自家焙煎珈琲 カフェ・ヴェルディ

カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記

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アントン・ブルックナー

2024年10月30日 

このところ、やっと秋らしくなってきた。

昨日などは、これまでいつも冷たいコーヒーをご注文だったお客様が、ホットをご注文下さったりで、あぁ、季節が変わったなぁ・・・と思った。

店内にいると、外の気温が分からないのだが、お客様の注文で何となく今日は涼しいのか、暑いのか、などを感じられる。

そんな今日は、朝からけっこうアイスコーヒーが出たり、昼間にはコーヒーフロートのご注文が入ったり、実際のところ、今日は寒かったのか、暖かかったのか?

話は全く変わって、ヴェルディで経理業務をしてもらっているスタッフのご主人が、ある本の翻訳をされていると聞いていたところ、その本が明日出版されるということで、今日はその宣伝。

アントン・ブルックナー。

ご存じない方のために説明すると、ブルックナーは1824年9月4日 に生まれ、 1896年10月11日に亡くなったオーストリアの作曲家、オルガニスト。

宗教曲と交響曲の作曲家として有名で、生涯に作曲した交響曲は10曲。

第9番は3楽章を書き終えたところで亡くなったので未完の大曲となっている。

9番までしかないのに、10曲とは?と思われたかもしれないが、なぜかブルックナーは最初に作った交響曲を「0番」として発表しているので、合計10曲ということになる。

今年は、その生誕200周年ということで、オーストリアを中心にいろいろなイベントが開催されている中、その一つとしてドイツで出版されたこの本が、超速で翻訳されて出版されることになった。

私にとって、ブルックナーは子供のころに一番好きだった作曲家。

小学校の時に、お年玉をもって三条の十字屋へ行き、なぜかブルックナーの交響曲第9番のレコードを購入してしまった。

カラヤン / ベルリンPOのブルックナー交響曲第9番

このときのレコードの帯に書かれていた言葉が「威圧するのではなく感銘を与えてくれます。」という言葉だった。

本当は、ベートーヴェンの第九を買おうと思っていったのに、なぜかブルックナーという当時小学生だった私は聞いたことのない作曲家のレコードを購入してしまい、自宅に帰ってレコード盤に針を落とした。

そして、A面の1~2楽章で、その美しさと激しさに打ちのめされ、B面の第3楽章、アダージォを聞きながら、なぜか涙が止まらなかったことを記憶している。

私は、カラヤン指揮のコンサートを2度聴きに行く幸運に恵まれ、ブラームスの交響曲は全て生のカラヤン/BPOで聴くことができたものの、そのときのプログラムにブルックナーがなかった。

そして、3度目の正直、いよいよブルックナーの第9番ではなかったが、第8番がプログラムに入ったコンサートがあったので、チケット発売日の早朝から新宿のプレイガイドの前に並んで、朝いちばんでサントリーホールのS席を1枚購入。

いよいよカラヤンのブルックナーが聴けると思っていたのだが、残念ながら晩年のカラヤンは体調を崩して来日をキャンセル。

代役は小澤征爾によるリヒャルトとなった。

そんなわけで、店名はヴェルディと言いながら、実は小学生のころからブルックナーが大好きで、ほとんどの交響曲は3人以上の指揮者でCDを持っている。

が、実際のところ、ブルックナーという人は、聞けば聞くほどよくわからない。

曲がよく分からないというのではなく、「この人いったいどんな人だったんだろう?」という疑問が深まっていく作曲家なのである。

個人的には、この本は必読で、とても楽しみ。

誰彼構わずオススメというわけには行かないが、ブルックナーの交響曲はともかく長大で、モーツァルト感覚では聞けないものの、その壮大な世界観は聞いていると地球の波長の中に身を置くような気分になれる。

秋の夜長、ブルックナーの交響曲を聞きながら、この本を読む時間をつくれたらいいなぁ・・・

と、思いながら、とりあえず Amazon でポチっとしてみた。

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