自家焙煎珈琲 カフェ・ヴェルディ

カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記

  1. 下鴨店TOP
  2. カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記
  3. アフリカ旅行記

アフリカ旅行記

アナエロビック

2022年11月20日 

入荷量が少ないため、芸大店と通販だけで販売していた、ブラジルのフルッタメルカドン、私がアフリカへ行くちょっと前に売り切れてしまい、次回入荷は12月になるということなのだが、けっこう芸大店には「フルッタメルカドンない?」と聞いてこられるお客様がいらっしゃる。

そこで、同じように嫌気性発酵、俗に言うアナエロビックの豆を探して、なんとか一般的な価格で販売できそうなコスタリカのものを探してみた。

こちらは、1週間嫌気性発酵の後ナチュラル精選したもので、非常にフルーティーということだったが、やはりフルッタメルカドンは一日の長があるというか、あのクオリティのものはそんなにお目にかかれない。

そんな中でも、控えめながらワイニーでフルーティーなコスタリカを少量仕入れられたので、代役として来週の芸大定休日明けから販売しようかと思っている。

さて、タンザニアに着いたときは、日本との時差ボケなどほとんどなく、普通に視察旅行ができていたのだが、帰国後はなぜだか時差ボケが解消されない。

なんだか夜になると目が冴えてしまう。

で、写真の整理などをしていて農園や珈琲関係以外で出てきた写真を何枚か。

都市部から農村部へ、高速道路なのか単なる自動車専用道路なのか分からないが、ともかく信号も歩道もない道を走っていて、少し渋滞してノロノロ運転になると、いきなり車の横に行商?の人たちがたかり始める。

ほとんど買っている人はおらず、たまに水や果物を売っている人から購入している現地の人を見かけるが、このお姉さんのような布関係は、まず誰も買わないだろうと思うのだが、みんな元気いっぱい笑顔をふりまいて売り込んでくるから面白い。

そして、タンザニアでもケニアでも、以前行ったエチオピアでも、ともかく道の隅や、家の前で座っている人をよく見かける。

不思議なのが、その道を通って農園などへ行って、3時間後とかに同じ道を戻ってきても、やはり同じところに同じ人が座っていることが多い。

もし、誰かが京都の街を車で走っていて、どこかのベンチに私が座っているのを見かけたら「何しているのかな?」と思うだろう。

私も、そういった人たちを見て「何をしているのかな?」と思ったのだが、聞けばこういう人たちは、何もしていない、ただ座っているだけだという答えが返ってきた。

アフリカの田舎町では、「定職につく」ということがほとんどない。

もちろん、コーヒー農園の人たちは、家業としてコーヒーの面倒は見ているが、多くの人は、毎日何か仕事をするというわけではなく、ともかく「生きている」ということだそうである。

こうして座っていると、誰かが「○○を手伝ってくれ」と声をかけ、その手伝いをしたら日本円にして1日100円程度もらい、また翌日も声がかかるかどうか分からないし、声をかけてもらおうというわけでもなく、道に座っている。

と言う人が多いらしい。

元気な時にアフリカへ行くと、大地のパワーがもらえるが、ひとたびネガティブな状態でアフリカへ行くと、精気を吸い取られてしまう。と言う人がいる。

今回は、元気と言うわけではなかったが、そんなにネガティブな気分でもなかったので、パワーを身にまとって帰国することも、精気を奪われることもなかったが、こうして「生きるために生きている」人たちを目の当たりにし続けていると、日々の仕事で感じているストレスとかって、なんなんだろう?と思ってしまう。

