自家焙煎珈琲 カフェ・ヴェルディ

カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記

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2021年09月

知らなくてもいい珈琲の話-その31【コーヒーの精製-スマトラ式】

2021年9月19日 

コーヒーの精製もいよいよ最終回。

今回は精製方法のシェアとしては非常に小さく、インドネシア・スマトラ島の中でもマンデリンを製造しているエリア以外、ほぼ利用されていない「スマトラ式」について説明いたします。

そもそも、スマトラ式という精製方法がなぜ採用されているのかを考えてみましょう。

まず、ナチュラルの場合は、収穫後の時期は乾季であるか降雨が少ない必要があります。

そして、広い平地も必要です。

一方、ウォッシュドは比較的短期間で乾燥まで持って行けるので、収穫後も雨がよく降る地域でも採用できます。

また、平地が少ない山岳地帯などでもできるというのが利点です。

それではスマトラ島はどうか?と言うと、中南米の多くの国々、ウォッシュドを採用している多くの地域と比べても、収穫後の降雨量が多いことが挙げられます。

また、ほとんどが零細農家で、土地も非常に狭いという事情もあります。

そんな事情から、独自の精製方法と流通方法が出来上がっていったのが他にはない味わいの「マンデリン」です。

【コーヒーの精製】の最初に書いた通り、精製方法の違いは、どのタイミングで乾燥させるかということが最大のポイントになりますが、スマトラ式はその中でも非常に独特な手法がとられます。

精製方法による比較チャートを作ってみたのでご覧ください。

農家が行うのは、果肉を除去した状態である【GABAH】までで、この状態で仲買人が豆を小規模農家から買い集めます。

そして、仲買人か市場のエクスポーターはこのウエットパーチメントの状態のものからパーチメントを脱穀(この状態の豆をLABUと呼びます)、生豆にした状態で水分値12~15%まで乾燥させて(この状態のものをASALANと呼びます)保管・熟成するという仕組みになっています。

ここで問題が発生します。

通常、珈琲豆を仕入れる業者はドライパーチメントか生豆になった状態で仕入れの判断をします。

この状態まで行くと、その豆がどのようなクオリティーか分かりやすいのですが、スマトラ式の場合はウエットパーチメント、つまりGABAHの状態で判断をしなくてはなりません。

その段階では、その豆がどんなものなのかが非常に分かり辛い状態です。

上の比較写真をご覧頂いたら分かるように、ウエットパーチメントの状態だと、豆の熟成度合いなども分かりにくく、それがマンデリンの市場に有象無象のものが溢れる要因となっています。

そんな中、少数の優秀な仲買人(プロデューサーと呼ばれてい)は、長年の経験から、良い豆を生産する農家を知っているため、豆を見るのではなく永年良い豆を作り続けている農家を信じて高値で買い付けます。

したがって、市場に出回るものは、少数の仲買人が優良農家から仕入れた後の、品質の保証がないものということになります。

つまり、良いマンデリンを仕入れるためには、優良なプロデューサーと取引のある業者から買い付ける必要があるという、他国とは少し違う仕入れルートの選定をする必要がある豆なのです。

話がそれましたが、このようにウェットな状態で買い付けられるマンデリン。

ウエットな状態ということは、ドライなものよりも豆が柔らかい状態で運搬されることになります。

さらに、仲買人はGABAHを水分値が高い状態で脱穀してLABUに仕上げ、そこでさらに水分値12~15%まで乾燥させなくてはなりません。

そうなると、柔らかい上パーチメントに守られていない豆を攪拌して乾燥させるわけですから、豆がひしゃげてしまったり、また作業中に踏んでしまって豆がぺちゃんこになってしまったりということがあります。

優良なプロデューサーは、精製においても細心の注意を払うため、他の生産国同様奇麗な形状の豆が届きますが、そうでない場合は一目で「マンデリンだ」と分かる形状の豆を仕入れることになります。

そのように見た目だけでも、その豆の遍歴が分かるのがマンデリン。

同時に、このような他にはない精製方法をしていることもあり、他の豆では絶対に出せない風味特性を持っているのもマンデリンです。

スマトラ式という精製方法が採用されているのは、全生産国の中でも極限られた小さなエリアだけなのですが、その存在感は他国にはない芳香を放つ人気豆なのです。

学祭。

2021年9月18日 

本日もご覧頂きありがとうございます。

今日、明日は京都芸術大学の学祭。芸大の大階段で何日か前から学生さんが頑張ってカラーテープを使って何やら作業をされていたので何が出来るのかなと気になっていたので、見に行くと大階段にステキなアート!!

