はドライパーチメントか生豆になった状態で仕入れの判断をします。

この状態まで行くと、その豆がどのようなクオリティーか分かりやすいのですが、スマトラ式の場合はウエットパーチメント、つまりGABAHの状態で判断をしなくてはなりません。

その段階では、その豆がどんなものなのかが非常に分かり辛い状態です。

上の比較写真をご覧頂いたら分かるように、ウエットパーチメントの状態だと、豆の熟成度合いなども分かりにくく、それがマンデリンの市場に有象無象のものが溢れる要因となっています。

そんな中、少数の優秀な仲買人(プロデューサーと呼ばれてい)は、長年の経験から、良い豆を生産する農家を知っているため、豆を見るのではなく永年良い豆を作り続けている農家を信じて高値で買い付けます。

したがって、市場に出回るものは、少数の仲買人が優良農家から仕入れた後の、品質の保証がないものということになります。

つまり、良いマンデリンを仕入れるためには、優良なプロデューサーと取引のある業者から買い付ける必要があるという、他国とは少し違う仕入れルートの選定をする必要がある豆なのです。

話がそれましたが、このようにウェットな状態で買い付けられるマンデリン。

ウエットな状態ということは、ドライなものよりも豆が柔らかい状態で運搬されることになります。

さらに、仲買人はGABAHを水分値が高い状態で脱穀してLABUに仕上げ、そこでさらに水分値12~15%まで乾燥させなくてはなりません。

そうなると、柔らかい上パーチメントに守られていない豆を攪拌して乾燥させるわけですから、豆がひしゃげてしまったり、また作業中に踏んでしまって豆がぺちゃんこになってしまったりということがあります。

優良なプロデューサーは、精製においても細心の注意を払うため、他の生産国同様奇麗な形状の豆が届きますが、そうでない場合は一目で「マンデリンだ」と分かる形状の豆を仕入れることになります。

そのように見た目だけでも、その豆の遍歴が分かるのがマンデリン。

同時に、このような他にはない精製方法をしていることもあり、他の豆では絶対に出せない風味特性を持っているのもマンデリンです。

スマトラ式という精製方法が採用されているのは、全生産国の中でも極限られた小さなエリアだけなのですが、その存在感は他国にはない芳香を放つ人気豆なのです。

知らなくてもいい珈琲の話-その30【コーヒーの精製-パルプドナチュラル】

2021年9月5日 

コーヒーの精製第四回目は、パルプドナチュラル=ハニー製法について説明いたします。

パルプドナチュラルは、1960年代にブラジルの大学が、コーヒーの種子・種を作り出す方法として考案されたのがスタートと言われています。

その後、1989年~1991年頃ブラジルの精製機器製造メーカー、ビニャレンセ社が「フルボディのコーヒーを作る安全な方法」として考案。

疑似的なナチュラルプロセスとして広がりました。

ブラジルにおける「ウォッシュド」は、だいたいの場合「セミウォッシュド」=「ミューシレージ除去製法」と言われ、方法的にはパルプドナチュラルとほぼ同じですが、セミウォッシュドが疑似的ウオッシュドとして広がっているのに対して、パルプドナチュラルは疑似的なナチュラルとして広がっています。

さて、パルプドナチュラルは別名「ハニー製法」と言われています。

たしかに、パルプドナチュラルはナチュラル特有のフルーティーな甘みを出したいから行われている精製法ではありますが、それによって蜂蜜のような甘みが出るというものではありません。

スペイン語ではミューシレージを Miel と言いますが、Mielを単純に英訳したら「honey」なので、ハニー製法と言われるようになりました。

ミューシレージは専門用語なので、普通に西英時点でMielをひいたらhoneyが出てくるので仕方ないと言えば仕方ないのですが、仮に「ミューシレージ残存乾燥製法」なんてネーミングになっていたら、あまり広がらなかったかもしれません。

何となく「ハニー製法」の方が美味しそうに感じますね。

話がそれましたが、そのハニー製法がどのように行われるか記載します。

収穫(収穫後に粗選別をすることもある)

② 果肉除去(水洗いではぎ落す)

③ ミューシレージがついた状態で乾燥

④ 重量ベースで水分量が11±1%まで乾燥

⑤ ドライパーチメントとして貯蔵

⑥ 出荷前にドライミル加工

順を追って説明します。

まず収穫したチェリーから水を使って果肉除去します。

上の写真は、比重による粗選別をしているところです。

比重選別をしてから果肉除去をする場合もありますが、選別なしで機械にかけるところもあります。

水といっしょにドラムで果肉を除去しますが、全ての機械がドラム式と言うわけではなく、果肉除去をする機械は他にもいくつかの種類があります。

こうしてチェリーから果肉を除去して、ミューシレージ(粘質物)が残った状態の種子が排出されます。

これをミューシレージ(Miel)が残った状態で、パティオやアフリカンベッドで水分値11%まで乾燥させます。

ミューシレージがついた状態で乾燥させて保管、出荷前に乾燥したミューシレージとパーチメントを脱穀して袋に詰めて出荷されます。

ハニープロセスの特徴(ポジティブ)

