自家焙煎珈琲 カフェ・ヴェルディ

マスターの珈琲放談

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カッピング

2023年2月1日 

2023年2月号掲載

 私は可能な限り、産地へ行って現地の状況を自分の目で確かめたいと思っていますが、それが即買い付けに繋がるかと言うと、そんな簡単なものではありません。
産地では、だいたい少なくても20~30、多ければ50~100近いサンプルのカッピングをしますが、その中で自分が使いたいと思った豆を仕入れられるかと言うと、なかなか難しいものです。
ロットの問題や、価格の問題、現地で買い付けをする商社の担当者が、私が欲しいと思ったのと同じ豆を「日本へ輸入したい」と思うかどうかと言うのも大きな問題です。
では、なぜ産地でカッピングをするのかと言うと、一つには現地で買い付けている人の評価と私の評価のすり合わせということがあります。
私が高く評価したものを現地の仕入れ担当者はどのように評価するのか。
また、現地の仕入れ担当者はどんな味を高く評価しているのか。それを知ることで、私が仕入れる商社が、どのような基準で豆を仕入れているのかが分かります。
生豆のリストには、その豆の風味特性などが書かれていますが、必ずしも私が感じる風味評価と、商社の豆リストに書かれている評価が同じとは限らない中、現地でカッピングする人が、どのような味をどのように評価しているかを知ることは、リストの評価を深読みできるという点で大いに役に立ちます。

そんな現地カッピングですが、マイクロロット(年間10~20袋程度しか作られない希少な豆)については、現地で買い付けてしまうこともできます。
これまでも、現地でカッピングした豆をロットごと買い付けたことはあるのですが、そこで一番難しいのが「産地でのカッピングと日本に入ってきてからのカッピングは必ずしも同じ評価にはならない」ということがあります。

産地で出されるサンプルは、収穫して精製されて間もない豆だということ、そして、その豆がこの後袋詰めされて一定期間倉庫で保管されて、船に積まれ日本に来るまでに3~4か月はかかること、その間にどのように味が変化するのかを想像して評価することが重要になります。
産地段階でベストな味だと、日本に着いたら風味が抜けているということも少なくありません。逆に産地では少し青臭かったものが、日本に来たら素晴らしい芳香になっているということもあるのです。

私も初めて産地訪問をしたときは、産地でベストなものが良いと思っていました。しかし、何か国かを回って、現地でカッピングしたものが、数か月後に日本に入ってきて再度カッピングしたら、風味が思いのほか変わっていて驚くという経験をしました。
そして、産地段階でこのレベルでないと日本に入ってきたらどうなるか、ということも分かり始めた今日この頃。
コーヒー豆の仕入れは、本当に難しいものだと実感しています。

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