今日は朝から下鴨店で打ち合わせをした後、北白川へ行って5品ほど焙煎。
その中の一つは、今まで使っていた豆の在庫が商社にもなくなったので、新しく別のところから仕入れたものだったが、これが既存のものと同じ銘柄で売ってはいけないだろう、と言うほどの高いクオリティー。
確かに今まで使っていた豆と比べると、3割ほど高くはなったが、まぁ、現状のコーヒー相場からしたら仕方ないかと購入したものの、これは逆に安いのではないか?と思えるほどの豊かな香り。
そんなわけで、レギュラー商品にすべきか悩んでいるところ。
また改めてこの豆をどうするかについては書かせて頂きます。
焙煎と髙島屋への配達を終えたら、今日は長女のちょっとした記念日だったので、家族で食事にでかけた。
最近は、ファミレスのようなチェーン店へ行くと、テーブルの機械で注文したり、無人のレジで会計を済ませることが多い中、今日はスタッフの人が注文をとりにきて、有人のレジでお会計を済ませ、機械的なサービスではなく、ちゃんと人のサービスを受けた気分になった。
でも、人不足の時代、そうして人員を確保することも難しくなっている。
ヴェルディでも、2月から3月は、卒業を控えたアルバイトさんが、間もなく退職してしまう季節。
さらに、この3月には社員も一人退職の意志を伝えてきたので、下鴨店だけで社員アルバイト合わせて3名が退職することになる。
そこで、例年ならアルバイト募集をかけるところなのだが、先日この日記で密かに社員を募集していると書いたところ、二人ほどヴェルディで働きたいと言ってきてくれる人がいたので、今年はアルバイト募集をかけるかどうか・・・
そんな入れ替わりの季節、新人さんの実力と言うか、適性を見る中で、私は何気ない行動で判断することが多い。
その一つに、以下のようなことがある。
昨年まで北白川で焙煎を担当していた太田さんが退職したため、現在北白川では、新たに焙煎を担当すべくYさんという人が焙煎の研修中。
そんなこともあって、現在焙煎の大半は下鴨店で賄っており、焙煎した豆を髙島屋や北白川へ毎日運んでいる状況。
そこで、私が焙煎を終えて数十キロの豆が入ったケースをかかえて焙煎室から運んでいるとき、店の出入り口前あたりにスタッフが立っている場合もあるのだが、私が店の奥から大きなケースをかかえて外に出ようとしているとき、出入り口の前に立っているスタッフの反応には大きく分けて以下の3つがある。
1,通ろうとするが、スタッフがいて通れないので「通ります」と声を掛けたら、その場からどいてくれる。
2,荷物を持っている私を見て、横に移動して通路を空ける。
3,荷物を両手でかかえている私を見て、横に移動したうえでドアを開けてくれる。
ここで、1の対応をするスタッフについては、恐らく本採用はなく、研修終了と同時に本契約をしない旨伝えることになる。
そして、最近入ってくる人を見ていると、一番多いのが2の対応をする人。
一方で、前回の募集時(昨年の夏頃)に採用した中でも、特に稼働率の高い二人は3の対応をしてくれるので、私としては卒業までぜひ頑張って働いてほしいと願っている。
で、北白川の店長なんかになると、2でも3でもなく、ドアを開けたうえで「他に荷物はありますか?」と訊いて、あればそれを持って車まで運んでくれる。
私もこれまで30年以上フードサービスの仕事をしてきた。
大手チェーンの場合は、しっかりしたマニュアルもあるので、その通りにしていれば間違いはないのだが、ヴェルディのような小さなお店の場合、マニュアル通りに行くことの方が少ないほど。
そんな個人の資質が問われる職場においては、上の例でいうところの3ができないと、なかなか良い接客はできないもの。
でも、それって教えてできるようになるかと言うと、なかなか難しい。
採用したスタッフが、サービス業に向いているかどうかの判断するため私が注意して見る材料は、上記のほかにもいろいろとあるのだが、その根本は人を観察して何を求めているか判断する眼力と、一つ先を読んで行動できる頭の回転を持ち合わせているかどうかということになる。
が、私が飲食業界に入った平成元年頃と比べると、そんなことができる人はどんどん少なくなっているように感じている。
外食をしに行くと、大手チェーンに限らず最近はテーブルにあるタブレットや自分のスマホで注文して、無人レジで支払いを済ませることが多くなってきた時代。
サービス業向けの人材が減っていると嘆くのではなく、あらゆる業態で、そういった人の力に頼らない営業をした方が良い時代なのかもしれない。