自家焙煎珈琲 カフェ・ヴェルディ

カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記

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2017年02月

偵察

2017年2月28日 

最近、夕方に西の空を見て、綺麗だと思ったら造形芸大の大階段を駆け上って夕焼け空を眺めるのだが、今日は洗濯物を取り込もうとして出たバルコニーから見る西の空が、なかなか美しかった。

我が家のバルコニーもすてたものではないと思うのであった。

さて、このところ春のメニュー改定に向けて、試作をいろいろと繰り返しているのだが、その中の一つである「キッシュ」が迷路に迷い込んでしまったような状態に陥っている。

最初は、アパレイユを流し込む生地が安定せず、アパレイユが漏れて上手くいかなかったのだが、それが克服されて安定してくると、次はオーブンの温度や時間による舌触りと言うか、食感と言うか、そのあたりが気になり始めた。

ふるふるの柔らかさで焼き上げられる温度と時間が分かったと思ったら、どうも茶碗蒸しみたいな味になったり、少し温度と時間を長くすると、茶碗蒸しのような味はしなくなったが、表面がかなり黒くなるのと食感にざらつきが出てきて。

まぁ、本当に少しのことで、随分と仕上がりに違いが出てくるものである。

そんな迷った時は、ちゃんとしたものを食べてみるのが一番!

と言うことで、社員の土屋と太田を誘って、オ タン ペルディさんへキッシュを食べに行ってきた。

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店に行ったは良いが、キッシュが売り切れていたら大変なので、行く前に電話でキッシュはまだ食べられるか確認してから向かったのだが、店に入って「キッシュ食べに来ました」と、いつも笑顔が素敵なホールの方に言ったら「どこかで聞いた声だと思ったので、頭の中のアドレス帳を思いめぐらせたのに分かりませんでした」と。

で、隠しても仕方ないので、「実は店で作るキッシュの参考にするため、偵察に来ました。」と言ったら、とても親切にいろいろと教えて下さった。

そして、キッチンにオーダーを通すとき「ヴェルディさん、偵察のオーダーです」だって。

でも、こういう対応って、本当に自分の店の商品に自信がなくてはできないもの。

Verdi も余裕の姿勢で、他店からの偵察を受け入れられる器量の大きさを持ちたいものである。

って、Verdi には誰も偵察なんかに来ないか?

 

そんな偵察として食べたのは、定番の「キッシュ ロレーヌ」と、本日のキッシュ=「帆立のキッシュ」。

これが、本当にふるふるな感じで柔らかく、舌触りも非常になめらか。

デパ地下の惣菜店では、かなり硬めのキッシュが多かったりするが、それはテイクアウトを想定して、さらに持ち帰り時間も考えると、けっこうしっかり焼いておかないとダメなところもある。

私たちは、店で食べて頂くわけで、やはりオ タン ペルデュさん同様、ふるふるしていて柔らかく食感も素晴らしいものを作りたい。

いろいろと勉強になった。

せっかくなのでクラブハウスサンドも。

休みの日でも、こうして私の偵察に付き合ってくれるスタッフは有難いと思いつつ、ちゃっかりミーティングまでしてしまったが、それもこれもお客様により喜んでいただける店作りのため。

3月中にしっかり検討して、4月からキッシュを含む新しいメニューでお客様の心と胃袋を満たしたいものである。

珈琲の楽しさ

2017年2月27日 

Verdi 京都造形芸大店の焙煎機前にあるカウンターでは、珈琲の飲み比べや美味しい淹れ方の簡単な教室の他、焙煎機を動かして、生豆から深煎りになるまでの過程を見て頂きつつ、その途中途中の味の変化も実際に飲んで確かめてもらうというセミナーを開催している。

これまで、基本的に完全予約制だったが、来年度からは土曜日の夕方を中心に、定期的に開催して行こうかと検討中。

で、先週の土曜日の朝、以前飲み比べをして下さったお客様が、ぜひ焙煎見学のセミナーを受けたいとご予約下さったので開催した。

焙煎が進行して行く中、ほんの1分弱の間に、劇的なほど味の変化があるということを実感して頂けたのではないかと思う。

珈琲の味の違いというと、生産国・銘柄だけで判断する方も少なくない、と言うより、コーヒー通を自認している人でも、産地銘柄だけで珈琲の味を語る方をよく目にする。

しかし、こうして焙煎の進行とともに、どのように味が変わってくるかを体験して頂くと、産地の違いより、むしろ焙煎の違いの方が味の根本的な部分において変化が出てくるということを理解して頂ける。

近年コーヒーブームと言われているが、まだまだ間違った知識が横行しているのが現状、地道なことではあるが、しっかりと本当のことをお客様にお伝えできればと思う。

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そして、ちょっと必要に迫られて、新しいブレンドを作っているのだが、これがなかなか面白いのだが難しい。

最近は、「シングル オリジン」という言葉も生まれてきて、単一の豆を重宝がる傾向にあるが、少し珈琲の楽しみ方を知ってくると、ブレンドの奥深さと新たな味の創造ができる面白さにハマってくるのではないかと思う。

ブレンド初心者は、どうしても足し算で味をつくろうとするが、やはりブレンドの基本は引き算。

絵の具を混ぜて、新たな色をつくろうとするとき、3~4色以上まぜてしまうと、どんどん黒くなっていくのと同じで、ブレンドも欲張ってあまり多くの豆を使うと、何が言いたいのかわからない味になってしまう。