タンザニアの平均寿命、2010年以降は延びてきているとはいえ、まだまだ日本とは20年近く乖離している。

その大きな原因は、小学校を卒業する前くらいの年齢までに命を落とす子供が多いということも大きな要因。

農村部だと、病院なんてものはお目にかかれない、医者に診てもらうにも、都市部まで車を飛ばしても5~6時間というのが現実。

しかも、多くの子供は裸足で走り回っている。

足を切って破傷風になったら、そのまま命を落とすと言うことも珍しくない。

蚊に刺されてマラリアになり、ロクに薬ももらえず、免疫力も乏しいため、なくなる子供も多いと聞く。

野生動物の世界とまでは行かなくても、人間すらアフリカでは生きることが簡単なことではない世の中。

日本だと、小さな子供に「将来何になりたい?」なんて聞くことも少なくない。

それは、ほとんどの場合無事大人になれるというのが一般的な感覚だから言えること

しかし、アフリカの田舎では、無事大人になれない子供も大勢いる。

零細農家の庭先で、私に微笑みかけてくれたこの子供、将来何になるんだろう?ではなく、無事大人になってほしと切に望む、そんな世界を体験できる産地視察は、日本と言う国で常識だと思っていることが、実はそうとは限らない、という感覚のリセットにもなっている。

3分で分かる from Cherry to Cup

2022年11月18日 

帰国して、まだ完全に時差ボケが抜けていない。

なので、昼間は眠いのに、夜になると何となく目がさえてしまう。

仕方がないので、ちょっと動画を作ってみた。

名付けて「3分で分かる from Cherry to Cup」

収穫から抽出(と、言えるかどうかは分からないが)までを3分にまとめてみました。

よろしければご覧ください。

アフリカ旅行記-5 ~ケニアの珈琲店~

2022年11月15日 

ケニア最終日は、お昼過ぎに空港へ行かねばならなかったので、午前中はナイロビ市内のスペシャルティコーヒーショップへ。

一軒目は、ナイロビの富裕層に人気と言うコネクトコーヒー。

こちらのお店に入る前に、鉄製のゲートがあり、警備員に開けてもらわないと敷地内に入れないという厳重な警備体制。

左手の垂れ幕を見たら、この店で使っている珈琲豆は、全てカッピングスコア85点以上の高級豆とのことで、どんなものかと期待したのだが・・・

店の奥には、台湾製の大型焙煎機が鎮座している。

その横に積まれた豆の袋を見たが、恐らくハイコモディティクラスではないかと思えた。

広々とした店内は、もはやアフリカと言うより、アメリカにありそうな雰囲気。

メインはエスプレッソマシンで抽出するコーヒーのようだが、ハンドドリップでも注文出来、抽出器具のハリオやカリタ、プレスなど選べるようになっている。

ハリオで抽出しているところを横目で見ながら。

真空二層式のグラスで提供される。

コーヒーの種類は1つだけで、エスプレッソもドリップもアイスも同じ豆の様子。

外の看板を見ていたら、プロデュースは韓国企業がしている様子だった。

クオリティとしては、本当にハイコモディティと言った感じだが、恐らくナイロビのおしゃれスポットなのだろう。

次々と地元の客が来店しており、満席になってきたので店を後にした。

続いては、大型ショッピングセンター内にある「スプリングバレーコーヒー」

こちらは、ストレートだけで数種類用意されており、最初は2店舗から始めて、ここ数年で8店舗まで増やしたとのこと。

日本でも見かけそうな今どきの珈琲店という感じ。

このチェーンの社長が来てくださって、こちらの豆をいろいろと試させてもらえることになった。

テーブルの上を見たら、クリスマスのキャンペーンポップ。

まぁ、11月だし、クリスマス商戦はスタートしているのだけど、客も店員もTシャツ姿でクリスマスと言われても、なんだか実感わかないなぁ・・・

そうこうしている間に、この店のバリスタと呼ばれている人が、5種類の豆を抽出して下さった。

そして、なんとこの人は、ケニアのエアロプレスチャンピオンだとか。

プレスの抽出の競技大会とかあるんだ!?

