昨日はけっこう暖かかったのだが、天気予報によると今日は前日差5度以上寒くなるということだったので、少し厚着で鴨川へ出たが、朝の気温は言うほど低くなく、少し歩くと汗ばんできた。
もうすっかり明るくなってきた。
さて、昨日ネットでニュースを見ていたら、指揮者のアンドレ プレヴィンが亡くなったと書かれていた。
プレヴィンと言えばロンドン交響楽団を中心に数多くの録音を残している名指揮者の一人だが、ミュージカルや映画音楽も手掛け、自身はピアニストとしてジャズにも手を伸ばしていた多角的音楽家。
私が初めてプレヴィン指揮の録音を聴いたのは、確かホルストの惑星だったように記憶している。
そんな中、私にとってのベスト オブ プレヴィンと言うべきレコードはチャイコの白鳥の湖。
白鳥の湖と言えば、オーボエがもの悲しい旋律を歌い上げる情景の曲がやたら有名で、あの旋律を聴いたことがない人はまずいないのではないかと思うのだが、このバレエ曲はどの幕のどの部分を切り取っても音楽的に素晴らしく、本当に美しいメロディーにあふれたすごい曲だと思う。
そしてなんといってもこの曲の魅力は主旋律の優美さだけではなく、オーケストレーションの妙と印象的なオブリガートにあるような気がする。
プレヴィン盤はそのあたりの表現がずば抜けているのみならず、しっかりとしたストーリー性を持ってオデットの悲しみに満ちた美しさ、オディールの妖艶な魅力を語りかけてくる。
そして圧巻は終幕のクライマックス。
襲い掛かるロットバルトに挑む王子が鬼気迫る演奏となって押し寄せてきて圧倒されずにいられない。
若干ペットが飛び出したり、弦が乱れたりする部分もあるが、それがまた物語の演出と思えてしまう。
私が持っている白鳥の湖の全曲盤は、他にアンセルメ盤、サヴァリッシュ盤、小澤盤、ゲルギエフ盤がありそれぞれに面白いのだが、どれか1枚と言われたら迷うことなくプレヴィン盤を選ぶ。
まさにプレヴィンという指揮者のすごさが心底わかる1枚。
カラヤンやアバド、バーンスタインといった私が若かったころに活躍していた巨匠たちはもうすでに亡くなり、マエストロの時代が終わったともいわれる中、また一人偉大な音楽家が世を去り寂しい限り。
どうぞ安らかにお休みください。