また、何種類かの豆を混ぜることで、単一の豆では感じられなかったマスキングされていた味を引きだすこともできれば、特定の風味を極端に強調してしまうこともあり得る。

ブレンドがバシッと決まったときは、その一杯の珈琲が神々しく感じてしまうこともある。

まぁ、珈琲って、いろいろな側面があって、どの部分を見るかによって全く違うものになってくるのだが、可能な限りいろんな面をみながら、より美味しい、より楽しい珈琲をお客様と共有できればと思う。

台湾グルメ その2

2017年2月26日 

この週末は、国立大学の試験日だったので、私の自宅近辺は多くの人で賑わっていた。

塾や予備校ののぼりがはためく中、先生たちが見知った学生を見つけると、「頑張れよ!」と握手している姿を目にしつつ、先日台湾で「台湾の百万遍」という説明を受けたあの場とは、随分違う雰囲気だなぁ、と。

かく言う私の娘も今年は受験生。

彼女も国立校を受けるべく、24日に新幹線で出発したのだが、その車中で先に受けていた志望順位の高い公立校の合格発表があり、無事そちらに行けることになったので、気分よく受験できた様子。

でも、まだ同級生の多くは、25日の試験の結果待ち状態。

実際、この列の中にも彼女のクラスメイトがいるかもしれない。

全ての人が希望通りには行かないが、例年だと受験生の列を見ながら、他人事のように「大変だなぁ」と思うのだが、今年は何となく感情移入してしまった。

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さて、入学試験があろうがなかろうが、全ての人に朝は来る。

で、朝はやはり一日の始まりなのでしっかり食事をしなくては!

ということで、台湾で地元色の強い朝食屋さんへ連れて行って頂いた。

 

バイクが列をなして停まっている道路の向こう側、これまた道と店の間に何もない状態で営業されている朝食屋さん。

8時前には、すでに列ができていた。

だいたい3倍にしたら日本円に換算した金額ということで、どれを食べても日本のモーニングとはけた違いに安い。

 

ご家族で経営されているそうだが、連携も素晴らしく、坦々と作り、坦々とお客様に提供されていく姿は芸術的にも見える。

まずは、豆乳を頂いたのだが・・・

 

スプーンですくったら、じゃりっと砂糖が底一面に敷かれているような感じ。

標準仕様では、砂糖たっぷりの甘い豆乳が飲まれるそうだが、砂糖なしもチョイスできるらしい。

この投入に、揚げパンのような揚げ麩のようなものを刻んで浮かべて食べている人もいた。

こちらは、台湾朝食風のおにぎり?おにぎらず?とりあえず、ビニール袋に入って提供される。

あまりしっかりと固まっていないので、一口食べたら、ビニールの上から少し固めつつ食べるのがコツだそうである。

 

米の中に、揚げパンのようなアレが入っていて、なんだかクドそうなのだが、炊きたて揚げたてのこのコンビ、けっこう病み付きになるかも。

 

こちらは、インドで言うナンのようなパンのような、ともかく粉もんの中に、例の揚げパンが入っている。

これも、やはり焼きたて揚げたては美味しい。

台湾では、朝食は外で買って、オフィスへ持って行って食べるというのが一般的だそうで、9時に出勤しても最初の15分くらいは、けっこうこういうのを食べながらパソコンに向かっている姿が珍しくないらしい。

アジアの他の国でも、食事は家ではなく外でとるのが一般的なところもあるようだし、やはり所変わればだなぁ。

と、実感するひと時であった。

 

あし

2017年2月24日 

随分体調も良くなったが、まだ少し激しく身体を動かすと咳が出てしまうので、朝のウォーキングは今週いっぱいお休み。

そろそろ6時の鴨川も明るくなり始めているようだし、これからは桜の蕾も膨らみだすはず。

毎朝楽しみになりそう。

さて、今日は末娘の誕生日だったのだが、今日から長女は受験のため京都を離れ、受かったときの下宿を確保しておく必要があったため、カミさんも長女に同行しているので、次女と私で末娘の誕生日祝いをすることになった。

そんなわけで、本当は台湾のグルメについて書こうかと思っていたが、帰宅したらちょっと遅くなってしまい、これから写真を選んでリサイズしてアップしていると日付をまたぎそうなので一つだけ。

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台湾滞在中に、かなり立派な中華料理店で食事をとらせて頂くことになったのだが、そこで出てきた前菜の中の一皿から、何も考えずに料理を皿に取り、一口運んだとたん、「それを食べる日本人、初めて見た」と言われた。

一見、きのこか何かかと思って、何の抵抗もなく皿にとったのだが・・・

よく見ると、鶏の足の皮だった!

ちょっと柔らかくてコラーゲン感が増したキクラゲのような食感で、個人的には美味しく頂いた。

そして、料理も終盤に差し掛かったころ、煮物が出てきたのでこれまた何の抵抗もなく皿に取ってみたら・・・

遠目に見ると、かりんとうの煮物のようにも見えるが、とりあえず食べられないものは出てこないだろうと思って自分の皿に一つとってみたら・・・

けっこうリアルに鶏の足の煮ものであった。

こちらは、完璧にゼラチン質特有の食感で、粘り気のある口当たり。

甘辛く柔らかく炊かれていて、これまた美味しく頂いたが、恐らくカミさんはこれ、絶対食べられないだろうなぁ、と思った。

豚足は、けっこう多くの人が抵抗なく食べるのだが、こちらは抵抗ある人が多いらしい。

料理とは、味覚と嗅覚で味わうものだと思われがちだが、視覚というものもけっこう影響しているような気がした。

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ここで一つお知らせです。

昨日、Facebook でアップした「気まぐれカレー」ですが、残り数食ですが土曜日も販売できそうです。

よろしければ、お試しくださいませ。

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