北白川焙煎所ができて、何が変わったかと言うと、今まで芸大店で午前中に無理やり焙煎を終わらせてランチに臨んでいた焙煎が、一日しっかり必要量を丁寧に焙煎できるようになったこと。
そして、今までは午前中にランチやお弁当を作って、午後から自家製焼き菓子を製造していたキッチンも、一日丁寧にお菓子が焼けるようになったこと。
また、通販についても、これまでは3日以内発送を守ってはいたものの、専用発送所ができたことで、当日の午前中に受けたご注文は、当日中に発送できるようになり、今日のような翌日が定休日の日は、午後3時過ぎに頂いた注文も当日中に発送、翌日にはお手元に届くという、Amazon prime並みの提供ができるようになった。
そんな北白川焙煎所ができたこともあり、今までは手が回らなかった、下鴨店への焼き菓子の供給もしっかりできるようになり、今月からは下鴨でお召し上がり頂くスイーツも自家製へと切り替えている。
その自家製焼き菓子の中でも、芸大店で人気の高かった「木の実の塩タルト」を提供できるようになったことは、私個人的にも嬉しい限り。
こちらは、パティシエールの松尾と試行錯誤を重ねて、原材料の仕入れから吟味した一品。
以前、京都伊勢丹にあった雑誌Leafさんが運営していたカフェでも大人気で、毎週10~20ホールお届けしていた。
このタルトの生命線は、やはり「木の実」の品質。
珈琲の味を左右する肝は、生豆の良し悪しと言っても過言ではないが、木の実の塩タルトも、使っているアーモンドとクルミには、非常に神経を使った。
左がこのタルトに使っているアフガニスタン産のアーモンド。
右は普通のカリフォルニア産アーモンド。
生の状態で食べた瞬間、そのポテンシャルの高さに驚いたのが、アフガニスタン産のアーモンドだった。
しっかりとした甘みと香りが、カリフォルニア産には追従を許さない味わいだった。
そして、同じアフガニスタン産のクルミも試食してみた。
左が一般的なアメリカ産のクルミ
右は、アフガニスタン産のクルミだが、これも実の詰まり具合と、嫌なアクのようなものがなく、まろやかな味わいが何とも心地よかった。
ただ、アメリカ産は安定的に入ってくるものの、アフガニスタン産は下手をすると供給がストップしてしまう可能性もある。
また、値段もアメリカ産よりも高価。
しかし、やはり美味しいものを使いたい!ということで、アーモンドもくるみもアフガニスタン産を選んだ。
現在の北白川店、当時の芸大店の社員たちは、良くも悪くもお互いに忖度することなく、良いものを作りたいという思いが強いため、試作を重ねる松尾にも容赦なくダメ出しをして、何度も試した結果、やっと「最高にコーヒーに合う」と思われるタルトが出来上がった。
直径10センチと小ぶりな容姿ながら、小さくても満足度はバッチリ。
1/4、1/2、ホールと3サイズでの提供となります。
よろしければ、中深~深煎りのコーヒーと一緒にお召し上がりください。
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