今日もわりと涼しさを感じる朝だった。
まだ秋と言うのは早いが、秋の夜長に何をして楽しむか?と問われたら、音楽を聴きながら、珈琲片手に読書というのが私の定番。
で、好きな曲の場合、違う演奏家で複数のCDを持っている場合が多い。
コンチェルトなどだと、比較的演奏時間が短いものも多く、複数枚揃えることも難しくはないが、CD三枚組にもなるオペラなどの場合、聴き比べるには時間がかかるため、二の足を踏んでしまうこともしばしば。
そんな中、えいやっ!と聴き比べてみると、よほど素晴らしい演奏でもない限り、長年愛聴していたものが自分にとってのスタンダードになっているため、次に聴いたものに違和感を覚えることもしばしば。
ただ、何度も聴いていると、後から購入した方が実は素晴らしい演奏だったと思えることもある。
そんなことを考えながら、ふとコーヒーのことに視点を移してみた。
よく「コロンビアが好き」とか「モカが好き」とおっしゃるお客様に、「コロンビアと言っても生産地域や品種、精選方法、焙煎で全く味は変わります」と説明するが、恐らくそのお客様にとっては、長年親しんできた味がスタンダードであり、それ以外には違和感を覚えられてしまうのではないだろうか。と。
自分の場合、同じ生産国の豆でも、品種や地域、精選方法などで全く違うことを理解したうえで飲むので、同じ銘柄の豆だからと言ってスタンダードと比較して違和感を覚えると言ったことはないのだが、音楽となると、演奏者によって解釈が違うことは分かりつつも、自分のスタンダードと比べてしまう。
まぁ、仕事にしているものと、趣味のものでは取り組み方が違うから仕方ないのかもしれないが、せっかく聴き比べをするのに、下手に比較するのではなく、まっさらな気持ちで聴かないと演奏者に失礼な気がした。
まだ少し先かもしれないが、秋の夜長、本とCDと珈琲で楽しみたいものである。