自家焙煎珈琲 カフェ・ヴェルディ

カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記

  1. 下鴨店TOP
  2. カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記
  3. 店主のお仕事

店主のお仕事

有難うございます。

2021年8月13日 

今日はヴェルディ18歳のお誕生日。

ここまで続けてこられたのは、多くのお客様にご愛顧いただいてのこと。

心から感謝申し上げます。

今日も、雨が降る中少なからぬお客様がご来店下さいました。

また今日が開業記念日であることをご存じで、お祝いの言葉をかけてくださるお客様お多く、本当に有難いことだと思います。

ヴェルディが開業した当時は、まだ自家焙煎店も今ほど多くはなく、京都の自家焙煎珈琲店は、どちらかと言うと深煎りの苦みが強い珈琲を出すお店が主流でした。

そんな中で、ヴェルディは浅煎りから深煎りまでのバラエティーを揃えて営業を開始いたしましたが、開業当初は10キロ焙煎したら、6キロは売れ残って廃棄するという悲しい日々でした。

そんな中、まだまだ少なかったお客様一人一人に、お声をかけてコーヒーの説明をして、少しずつ常連のお客様も増えていく、本当に3歩進んで2歩下がるといった感じで最初の数年間を乗り越えたことは、今でも昨日のことのように思い出します。

当時は、まだインターネットもそんなに普及しておらず、スマホなどもないので、当然SNSなんてものもない世の中。

お店の情報は、雑誌や書籍を見るか口コミでしか得られない世の中だったので、どこの店も開業してある程度お客様がつくまでは、本当に必死で集客に努めなくてはならない時代でした。

そんなときにご来店下さったお客さまには、非常にピュアに、本当に「有難い」という気持ちで接するものです。

「有難い」は、有ることが難しいという意味。

「有難い」という言葉は、お客様においで頂くことは、本当は難しいことだということを思い出させてくれます。

そんな開業当初から18年が経って、お客様がいないことが当たり前の状況でご来店下さったお客様に対する感謝の気持ちというもの、お客様にお越し頂くということが、どれほど大変なことかということを身をもって知っているのは、私とカミさんだけになってしまいました。

今日、私が下鴨のカウンターに立っていると、もう長く通って下さっているお客様から「おや、珍しい」と言われました。

そんな声をかけてくださるお客様の多くは、まだヴェルディの店内にお客様がほとんどいない状況が当たり前の時代からご愛顧くださっている方で、そんなお客様に、しっかりとコーヒーのことを説明しなくては、と、私も必死で勉強していたものでした。

ここ数年、「おや、珍しい」と言われるほど、なかなか下鴨のカウンターに立てていない、と言うことは、私から下鴨のお客様に直接お声がけができていない状況が続いています。

来る19年、20年に向けて、今一度原点に返って、珈琲専門店として専門店の名に恥じない知識と技術をお客様に提供できるよう、なるべく下鴨にいる時間を長くしたいと思っております。

周年記念のこの日に、今一度商売の原点に戻って、「ありがたい」という気持ちでお客様をお迎えしなくては、と思った一日でした。

気をつけよう

2021年7月30日 

このところ、毎朝目覚ましのアラームがなる1時間半前の4時に目が覚めていたので、歩きはじめる時間も1時間ほど早かったが、今朝は久し振りに目覚ましがなるまで寝てしまった。

まぁ、目覚ましがなるまで寝てしまったという言い方が正しいかどうかは分からないが、久しぶりにアラームの音を聞いたもので。

そんなわけで、久しぶりに6時前に歩き始めたら、けっこう多くの人に「久しぶり」と言われた。

やはり、毎朝挨拶する人がいるということは良いものだと実感した。

で、このところ7時半には店に入っていたが、今日は7時半に自宅を出て、東大路の東一条、つまり京大正門に行く道というか、吉田神社参道手前の交差点と言うか、ともかくその交差点へ差し掛かった時、交差点の南東あたりに屋根に赤色灯を載せたワゴン車がとまっていて、青いツナギを着てヘルメットをかぶった人たちが5~6人、折りたたみいすに座って待機している。

少し先の点滅信号あたりには、レーダーの機械が鎮座して、そのうしろにはポロシャツ姿の帽子をかぶった男性が・・・

朝の7時半から、しかも、こんなところで!?と思っていたら、恐らくレーダー探知機をつけているのだろう、百万遍あたりから北上してきた車が急にスピードを落とした。

すると、その後ろから短パンにTシャツ、半帽メットを後頭部にたらしている若いお兄さんが運転する原チャリが、スピードを落とした乗用車の後ろからフルスロットルで追い越してきた。