  • カッププロファイルが非常に多様である
  • 果肉を除去しているため乾燥が早く製造のスピードアップが図れる
  • 過発酵・カビなどのリスクが少ない
  • ウォッシュドに比べて水の使用量が少ない
  • ウォッシュドに比べて廃棄物の量が少ない

ハニープロセスの現状

  • 色で表現されるが明確な基準がなくまちまちである。

(Black / Red / Yellow / Golden / White )

これらの色の基準は以下のように言われているが特に定義はない。

1, ミューシレージの当初量

2, ブリックス(糖度)

3, 部分的ミューシレージ除去

4, 果肉内部の発酵度合い

5, 部分的乾燥等

  • 乾燥方法も多様で、以下のようなものがある

1, 発酵なし、スタティックドライヤーで40℃ ⇒ パティオ乾燥

2,  数時間発酵後ビニールハウスで26日乾燥などなど

このような事情(悪く言えば統一性のなさ)があるため、パルプドナチュラルという精製方法は、ポジティブな面を発揮できているものもあれば、普通のウォッシュドと大差ないものまで様々です。

私が焙煎を始めたころは、ファーメンテーションが必要ないことから、水の使用量と廃棄物の量を抑えられる、疑似的ナチュラルとして扱われることが多かったのですが、「ハニープロセス」と言われるようになってから、「風味の向上=高価な豆を作る方法」といった趣旨が広がりました。

特にハニー製法というだけで普通のウォッシュドよりも売買価格を上げられることから、品質を追求する農園と、利益を追求する農園によって、同じハニープロセスでもクオリティーには大きな違いが出てきていると言えるかもしれません。

次回は、スマトラ式について説明いたします。

知らなくてもいい珈琲の話-その29【コーヒーの精製-ウォッシュド】

2021年8月29日 

コーヒーの精製3回目は、水洗式=ウォッシュド(Washed)について説明いたします。

ウォッシュドは、1850年頃にジャマイカにおいて West Indies Process(西インド諸島式精製)として誕生しました。

ナチュラルは、果肉がついた状態から乾燥させるため、長期間広大な敷地を必要とすること。とくにパティオ(地面に広げて乾かす方法)の場合、広い面積の平地が必要なため、山岳地帯などでは難しい部分もありました。

その点、ウォッシュドの場合は、乾燥にかける時間が短くて済むことや、広大な平地を必要としないこと、また品質が均一にできることなどから広く採用されるようになりました。

現在では、ブラジル、インドネシア、エチオピア東部を除くアラビカ生産国のほとんどで採用されており、珈琲精製方法における主流となっています。

その方法は以下の通りです。

① 収穫(収穫後に粗選別をすることもある)

② 果肉除去(水を使う)

③ ファーメンテーション(ミューシレージを発酵により弛緩させる処理)※ ミューシレージ=粘質物(ペクチンの層)詳細は前々回のものを参照)

④ ミューシレージを水で洗い流す

⑤ 重量ベースで水分量が11±1%まで乾燥 ※ 乾燥方法は天日、アフリカンベッド、ドライヤーなど

⑥ ドライパーチメントとして保管

⑦ 出荷前にドライミルでパーチメントを除去

順を追って説明いたします。

まず、収穫されたチェリーを集めて水につけていきます。

ここで水につけて、浮かんできたものなどを除去する粗選別が行われることもあります。

次に、機械に通して果肉をはぎ取ります。

果肉が除去された状態で、水につけて粘質物(ミューシレージ)を弛緩させます。

これを「ファーメンテーション」と呼びます。

このときの温度管理や水質の悪いもの(細菌などが多い水)を使うと、風味が悪くなるため、この工程は非常に重要になります。

その後、弛緩したミューシレージを水で洗い流して、パーチメント状態で乾燥させます。

パーチメントとは、チェリーと種(豆)の間にある内皮のことで、この状態で保管することにより、豆の感想を防ぎ破損から守ります。

左がパーチメント、内皮を被った状態です。

右は、出荷前にドライミルでパーチメントを除去して袋詰めされます。

.

