京都芸術大学では、今日から通信教育部の卒展がスタート。
好天で気温も高く初夏のような陽気だったこともあり、お昼ごろから多くのお客様で賑わった。
そんな中、キッチンを任せている松尾が「来週のお弁当は何個くらい必要でしょう?」と聞いてきた。
先週は通学部の卒展も終わり、授業もなくイベントもなかったので、ランチタイムは穏やかな日々だったこともあり、どうすべきか悩んでのことだと思うが、正直言って私もどうなるか予想がつかないわけで「分からん!」と言ったら笑顔を返された。
まぁ、通信の卒展もあるので、ちょっと強気で行こうと思うのだが、人にものを聞くときというのにはいくつかのパターンがある。
特に、買い物や食事に行ったとき、店員さんに質問するときは、そのパターンがけっこう明確だったりする。
本当に判断に困ってプロの意見を聞くというのは、ある意味質問の王道だが、そうではないことも少なくない。
一つには、自分としては答えが出ているのだが、最後の一押しをしてほしくて質問すること。
カメラのレンズやパソコンといった、ちょっと高額なものを購入するときなどは、事前にスペックをしっかりと検討して、ほぼ何を購入するかは決めているものの、やはり高額商品なので、自分の出した結論にお墨付きが欲しくて聞いてみたり・・・
また、ある程度決めているものの、二択か三択の中でどれにするか迷っているときなどに、他者(プロ)の意見を聞きたいという場合もある。
食事に行ったときなども、店員さんに質問することがある。
初めてだったり、滅多に行かないお店だったら、その店のイチオシが何か聞いて、それを注文することもあるし、よく行くお店に食事に行ったときなどは、自分が食べたいものはあるものの、もしかすると「今日はコレが特におすすめ」といったものがあるかもしれないので、とりあえず何かおすすめがあるか聞いてみて、とくになければ自分が決めていたものを注文すると言ったこともある。
自分が客の立場だったら、だいたいそんな感じだが、自分の店にご来店下さったお客様から質問を受けたときは、そのお客様がどういった意図でどういうこたえを期待されて質問されているのかを探りつつ、そのお客様のご要望に沿ったこたえを出せるよう考えるのだが、お墨付きが欲しいお客様や、二択三択のどれにするかといった質問なら、けっこう簡単におこたえできる。
また、本当に何を購入しようか悩んでいらっしゃる場合は、お好みなどを伺って、それに沿ったおこたえをすれば良いわけである。
しかし、専門店として営業していると、たまに「自分は店のスタッフよりも、そのジャンルに詳しい」と信じて疑わず、店員を言い負かせてやろうとか、自分の知識を店員に披露するために質問してくるお客様も少なくない。
そんなお客様の質問と言うか、演説と言うかを聞くと、条件を限定してピンポイントで見た場合は間違ってはいないが、普遍的に正解とは言えないといったことが多く、プロとしては同意できないので、そのあたりを説明するものの、こちらが言うことを理解するほどの知識をお持ちではないので、話は平行線で終わることが多い。
接客業の難しさ、専門店の難しさを感じる日々。
まぁ、それも勉強ってことでしょうねぇ・・・