記念にパシャリ。

今年もコロナで通常の学祭は出来ない状況。一般のお客様は観に来られないどころか、学生さん達も予約制でかなり人数制限されての学祭となっているようです。

私達ももちろん入れないのですが、インフォメーションに用事があるのでその間までの通路は行き来することができます。なので、その通路沿いの踊り場の作品はいくつか拝見させて頂きました。

こちらの作品達も夏の暑い日から学生さんが一生懸命作業されていたのを見ていたので、出来上がりを見て感動♪

巨大な足!!

来年こそは、来年こそは!!コロナが収まって盛大な学祭が行われることを願うばかりです。

ヴェルディも来月からは新しいスイーツやギフトなど、より楽しんで頂けるよう作業を進めておりますので、もうしばらくお待ち下さいませ。

明日、明後日は通常の土日祝ランチメニューとなっております。よろしければ是非お越し下さいませ♪

辛いもの食べたい

2021年9月17日 

今朝はちょっと蒸しっとしていた。

現在ヴェルディでは自家製スイーツの整備をしているが、芸大のパティシエール松尾は、販売開始前の最終ブラッシュアップに余念がない。

若干配合などを変えて試作を繰り返しているのだが、当然試作したら試食がついてくる。

カスカラサブレは、少し甘めに仕上げようとしたが、そうするとカスカラのほんのりとした酸味が失われたので、最終的に配合はそのままにして、食感を良くするために鉄板の上に敷くパットを変更。

こんどはサイズと厚さの調整をすることに。

フィナンシェは、現在焼きたてが一番美味しい配合にしているが、ギフトにも対応できるような配合にかえて、日持ちするようにしてみた。

こちらは風味も良く次回菌検査用に焼いてテスト。

そして、新作のショコラのテリーヌ。

こちらも、数種類のクーベルチュールを混ぜているのだが、その配合を少し変えながら、今回が二回目の試作。

あと2~3回で商品化したい。

といった具合に、夕方から試食をしていると、夕飯時もなんだかお腹がいっぱいで食欲がわかない。

が、甘いものでお腹を満たしてしまうと、満腹感はあるものの、しょっぱいものを食べたくなってしまう。

できれば、辛い系が良かったり・・・

よくお客様から「試食ができていいですね」と言われるが、これはこれでいろいろと大変なもの。

ともかく、良いものをしっかりと作って、このお腹は満たされていても満たされない甘辛バランスの日々が良い成果につながるようになってほしいものである。

ちょっと何か

2021年9月16日 

ちょっと前まで、芸大店で出勤前にテイクアウトのコーヒーをお求めくださる大学の方は、だいたいがアイスコーヒーだったが、ここ数日はホットをお求めになる比率が高くなってきた。

昼間の暑さも耐えられるレベルになってきた。

いよいよコーヒーのシーズンにはいりますねぇ。

で、コーヒーを飲むとき、コーヒーだけで楽しむのも良いが、ちょっと何か口に入るものが欲しいということも少なくない。

そんなお客様のご要望に応えられる商品が間もなく登場予定。

カスカラサブレ

ブラックペッパーのビスコッティ

カスカラサブレは、コーヒーチェリーの果肉を乾燥させたもの(カスカラ)を入れてサクッと焼き上げた、ほんのり甘酸っぱいサブレ。

カリっとした食感のビスコッティは、あとからじわっとブラックペッパーの刺激と、スパイスの甘い香りが口の中に残る。

両方ともコーヒーを飲みながら楽しみたい焼菓子。

現在、賞味期限を設定すべく、常温保存したうえで菌検査に出す日を待っている状態。

無事検査をパスしたら販売開始。

10月にはお目見えします、販売開始したらぜひおためしくださいませ。

NG Word

2021年9月15日 

今日も外に出た瞬間は肌寒さを感じたが、歩いていたら汗ばんでくる。

まぁ、珈琲の産地のような季候といった感じかも。

このところ、コーヒーの焙煎セミナーを受けに来て下さる方が多いということは先日の日記にも書いたが、基本的にヴェルディのコーヒーセミナーは一般の方向けでプロまたはそれに準ずる方は対象外にしている。

と言うか、プロまたはプロを目指している人に教えるのであれば、内容も変われば受講料も一桁変える必要があるから、もしプロが受けに来ても一般の方に対して以上のことは教えられないわけだったりする。

が、今日来た方は焙煎機も3キロ釜を購入して、これから商売にしようとしているとのこと。

さらに、一昨日の人は「大阪でバリスタをやっています」と。

ただ、そのバリスタ君、実はうちの娘の幼馴染で、もう彼が幼稚園のころから知っているので「大きくなったね」と。ご両親とも旧知の間柄なので、会話も弾んで楽しく講座ができた。

が、私はどうも「barista」という表現が好きではない。

他の人が「私、バリスタです」と言う分には、そうですか、といったところなのでどうでも良いのだが、たまに外でコーヒー講座なんかをやって、しかも抽出講習の時間があったりすると、私のことを「続木バリスタ」と紹介されることがある。

