2022年4月号掲載
私たちが珈琲豆を仕入れるとき、「AA」や「SHB」「G1」などといったグレードと同時に、「カッピングスコア90点!」といった評価がついてくる豆があります。
このカッピングスコアというのは、SCA(スペシャルティーコーヒー協会)の基準にそって、香り・風味・後味・カップのクリーンさ等を採点してつけるもので、よく言われるCOE(カップ オブ エクセレンス)の入賞基準は85点とされています。
だいたい80点以上のものはスペシャルティ、85点以上がトップスペシャルティ、90点を超えるとトップ オブ トップと言われています。
まぁ、点数は知識と敏感な味覚さえ持っていれば誰がつけても良いのですが、その点数に信ぴょう性を持たせるための資格として「Qグレーダー」があります。
一方で、私が資格を持っている「珈琲鑑定士」(クラシフィカドール)とは何でしょうか。
まず、最大の違いは、Qグレーダーが民間の社団法人が発行する資格なのに対し、珈琲鑑定士はブラジルの国家資格という点が挙げられます。
珈琲の評価という点では同じなのですが、「何のために」という部分が大きく違うため、点数をつけるにしても細かさや考慮する範囲が違ってきます。
味覚評価だけに限定すれば、Qグレーダーは0.1点単位と、かなり細かく採点します。
一方鑑定士は概ね5段階評価に留めていますが、「味覚評価」は、グレード付けするにあたって考慮する内容の1つという位置づけです。
Qグレーダーは、焙煎された豆の「味(香りを含めた風味)」を評価することが仕事なのに対して、鑑定士は生豆の段階におけるサイズや欠点数(悪い豆の混入率)、焙煎した後の風味特性から、取引価格を決めるためのグレード付けをします。
味の評価は誰でもできますが、ブラジルにおいて、グレードを決める権限は国家資格取得に限られます。
極論、Qグレーダーの判断は「美味しいか否か」。鑑定士は、「その豆のグレードは何か」が判断基準で、Qグレーダーの評価は小売価格に影響するのに対して、鑑定士の判断は相場に影響します。
そうしてみると、Qグレーダーは一般のお客様に売るための拍付けを行うのが主な仕事。
珈琲鑑定士は、輸出業者・輸入業者の取引における基準作りが仕事と言えます。
そんなブラジルのグレード付けについては、また次回以降に書きたいと思います。


