自家焙煎珈琲 カフェ・ヴェルディ

マスターの珈琲放談

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美味しい珈琲・良い珈琲

2023年9月1日 

2023年9月号掲載

先月号の一面で、
「美味しい珈琲=良い珈琲」を目指して
と書いたところ、何人かのお客様から「美味しい珈琲と良い珈琲は違うのか?」というご質問を頂きました。
先月は、文字数の関係で詳しく書けなかったため、今回は「美味しい珈琲」と「良い珈琲」について書いてみたいと思います。

【美味しい】【美味しくない】は、【好き】【好みではない】とリンクします。
私が美味しいと思っても、他の人が必ずしも美味しいと思うとは限らないのが、味についての個人の好みというもの。
ほとんどの場合、何かを食べた・飲んだ感想は、「美味しい」と表現していても、実は「自分の好みか否か」だけであると言っても過言ではないでしょう。

一方で、「食」を仕事にしている場合、必ずしも自分が好きな味のものが、広く一般に好まれるとは限らないということを嫌が応でも知ることになります。
そこで、客観的に【好き】【好きではない】ではなく、この味が世間一般に受け入れられるかどうか、と言う観点で味を考えることになります。

コーヒーについて考えてみると、珈琲は嗜好品なので、人それぞれ好みは千差万別、ある種ニッチを極めることが嗜好品としての珈琲の王道かもしれません。
ただ、珈琲店を営んでいたら、ものすごく珈琲が好きな人も来店されると同時に、さして珈琲が好きではないけど、友人とおしゃべりするために来店するという方もいらっしゃいます。
そこで、嗜好品として、いろいろな風味のラインナップを揃えると同時に、何方が飲んでも、少なくとも【好きではない】と思われることのない珈琲を出すことも必要になります。
ヴェルディで言えば、「ヴェルディブレンド」がそれにあたり、特にご指定がなければ、こちらを提供することになります。

では、嗜好品としての珈琲を考えたらどうなのか?
【美味しい】【美味しくない】の基準を【好き】【好きではない】だけで判断されたら、ちょっと厳しいことになりますが、ある程度珈琲を深く楽しんでいる方であれば、「好きではない、けど客観的にみると美味しい珈琲」というのもあるということが分かると思います。
これは、経験によってしか身につかないもので、珈琲に限らず、全ての食べ物でも言えること。
例えば洋菓子店へ行ったとき、自分の好みからしたら、少し甘すぎて好きではないが、良い材料を使って、丁寧に作られていることが分かれば、決して「好きではない=美味しくない」とはならないと思います。

つまるところ、美味しい・美味しくないは個人の好みでも、珈琲を飲みなれた人なら、それが低級品をテキトーに焙煎したものではなく、良い豆をしっかり丁寧に焙煎したものだと分かって頂ける商品を作ることが大切なのだと思います。
ヴェルディは、本当に良い生豆だけを仕入れて、しっかりハンドピック、丁寧に焙煎をして提供することを最も重要な部分として営業しています。
それが、良い珈琲の基本であり、そんな良い珈琲を美味しいと思って頂ければ、この上ない喜びと言えるでしょう。

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