すると、スピードを落とした優しい乗用車の人が、パッシングして軽くクラクションを鳴らしたものの、それを無視してさらに加速。

ドアミラーで後ろを見たら、赤い逆三角の旗を持ってヘルメットをかぶった青いツナギの人たちが道路に飛び出していた。

恐らく60キロは出ていただろうから、原チャリだと一発免停、罰金6~7万円。

夏の交通安全運動が始まり、あちこちでネズミとりも行われているし、踏切近辺にはパトカーが待機している姿もよく見る今日この頃。

この時期、特に道が混んでいるわけでもないのに、前の車が急にスピードを落としたら、ちょっと警戒すべきかもしれない。

さて、そんなちょっと可哀そうな若いお兄さんの姿を目にした一日のスタートだったが、おかげさまで今日もたくさん焙煎しなくてはならず、午前中はひたすら焙煎機の前でハンドピックと煎り止めの繰り返し。

そして、サンプルも焙煎して、次に仕入れるエチオピア・イルガチェフのウォッシュドを検討。

同じエチオピア・イルガチェフと言っても、もう少し狭い範囲での地域が変わると、味も随分違ってくる。

今回は、「ゴティティ」「ドゥメルソ」「チェレレクツ」の3集落のものをチェックして、香りのゴティティ、甘みのチェレレクツという感じだった。

ドゥメルソはバランス良いものの、個性に欠けた感じだったので、今回は見送り。

さぁ、どっちりしますかねぇ・・・

そんなわけで、来年までのエチオピアも良いものをしっかり1年分確保すべく、明日もう一度チェックしてみて決められたらと思う。

黒谷さん

2021年7月9日 

朝は晴れ間も見えるほどだったのに、お昼過ぎからは雨・・・

梅雨だから仕方ないですねぇ。

7月に入って、雨が続いているせいもあってか、下鴨も芸大も、ともかくお客様の足も湿りがち。

大阪は蔓延防止延長とのことだが、京都は予定通り解除になる様子。

吉と出るか凶と出るか、お客様商売をしている者にとって、短期的には吉でも、中期的に見ると微妙かも。

なんて思いながら、今日は金曜日なので業務用にヴェルディの豆を使って下さっているお店への配達日。

なんだかんだ言いつつ、業務用のご注文はコロナ前の1/3程度。

どうなることでしょうねぇ。

そんな、何となく閉塞感が拭えない中ではあったが、今日は配達を終えたら岡崎の黒谷さんへ。

正式には「金戎光明寺」だが、子供のころからここのことは「黒谷さん」と言っているので、私なんかはむしろ正式名称を知らなかったり。

9月に「くろ谷マルシェ」というイベントがあり、そこでコーヒーの提供をしてもらえないかという打診があったので、参加させて頂くことになった。

「マルシェ」と言ったら、何となくあちこちの神社仏閣で行われているフリーマーケットのようなものを想像しそうだが、今回は西陣の有名帯店や、和装関係、染関係のワークショップなどがメイン。

飲食については、ヴェルディの他は老舗茶店と星付き和食のお弁当というラインナップなので、お客様も限られた方がゆっくりお楽しみになるといった感じかと思う。

私も、百万遍のお寺で開催されているようなものであれば、出店を見合わせたと思うのだが、今回はヴェルディのコンセプトにも合っているように思ったので、有難く参加させて頂くことに。

お客様の数も寂しく、外を見たら雨模様、ちょっと気分が滅入りそうなときも、こうして明るい打ち合わせに参加させて頂けて、久しぶりに黒谷さんも散策デキて、気分よく週末営業を迎えられそう。

雨模様でも、気分は上天気で行きたいものである。

関係性

2021年6月25日 

最近トシのせいか、毎朝必ず4時に一度目が覚めて、そのときはもう一度寝られるのだが、5時にもう一度目が覚めたら、もう二度寝はできず、仕方ないので以前より早めに鴨川に出ることになる。

