昨日、コーヒー豆を届けに髙島屋S.C.店へ行ったときのこと。
店長とアルバイトの二人が、「今日ブレンドしたヴェルディブレンドが少し後味に渋みを感じるのですが」と言ってきた。
お召し上がりになったお客様は、特に不快な雰囲気はなかったようなのだが、彼女たちは若干いつもと違うと感じた様子。
私は納品者として入館していたので、20分以内に車を出さなくてはならないため、その場でカッピングと言うわけには行かなかったのだが、そういわれたら気になるので、そのヴェルディブレンドを2杯分だけもらって芸大へ戻った。
そして、今朝飲んでみたら、確かに若干渋みが残っている。
残っているというのは、恐らくあと1~2日したらクリアな味になってきそうな雰囲気だったので、豆そのものに問題があるわけではなかった。
※ コーヒー豆は、焙煎直後から2~3日は多量のガスを放出し、それによって若干渋みが出るが、2~3日経過後は味が落ち着いて本来の美味しさが出てくる。
でも、多分このちょっとした渋みを感じられるというのは、いつもきちんとしたコーヒーを飲んでいるから。
私がバッハで修業していた時、田口師に「欠点豆の入ったコーヒーを飲んでみる必要はないのですか?」ときいたことがある。
すると、田口師は「いつも良いコーヒーを飲んでいたら、少し悪いものがあるとすぐに分かるから、貴方は良いコーヒーだけを飲み続けていたら良いのです」と言われた。
多分、彼女たちは、いつもちゃんとしたコーヒーを口にしているからこそ、少しの味の違いが分かったものであろう。
ある意味、非常に良い傾向だと思ったと同時に、もう髙島屋S.C.店のスタッフたちは、しっかりと口が出来上がってきたものだと嬉しく思った。
そして、一昨日ちょっとしたコラボイベントをしようというお誘いを同じ髙島屋S.C.に入居しているテナントの店長さんから受けた。
そのことを髙島屋S.C.店のスタッフLINEに流したところ、賛否両論の意見がかえってきた。
アルバイト、社員問わず、ほぼ全てのスタッフが意見を述べてくれた。
あるアルバイトさんは、反対意見をしっかりと書いてきたのだが、普通に考えると会社のトップが提案していることをアルバイトが否定するなんて、あまり考えられないことではあるが、堂々と自分の意見を述べている上、お店のことを思って書いていることがしっかりと伝わる文面だったので、ある種頼もしさすら感じた。
また、基本は賛成でも、いろいろと検討すべきことがあると意見を述べてきたアルバイトさんは、私が店へ行ったら、想定される問題点を箇条書きにしていて私にそのメモを見せてくれた。
単に「検討すべき」と言うだけではなく、想定される問題点を具体的に挙げて、どう解決するか考えましょう、という姿勢は、本当に嬉しい限り。
そんな諸々意見はある中だったが、今日の夕方先方の店長さんと、ヴェルディの店長が打ち合わせをして、問題点を一つ一つ検討しつつ、来週からコラボイベントをしようということになった。
新しい店舗だから、こういう皆でしっかりと営業方針について考えることができるのかもしれないが、できればこういったアルバイトさんも店のことを考えて、意見を交換できる雰囲気を永続的に続けられたらと思う。
そして、私としては、皆が真剣に店のことを考えたくなるような商品を作り続けて行かねば、と、髙島屋へ行くたび感じるのであった。