● ウォッシュドプロセスの特徴(ポジティブ)

・ クリーンカップ

・ ナチュラルよりも短時間・短期間で精製できる。

・ ナチュラルよりも均一性がとれる

● ウォッシュドプロセスの特徴(ネガティブ)

・ 大量の廃水がでる。

・ 品質保持期間が短い(風味がフェイドアウトしやすい)

・ 香り・味での差別化がしにくい

このような面から、風味特性の多様性が求められる時代となった昨今では、今までウォッシュドを採用していた国や地域の農園でも、ナチュラルプロセスを取り入れるところが増えてきました。

ヴェルディでは、同じ産地のものをウォッシュドとナチュラル両方取り扱っているものもあります。

また、今後もそういった精製方法による味の違いを楽しんで頂けるよう、色々な豆を仕入れたいと思います。

次回は、パルプドナチュラル(ハニー)精製について説明いたします。

知らなくてもいい珈琲の話-その28【コーヒーの精製-ナチュラル】

2021年8月22日 

先週より始まったコーヒーの精製、今回はナチュラル(Sun dry)について説明いたします。

ナチュラルは、最も古典的な精製方法です。

その方法を簡単に説明すると

① 収穫後すぐに乾燥工程に入る。

② 乾燥は、主にパティオ(地面に広げる)だが、アフリカンベッドやドライヤー、スタティックドライヤーを使うこともある。

③ 重量ベースで水分量が11±1%まで乾燥させて保存

④ 出荷前にドライミルで脱穀する。

ということになります。

順を追って詳しく説明しましょう。

まず、収穫するか否かの判断です。

上の写真で言う①がすでに完熟状態なので、通常はここで収穫します。

②は「グレープ」とも評され、この段階まで行くと深みのある味わいになります。

③はさらに深みが増し④は樹上完熟状態で、ブラジルではこの状態まで行ったチェリーのことを「ボイヤ」と言います。

ただし、②より先まで樹上で残すのは難しく、熟度が増すと木との付け根の部分も軟らかくなるため落ちてしまうことも少なくありません。

また、同時に鳥に食べられてしまう危険も高まるため、無難に行けば①か②で収穫する農園が多いと言えます。

ちなみに、ジャクバードという鳥が食べた後は、種が農園のあちこちに落ちています。

これが、鳥(ジャクバード)が食べた後の糞(コーヒーの種、パーチメントまでついていますね)

インドネシアだと、ジャコウネコが食べた糞から採取したものを「コピルアック」として販売していますが、ブラジルでもジャクバードの糞から採取したコーヒーが売られています。

ただ、インドネシアでは飼っているジャコウネコでコピルアックを作るところが大半を占める中、ジャクバードは野生しかいないので、このような糞をちょっとずつ採取して回らねばならないため、ものすごい手間がかかります。

話がそれました。

こうして完熟豆を収穫したら、パティオ(地面)かアフリカンベッド(網状の板の上に並べる)で天日乾燥します。

広大な地面に広げて乾燥

雨が多い場所では、屋根の下で乾燥させることも。

アフリカンベッドでの乾燥

また、時としてドライヤー(乾燥機)で乾燥させることもあります。

ドライヤーを使うのは、主に大量生産のコマーシャルコーヒー(コモディティコーヒー)で、安価なブレンドやインスタント用に使われることがメインで、スペシャルティコーヒーの場合はめったにドライヤーは使われません。

ドライヤーはこんなもの。

.

と、言うことで、ナチュラルプロセスの特徴をまとめてみました。

  • ナチュラルプロセスの特徴(ポジティブ)
  • フルーティーな香りが出せる(Fruity , Acidity , Sweetness)
  • 水の使用量が少なく、全く使わなくてもできる。
  • 排水やパルプ、ミューシレージなどの廃棄物が出ない。

  • ナチュラルプロセスの特徴(ネガティブ)
  • 未熟豆混入のリスク
  • チェリー内の水分が多い状態で熱が加わるため過発酵になりやすい。
  • カビ発生のリスク
  • ドライヤー使用時 ⇒ 乾燥工程中のチェリー破裂のリスク
  • パティオ ⇒ 天候によってリオ臭などの発生がある。
  • リオ臭
  • 独特の腐敗臭を「リオ」と言うが、これは収穫期に雨が降り、収穫後のチェリーや種子が雨水にさらされることにより細菌やカビが発生して生成されるヨード臭のような独特の臭い。収穫期に降雨の多いリオデジャネイロ州近辺でよく発生することから「リオ」「リオ臭」と言われる。

ナチュラル精製は、最も古典的な精製方法と言いましたが、現在ナチュラルをメインにしているのは、主にエチオピアとイエメン、ブラジルの3か国です。

エチオピアは、ウォッシュドとナチュラルが半々程度ですが、イエメンはほぼ100%、ブラジルは8割程度がナチュラルと言えるでしょう。

しかし、近年はコーヒーのキャラクターを強く出すために、これまでウォッシュドメインで精製していた国でも、ナチュラルを取り入れるところが増えてきました。

これは、ナチュラルの特徴である「フルーティーな風味」を出したいからに他なりません。

一方で、ナチュラルの風味は、どこの国であろうとナチュラルフレーバーが先に立ってしまうため、逆に生産国の個性を出しにくい部分もあり、最近では嫌気性発酵や、酒樽でのエイジングなどという手法で個性を出そうとする動きもあります。

次回はウォッシュドについて説明いたします。

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