2022年9月号掲載
ヴェルディ京都芸術大学店では、コーヒーの抽出から焙煎に至るまでいくつかのコーヒーセミナーを開催しています。
おかげさまで、最近は週末を中心にご予約頂けないことも多く、また滋賀県や大阪、兵庫など近隣他府県からお越しくださる方も少なくありません。
そんなセミナーですが、回を重ねるごとに難しさを実感します。
多くの方に対してセミナーを行っていると「自分が知っている・理解している」ということと、「人に教えられる」というのは全く違うことだということを思い知らされるわけです。
従業員に対する教育であれば、「分からなければ自分で勉強しなさい」と言うこともできますが、お客様に対しては、セミナーの時間内に可能な限りしっかりと理解して頂かなくてはなりません。
しかも、参加される方が、どの程度の知識をお持ちなのか分からない中、どのレベルで話せば理解して頂けるかを冒頭の数分で感じ取って、その方に合わせた表現や例を出しながら話さなくてはなりません。
そして一番難しいのは、知識が乏しい方に説明するときではなく、どこかで誤った知識を植え付けられて、それが真実だと信じている方に対して説明するときです。
少し前に、別のコーヒーロースターが主催するセミナーを受講した方が、「コーヒーを抽出するときに出てくる泡は、コーヒーのアクだからお湯を注いでふっくらと膨らんで泡が出てくるのは良くないコーヒーだ」と言われたけど、ヴェルディのコーヒーは、お湯を注ぐと膨らんで泡が出てくる、これは大丈夫なのか?と聞かれたことがあります。
正直、今までそんな質問を受けるなど考えたこともなかったので、逆に「しっかりと膨らんで、細かい泡が出てくるものの方が新鮮かつ適正な焙煎をされたものである可能性が高い。」ということを理解して頂くための説明方法を即座に思いつけず苦労したことがあります。
こうしてみると、私たちが日々「当然」と思っていることも、一つ一つ理由となぜそうなるかを考えて、いつでも誰にでも説明できるようにしておかねば、と感じます。
セミナーという、ある意味お客様が私を独占している状態だからこそ聞いてこられることも多いと思いますが、普段の接客でも同様のことは起こりえます。
私だけでなく、社員全員が「当然」の理由をしっかり言葉で表せるようになれば、もっとヴェルディは良い店になるな、と思う今日この頃です。


