2021年6月号掲載
みなさんは「珈琲」と聞いてどこの国を連想するか?と訊かれたらなんと答えるでしょうか?
例えば、「ワイン」と聞いたら「フランス」と答える人が多いでしょう。「紅茶」だったら産地として有名な「インド」あるいは消費国として「イギリス」と答える人も多いかと思います。
ヴェルディのスタッフ3人に「珈琲」で連想する国は?と聞いてみたら「ブラジル」「エチオピア」「タンザニア」と三者三様に答えました。たぶん自分が好きな生産国を言ったのでしょう。
ブラジルは世界最大の生産国ですし、エチオピアはアラビカ珈琲発祥の国、まぁ、タンザニアは置いておくことにして、確かにそれらの生産国は大変重要です。
でも、私は「もしフランス人がいなかったら珈琲の文化はどのようになっていただろう?」と思うのです。
珈琲栽培の歴史において、フランス人が果たした役割は非常に大きいものでした。
でも、そういった栽培の歴史ではなく、珈琲の淹れ方・飲み方に対して革新的な方法を考えたのがフランス人だったのです。1700年頃まで珈琲の抽出はトルコ式の煮出したものがほとんどでした。しかし1710年にフランス人がドリップコーヒーの元となる「濾して浸出する」抽出方法を考え出しました。
これによって、珈琲は飛躍的に飲みやすくなりました。
さらに、時を同じくしてパリではミルクを入れる飲み方が人気となります。
カフェ オ レの誕生でした。
フランスでは温めたミルクとドリップした珈琲でカフェ オ レを作りますが、イタリアではフォームしたミルクとエスプレッソでカフェ ラ テを作ります。
ミルクコーヒーの美味しさを知ったイタリア人も、同じように飲みたかったものの、実は地中海沿岸の人種は、遺伝的に乳糖を分解しにくい人が多く、フランス人のようにたっぷりとミルクを入れると、おなかがゴロゴロしてしまうことが少なくなかったようです。
そこで、少量のミルクでもミルク感を楽しむためにフォームドミルクという手法が考え出されたのではないかと私は勝手に想像しているのです。
もし、フランス人が1700年初頭にドリップとミルク入り珈琲を思いついていなかったら、今の珈琲飲用文化はどうなっていたのだろう?
たまにそんなことを考えながら、フランス人はスゴイと思うのでした。


