自家焙煎珈琲 カフェ・ヴェルディ

カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記

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大丈夫

2022年5月23日 

昨夜の雷雨は激しかった。

おかげで、今朝の鴨川沿いは水たまりもできていた。

空はスカッと晴れているのに、昨夜の雨のせいか大文字山はかすんで見えていた。

そんな今日も焙煎セミナー。

今回は、近い将来カフェの開業を目指して、現在はカフェで働きながら月に一回間借りカフェの営業をされている方が焙煎にチャレンジ。

せっかくなので、より珈琲に対して深く理解してもらおうと、極浅煎りから7段階に分けて焙煎期から少しずつ取り出して飲み比べてもらった。

「焙煎によって味が変わる」ということは、だいたいの人が漠然と分かっているのだが、具体的にどのように味が変化していくかはなかなか体験できないもの。

近い将来お店を持つにあたり、一度は体験しておいても良いかな?と思って通常はやらないところ、オプションでやってしまった。

でも、面白かったのではないかと思う。

そんな焙煎セミナー、多くの方がご自分で焙煎したコーヒーを味見して「美味しい」とおっしゃるのだが、20年近く毎日自分で(或いはヴェルディの社員が)焙煎したコーヒーを飲んでいると、「美味しい」「美味しくない」ではなくて、「これで正しい」か「ちょっと違う」かが判断基準になってくる。

誤解を招くかもしれないが、私にとってはヴェルディのコーヒーが「普通」あるいは「一般的」な味であって、「美味しい」と思って飲むことがなくなっているような気がするのである。

毎日、私は下鴨と芸大両店舗ともにその日に焙煎したコーヒーを飲んでチェックするのだが、そのとき「どうですか?」と焙煎したスタッフに聞かれたとき、「若干排煙開けようか」とか「火力をちょっとだけ下げようか」といった具体的指示を出すときもあるが、だいたいの場合は「大丈夫」としか言わないように思う。

要するに、この味であれば「お客様にお出しして大丈夫か否か」=「ヴェルディの基準内か飲食基準外か」という判断が最も重要ということになる。

先日、カレ事務次長にカリーをお出ししたとき、お召し上がりになった皆さんは「すごく美味しかった」とか「excellent」とか「amazing」と言ってくださったが、もし私の娘にこれを食べさせたら「うん、パパの味だ」の一言で終わっていたように思う。

彼女たちにとっては、私の作るカリーは飲食基準内ということであろう。

逆に、以前娘を連れて新しくできたインド料理店へ行ったとき、周りの客は「わーっ!ナン大きい♪」「ナン、ふわふわして美味しい」と言いながら笑顔で食べていたのに、うちの娘は大好きなはずのチキンサグを一口食べて「ごめん、これ、食べられる?」と私の方に寄せてきた。

どうやら彼女にとって、ヌーさんが作るチキンサグが普通であり一般的な味だったので、その店のカリーは飲食基準に満たないモノだったようである。

話は戻って、今日のセミナー。

7段階全て味見をして、少し浅めの豆でも「美味しい」と思われるものがあった。

しかし、確かに香りは良いものの、若干後味に生焼けの重さがあり、その焙煎度合いのものを2杯も飲んだら、ちょっと胃に負担がかかりそうな雰囲気。

しかし、ヴェルディが基準にしているその豆の焙煎度合いであれば、何杯飲んでんの大丈夫なすっきりした後味に仕上がっている。

つまり、若干浅めのものは「美味しい」かもしれないけど「ヴェルディの基準外=大丈夫ではない」で、ヴェルディで通常お出ししている焙煎度合いのものは、「美味しい・美味しくない」ではなく「大丈夫」な味という判断をしている、ということを今日受講して下さった方にはご理解頂けたのではないかと思っている。

なんか、誤解を招きそうな表現だが、要するに「美味しい・美味しくない」は個人の嗜好。

私たちは、その豆にとってのベストと思われる焙煎をして、それらのラインナップの中からお客様が「美味しい」と思ってくださるものをお選び願えればというスタンスで営業を続けている。

今日、セミナーを受けてくださった方が、近い将来自分のお店を持つにあたって、「大丈夫」な基準を高いレベルで持っていただければなぁ、と思いながらのセミナーであった。

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