今朝は、薄手のジャージで歩いていても汗ばむほど。
定点観測位置から大文字山を見たら、いい感じで雲がかかっていてきれいだった。
ちょっと場所を移動して、木の枝と大文字山
もう春というより初夏の雰囲気がただよっていた。
最近、春と秋が短い気がする。
で、今日は以下文章のみ。それも、あまり楽しい話ではないので、めんどうな方はこの先パスしてください。
さて、コーヒーブームと言われている昨今、京都市内でも次々と珈琲店ができて、若い人が集まっている光景を目にする。
珈琲業界でも、川上の部分においては、大きな利益が出ているのではないだろうか。
そんな中、珈琲を仕入れている商社や卸会社から同じような手紙が相次いで届いた。
表現や言い回しは違うが、内容はこんな感じ。
● 掛け売りの終了、または、支払い代行会社を経由した決済に移行。
● 小分け発送の開始、または最小ロットの小規模化をするという告知。
● 無償サンプルの提供終了、または、数万円分購入時のみサンプルを請求できるよう改定。
こんな手紙をもらって、ちょっと考えてしまった。
まず、掛け売りの終了について、ポジティブに見ると、珈琲店が増えて取引先が倍増したため、掛け売りは経理の手間がかかり事務作業が大変になるので、クレジット決済か支払い代行会社、あるいは代引きのみの決済にして経理処理に要する時間を削減する。
と見えるが、ちょっと嫌な見方をすると、回収不能のリスク回避=売掛金の回収ができない可能性のある取引先が増えた。とも考えられる。
次に、小分け発送の開始、または最小ロットの小規模化というのは、焙煎業者にとっては有難いように思えるが、文面を見ると1キロ単位で発注ができるようになった旨書かれていたり・・・
今までは、小分けと言えば最低でも10キロだった。
1キロの豆を焙煎したら、水分が飛んだりして商品になるのは約8割。
カッピングをしたり、店内飲食で出したりすることを考えたら、1キロ小分けで仕入れたとしたら、豆で販売できるのはせいぜい5~600gということになる。
もし、店内飲食だけのために豆を焙煎したとしても、1キロ焙煎して淹れられる珈琲は50~60杯程度。
要するに、1キロ小分けで仕入れても、豆はほとんど売れないし、店内飲食にしてもそんなにたくさん出ていないということになる。
最後に無償サンプルの配布終了について、通常だと数百グラムのサンプルをもらって、豆を見てから発注するということだろうが、ある商社の人が半ば苦笑を浮かべた顔で言っていたのは、「無償サンプルだけもらって、それで商売しているお店があるから困っている。」そうである。
あるいは、無償サンプルを出しても、それをペイできるだけの注文が入らないということもあるだろう。
そうして考えると、今のコーヒーブームには非常に危うさを感じてしまう。
それは、しっかりとしたビジネスにならない規模の店が増えることで、業界全体が疲弊するということもあるし、コーヒーというもののビジネススタイルが、今まで私たちがやってきたものとは異質な方向へ走り出している可能性を感じるということもある。
前者については、しっかりと今までの仕事を常にブラッシュアップしつつ遂行するしかないかと思うが、後者については確実に旧来の珈琲店にもその波は押し寄せてくるので、きちんと時代の流れを見ながら、そこに足を取られるのではなく、自店の存在意義をお客様にご理解頂いて、時代を取り込みつつ流されないように地に足をつけて営業しなくてはならない。
そんなこともあり、造形芸大店はGW明けに改装工事をして、より珈琲についてしっかりとお客様に向き合える店にしようと思っている。
店の改装と同時に、もっと Verdi のスタッフにもしっかりと珈琲についての理解を深めてもらい、より強固な専門店に育っていかねばだな、と、業者さんからの手紙を読みつつ思いをはせるひと時であった。