朝の鴨川って、みんな同じ時間に出てくるので、歩きはじめる時間が30分早くなると、知らない人だらけ。

もう何年も歩いているが、なんだか新参者になった気分。

さて、今週頭に販売開始したキリマンジャロは、おかげさまで好調にお求め頂き、今回入手した30キロが残り14キロになった。

次は、インドネシアのスラウェシ島で採れる「トラジャ」の逸品。

思いのほかキリマンジャロが早くなくなりそうなので、急いでテスト焙煎しなくては。

で、こうしてレギュラー商品以外のものを定期的にお出しするとなったら、当然仕入れの部分で悩むことになる。

現在ヴェルディでは、月間生豆を300~500キロ程度仕入れている商社や問屋さんが3社、月間60~200キロ以下くらいの少量仕入れ先が3社で、計6社とお取引があるのだが、数か月前から新たにちょっと普通とは違った色合いの豆を扱う商社さんと取引を開始した。

そちらとは、まだ2~3か月で400キロ程度しかお取引をしていないし、相手もヴェルディの焙煎量は知っているので、いきなり月間トン単位の取引に発展する可能性が低いことは承知されている。

B to Bに限定した商売をしている商社にとっては、毎月何トンも仕入れてくれる取引先が「お客様」であって、数百キロしか仕入れないヴェルディのような零細焙煎店は、労多くして益なしの、いわば枯れ木も山の賑わい程度の取引先というのが真意だと思う。

にもかかわらず、その商社の社長さんは、私の細かい質問にも嫌な顔せず丁寧にお答え下さり、もうヴェルディにも数回足を運んで、私の仕入れに対する要望などを聞いて下さるから本当に有り難い。

世界中を飛び回っている方なので、産地の情報にも非常に通じていて、農家の人とも一緒になって良い珈琲を作るための施策を考えていらっしゃるので、品種と土壌のマッチングなどにも明るく、一般論で語られている情報が、実は誤った見解であるということに気づかされることもしばしば。

そんな商社の社長さんが、先日もお越し下さり、私が今後仕入れたい豆についての話を聞いて下さり、その可能性をご検討頂けたのだが、その折にこんなことを聞いてみた。

「貴社は、もっと○○さんとか、△△さんとか(業界の人なら誰でも知っているロースターさん)ともお取引があって、うちみたいな小さなところを相手にしても利益は少ないだろうに、どうしてこんなに熱心に私の話を聞いて下さるのですか?」

すると、「理由は2つ。一つは、続木と話したら、実際のお客様の反応や、それがどういう部分に起因しているかを聴けるので、最終消費者の求める傾向を知ることができるから。もう一つは、上からでも下からでもない目線でお付き合いできるから楽しい。」

ということだった。

なるほど、と思った。

私は、産地の現状や品種の詳細、土壌のこと、流通過程など多くのことにおいて、その社長の持つ知識に遠く及ばないし、及べるはずもない。

そういう点で、私は彼から学べるものはとことん学んでやろうという姿勢で接しているし、その社長も私が貪欲に聞いてくると言うことは、きちんと様々なことを理解した上で珈琲の焙煎に取り組もうとしている人間だと思ってくださっている。

ある意味、お互いがリスペクトしあっている関係なので、上からでも下からでもない関係性でいられることが、精神的な居心地よさを感じる要因なのだろう。

お客様商売をしていると、店の従業員に対して上から目線で言ってくる人が多い。

日本では、少し前に「お客様は神様です」なんて馬鹿げたことを言う人がいたので、そんな感覚で店員と接する人が少なくないのは事実。

そして、稀にものすごく下から目線と言うか、必要以上にへりっくだって店員に接するお客様もいらっしゃる。

どんな方にも公平に、きちんとした接客をすることは大前提なのだが、やはりすごい上から目線で来られると、心にザラっとしたものが走ってしまう可能性が高くなる。

一方で、必要以上にへりくだって来られると、接客する側は気を遣ってしまう。

店側もお客様も、互いがリスペクトしあえる関係というのが、ある意味最も良いやりとりができる環境にあるため、店はお客様に最善の商品とサービスを提供でき、お客様も満足できるものをお求めになれる可能性が高くなる。

ヴェルディの店という場の前に、仕入れ豆を選定する場においても、それは同様のこと。

仕入先の方と、単なるなれ合いではなく、本当に良好な関係を築きつつ、本当に良いものを仕入れることで、お客様にもご満足いただける珈琲が提供できるわけで、商売における関係性というのは非常に重要だなと、改めて思ったひととき。

K社長、良い生豆としっかりした情報を頂いて、よりお客様にご満足いただける珈琲を販売することにより、貴社からもっとたくさん豆を仕入れられるよう頑張ります!

このページの先頭へ