2016年9月、カフェ・ヴェルディは下鴨本店に次いで、二号店として当時の京都造形芸術大学瓜生館1階に食事も楽しめるカフェをオープンさせて頂きました。
しかし、始まりがあれば必ず終わりはあるもの。
2023年12月11日(月)をもって、ヴェルディ京都芸術大学店は営業を終了いたします。
そして、12月下旬、「ヴェルディ北白川焙煎所」として、場所を変えて新たな一歩を踏み出します。

芸大店は、オープン以来これまでの下鴨本店にはなかった食事メニューやアルコールメニューも提供し、珈琲専門店から食事もできるカフェとして営業してきました。
「週替わりカレー」や、季節限定メニューなど、私も楽しくメニューを考えてきましたが、コロナの流行で営業は一変しました。
そして、コロナの規制が明けて、お客様も戻ってきた今、同時に髙島屋店のオープンもあり、焙煎が追い付かない状態になってまいりました。
また、コロナの間に自然減したスタッフも多く、人手不足の中、私が京都芸術大学店に入り込まないと店が回らない状態で、本来私がすべき仕事が滞り、様々な副反応がでてきました。
またお盆以降の3か月、私自身が1日も休みを取れない現状、だからと言ってお客様やスタッフの前では、決して疲れた顔を見せないようプロ意識をもって仕事をしてきましたが、さすがにこのまま走り続けたら、倒れるのは時間の問題だろうという思いもあり、そうなっては本末転倒。
いろいろと考えた結果、京都芸術大学店はコーヒーよりも食事メニューに力を入れなくてはならない、また立地柄複雑なオペレーションを必要とするため、私が最前線レベルで入り込まないと回らない営業をしていて良いのか、かなり悩みました。
コロナ後、お客様も戻り、新たな常連のお客様も増えてきた中、後ろ髪を引かれる思いはありましたが、ここは原点に立ち戻り、本当に良い珈琲を提供することに全力を尽くすべきだと言う考えに至りました。
そんな私の判断を最終的にコーヒーの方へと後押ししたのは、髙島屋店のスタッフたちの姿でした。
10月に採用して、わずか2週間という短い期間の間に、皆がしっかりとコーヒーについての知識をつけようと私にくらいついてきて、おいでになったお客様には、自分の得た知識を駆使してコーヒーの説明をしてくれる姿。
そして、私のLINEには毎日のように、誰と言わずスタッフたちから「お客様にこのような質問を受けたのですが、どうこたえたら良いでしょうか?」といったメッセージが届きます。
芸大の店長は、「マスターが私たちに教えてくれるコーヒーのこと、You Tubeで語って、コーヒーの深層について発信すべきですよ」と進言してきます。
私も四捨五入したら60。
そろそろヴェルディという会社も次のステップを考えなくてはならない中、やはりどこまで行ってもヴェルディは自家焙煎珈琲店。
本当に良いコーヒーをお客様に提供し、本当の情報をしっかりと伝えていくことこそ本分だという結論に至りました。
ヴェルディ京都芸術大学店をご愛顧下さった皆様には、本当に心苦しい思いではありますが、どうかご理解くださいませ。
そして、明日から芸大店のカウントダウンが始まります。
最後の3週間、全力で頑張ります。
ラスト3週間のヴェルディ京都芸術大学店、どうぞよろしくお願いいたします。

そう言えば、オープン当初はロッキングチェアがありましたね。笑