今朝はわりと寒かった。
いい感じで東の空が赤らんでいたのだが、出町柳の飛び石のところに、なぜか大勢の人が石にのっかって北を見ている。
渡ろうとした人が断念して戻っていた。
これって、けっこう迷惑行為なのだが、この人たちは何をしたかったのだろう?
そんな今日は、ランチタイムの立ち上がりこそ遅かったが、午後はオーダーストップまでお客様が途切れることのなかった造形芸大店。
下鴨の方も、予想以上に多くのお客様にお越しいただけたようで、このところ新型ウイルスのこともあり、ちょっとお客様の足も遠ざかっているように感じていたが、なんとか週末らしい営業ができた。
そんなわけで、ちょっと早めに上がることに若干の抵抗を感じつつ、今夜はサロンライヴにたびたびご出演下さっている、ソプラノの講殿さんが堀川音楽高校ホールでコンサートをされるということだったので行ってきた。
前半は、講殿さんのリート。
後半は15歳にして多くのコンクールで優勝を果たしている若きピアニストによるラフマニノフのピアノ協奏曲3番。
指揮は、これもサロンライヴに何度かご出演下さっている坂口航大さん。
講殿さんの歌は、本当に聞くたびどんどん素晴らしくなっていて、思わず聞きほれてしまうのだが、残念だったのはこのホールの残響。
リートだったからまだ許せるが、もしこれがイタリオペラのアリアだったら、恐らく歌手は怒ってしまうのではないかと思うほど。
後半のラフマニノフは、目を閉じて聞いていたら、とても15歳とは思えない演奏。
そりゃ、私の愛聴盤であるアルゲリッチやホロヴィッツと比べたら、まだまだ粗削りではあるが、それは比べる相手が悪いだけ。
今後に期待できる若きピアニストの演奏を聞けて、また楽しみが一つ増えた。
が、確かにラフマニノフを弾きたくなる気持ちはわかるものの、このホールでラフマニノフはちょっと辛かった。
アレグロくらいなテンポで八分音符をフォルテで弾いたら、ほとんど四分音符にしか聞こえない。
カデンツァなんて、銭湯で聞いているような気分になってしまう。
個人的には、ものすごくストレスのたまるひと時であった。
そんなわけで、京都市には市内の名門校のホールなのだから、もうちょっとまともな音響にしないと、せっかく才気あふれる音楽家の卵をホールの残響のせいでつぶしてしまいかねないと声を大にして言いたい。
で、演奏とは裏腹に、なんとなくもやもやしていたので、帰りに七福家さんへ寄って、「豚トロの黒故障オイスターソース炒め」を頂いた。
いつもながらおいしくて、気分のすっかり晴れました。(単純)