自家焙煎珈琲 カフェ・ヴェルディ

カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記

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Lacrimosa

2021年5月29日 

今朝は暑くもなく寒くもなく、でも、大文字山は靄で全く見えなかった。

さて、今日は午前中から「自分で焙煎セミナー」のご予約を頂いていたので、わりと朝から慌ただしくしていた。

その自分で焙煎セミナーの途中で、華祥さんのおかみさんがご来店。

ちょっと嫌な予感はしたのだが、セミナー終了後にテーブルに伺ったら、この16日に田口シェフがお亡くなりになったとお知らせくださるためのご来店だった。

2年に及ぶ闘病生活の末、コロナの流行もあり、最後は入院するのではなくご本人の希望で自宅療養ということになり、家族に看取られて天に召されたとのこと。

華祥さんが田中里の前に移転されてからは、いつ行っても行列ができていたので、なかなか伺うこともなかったのだが、百万遍の雑居ビルで営業されていたころは、ヴェルディもまだ私とカミさんが朝から晩までフル回転で仕事をしていたこともあり、我が家にとってセカンドダイニングのような感じで使わせて頂いていた。

うちの娘たちにとっては、ある意味中華のスタンダードが華祥さんだったと言っても過言ではない。

白ゴマの冷麺を初めて頂いたときは衝撃的であった。

カミさんは、春雨が好きだったなぁ・・・とか

家族皆が大好きだった担々麺。

娘たちもカミさんも、この卵白炒飯を食べるのを楽しみにしていた。

オイスターソース焼きそば、シンプルだけど絶品だった。

個人的には酸辣湯、けっこう好きだった。

おかみさんと話をしつつ、いったい何百回通ったことか分からないが、華祥さんでの様々な思い出が、走馬灯のように脳裏をめぐる。

うちの末娘が生まれた直後、百万遍時代はまだお客様の数も少なく、家族で伺ったら、赤ん坊だった末娘をおかみさんが抱っこしてくれて、その間に食べさせて頂いていたことや、私が何を注文するか決めかねていたら、勝手にスゴイ料理を作り始めてしまうことなど、あの9席だけの狭い店の中に、いろいろなエピソードがあったことを思い出す。

なんだか、我が家にとって一つの時代が終わったような気分になった。

ご家族の皆様には、心からお悔やみ申し上げますとともに、田口さんには遠くない将来、私がそっちへ行ったら、また絶品中華を作って頂きたい。

長い間、本当にお疲れさまでした。

そして、有難うございました。

どうぞゆっくりとお休みください。

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