そんなにプライドが高いわけではないが、バリスタと呼ばれると、どうも私的には違和感を覚えて嫌なのである。

昔オペラを聴きにイタリアへ行ったことがある。

もしかしたら、今は違うのかもしれないが、イタリアでbaristaと言ったら、バルでソフトドリンクを作る担当者という意味以上でもそれ以下でもない。

つまり、日本の飲食店で言ったら、単に飲食店のドリンク担当。

しかも、カクテルを作るといったことや、料理には手が出せない、店の中では決して高い地位にいる人ではないというのが私の認識なので、最近baristaが敬称のように扱われていることに違和感を覚えずにいられない。

※ 一般的なバリスタの意味は こちら

ただ、最近は技術を競うコンテストなども行われているので、「バリスタ」の前に「○○優勝」とか、そういう冠をつけたら敬称になるのだが、私の感覚では「バリスタ」というのは敬称ではなく職種を表しているだけの言葉なので「プログラマー」とか「ドライバー」というのと同じこと。

私の場合、豆の買い付けから選定、焙煎、ブレンドもするし、店で出すフードやスイーツのレシピも考えつつ、当然抽出もするから極狭義で言えばバリスタかもしれないが、ヴェルディにおいては単なる抽出担当者ではないのだけどなぁ・・・と思ってしまうわけである。

なのに、講座の講師として紹介されるとき、日本語に訳したら「ヴェルディの続木抽出担当です」と言われているわけで、そう紹介されたら「単なる抽出担当ではないんだけどな」と、テンション下がった中で講座をしなくてはならなくなる。

じゃぁ、なんて呼んだらいいんだ?と訊かれたら「ヴェルディのマスター、続木です」が一番しっくりくる。

取引業者の方なんかは「社長」と呼ぶが、正社員7人の零細企業、社長というのはどうもしっくりこないので、自社の社員には「マスター」と呼ばせているし、お客様からも「マスター」と呼ばれるから、やはり一番呼ばれ慣れていて違和感がない。

さらにいうと、「マスター」って、ヨーダやオビワンと同列ってことで、何となくフォースと共にいられそうな気にもなる。

もしかしたら、それが一番の理由かもしれないが、まぁ、そんなわけで、たまに私をバリスタ呼ばわりする人がいますが、それ、私にとってはNG Wordなので、この日記を読んだ方は決してそう呼ばないようお願いいたします。

ホームロースター

2021年9月13日 

雲の多い朝、歩きながら感じる空気感では、雨が降りそうに思っていたが、帰宅して天気予報を見たら雨マークはついていない。

結局一日「晴れ時々くもり」の天気予報通りだった。

さて、このところ芸大店で行っているコーヒーセミナーへの申し込みが増えている。

Google で「コーヒーセミナー 京都」と検索したら、だいたい広告の次の1番目か2番目に表示されるということもあるだろうが、けっこう遠方からお越しになる方も少なくない。

これまでなら、ヴェルディへちょくちょくご来店くださっていたお客様がご参加下さるというパターンも多かったのに、ここ数か月は初めての方の比率が高い。

コロナの影響で、自宅時間が増えて、珈琲に関心を持つ方が多くなったことも考えられるが、お話をしていると「ホームロースター」を持っているという方が散見できる。

私はコーヒー屋になる前、パン屋で働いていたのだが、「ホームベーカリー」なる家庭用のパン焼き機が登場して、多くの方がご自宅でパンを焼くようになったらパン屋はどうなるのか?なんて考えたことがあった。

しかし、パン屋は目立って減ることなく、むしろ個人店を中心に増加傾向。

では、この「ホームロースター」の登場はコーヒー屋に影響があるのかどうか。

私も先日サンプルロースト用にホームロースターを購入してみたが、純粋に味だけを見ると、焙煎当日と翌日あたりならけっこう美味しく飲めるから侮れない。

それを踏まえて一つ言えることは、自家焙煎店はホームロースターと圧倒的に違う「何か」を提供できないといけない、ということだろうか。

今日も焙煎セミナーをさせてもらい、定休日を挟んで明後日もご予約が入っている。

セミナーの折、焙煎の理論について限られた時間なので簡単な説明にはなるが、図解で説明したら、みなさんプロが持つべきスキルについて、そんな簡単なものではないと納得して下さるのだが、ホームロースターの登場は多くの人が焙煎を簡単なものと捉えてしまう可能性もある。

一方で、逆に焙煎について関心を持つ人が増えるということもある。

ヴェルディのセミナーが、そういった方々に対して、本当の知識を持っていただけるとっかかりになれば、と、感じつつセミナーを開催する今日このごろ。

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