今回淹れて頂いた中では、こちらの豆が美味しかった。

こちらのお店は、豆の選択にもこだわりがあり、スペシャルティと言って良いかどうかは別として、しっかりとコーヒーに向き合っているお店と言う印象が強い。

ただ、やはり産地だと本当に良い豆は、なかなか国内で流通しないと言うこともあり、昨日カッピングしたもののレベルに達しているかと言われると、ちょっと難しいかもしれない。

コーヒーにおける生産国の自国展開は、なかなかハードルが高いかもしれない。

運んでくれていた人の背中を見たら・・・

このTシャツ、なかなかいいかも。

思わず、コーヒーについて聞きたくなる笑顔でした。

このお店、なかなか勉強になった。

そして、このお店のすぐ外にある別のお店は・・・

パッと見、100均っぽい雰囲気だけど・・・

ダイソウをパクッて、ミニソウにしているのかとも思ったが、メイソウって?

外国に来ると、いろいろと面白い。

アフリカ旅行記-4~カッピング~

2022年11月13日 

帰国を翌日に控え、実質的なケニアでの最終日は、LDC のケニア事務所でカッピング(テイスティング)をさせて頂けることになった。

カッピングのフロアに入ったら、おびただしい量のサンプルに圧倒される。

今年のオフシーズンにこちらの会社が仕入れしているファクトリーの豆をオークションに出品するときに出した豆のカタログがこちら。

カタログ1ページには、20以上の豆のデータが記載されているので、これだけのカタログに掲載された豆の数は天文学的な数字になる。

ヴェルディでは、開業以来ケニアの豆を取り扱ってきたが、オークションに出品している企業が現在11社なので、この会社が作ったカタログの10倍以上の豆が毎週(オフシーズンは2週に1回)オークションにかけられて、その中からカッピングによって選抜されて数種類に絞られた後、私たちがその中の1つを選んでいると思ったら、現在下鴨の倉庫にあるケニア豆との出会いは、ちょっと奇跡的なもののように思える。

などと思っている間に準備が進んでカッピングがスタート。

今回は、31種類の豆をカッピングさせて頂いたが、その中でも使いたいと思うものは2~3種類だった。

中には、来週のオークションにかけられるものも入っており、良いと思った豆の購入価格を現状の落札価格から推測したら、昨年より円安が進んでいることもあり、恐らく昨年同品質のものの2倍以上になりそうな雰囲気。

そんなケニアの珈琲豆が高値で推移している事情などについては、来年1月に開催する「珈琲夜話の会」でご説明いたします。

その後、こちらの会社の倉庫を見せて頂いたが、これまた量の多さに圧倒される。

この高さに積まれた麻袋が何列も続いていて、それぞれにロットナンバーが振られて管理されている。

倉庫に入った瞬間、インディージョーンズシリーズの第一作目、レイダース失われたアークのラストシーンを思い出してしまった。

それにしても、こんな高さに積み上げるのは、どうやっているのかと思いつつ倉庫の奥の方へ行ったら、コンベアで持ち上げて積み上げているところだった。

袋詰めされた豆を運んで

コンベアで持ち上げて綺麗に並べていく。

すごいスピーディーにされているが、この上で並べている赤い作業服の人って、恐らく熟練の作業員なんだろうな、などと思いながら見ていた。

その後、機械の説明などを聞いて、今回のケニアでは生産現場からファクトリーと呼ばれる精製所、そしてこの日記ではまだ書いていないが、オークション会場も見学させて頂いき、今回の出荷用倉庫と見られたので、生産現場から出荷まで一通りの進行を見聞きすることができた。

文章としては読んで知っていても、実際に自分の目で見ると机上の知識と違う印象を受ける。

大変勉強になった視察であった。

その後は、LDCの方々とランチ。

国立公園が見渡せる、ちょっとおしゃれなカフェレストランでハンバーガー。

タンザニアでは、けっこう現地の料理を食べたが、ケニアでも特にナイロビはあまり現地料理がメニューに載っておらず、わりと欧米のどこでも食べられるようなものが多く、個人的には少し残念だったが、ナイロビの食事はどれも美味しくて、ちょっと太ってしまったかもしれない。

いや、確実に太ってしまったので、帰国したら頑張ってダイエットしよう。

このページの先頭へ