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カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記

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知らなくてもいい珈琲の話-その21【コーヒーの品種-5】

2021年6月27日 

今回は、ティピカ種と並ぶアラビカ種の代表格「ブルボン種」について説明します。

まずは、ものすごく大雑把なブルボン種の系統図から。

「ブルボン種」の【ブルボン】は島の名前からきています。

そのブルボン島とはどんなところなのかから説明しなくてはならないでしょう。

ブルボン島は、現在「レユニオン島」という名前になっています。

ここは、フランス共和国の海外県という位置付で、実質的にフランスの領土と言えます。

アフリカ大陸の南東にある島で、マダガスカル島の東、面積は2,512キロ㎡なので、沖縄の二倍程度の広さです。

現在は、人口86万人ほどですが、1507年にポルトガル人がこの島を発見した当時は無人島でした。

その後、1640年にフランス人が上陸してフランス領を宣言。

1642年にルイ13世が、当時の王朝の名称(ブルボン王朝)から引用し、「ブルボン島」と名付けました。

1665年には、フランスの東インド会社がインドとの輸出入における中継地として重用したことから植民を開始します。

1715年頃には、イエメンからコーヒー豆が伝わり、コーヒー栽培が盛んになりますが、その後サトウキビへと主要産業が移り、製糖がブルボン島の重要産業となりました。

しかし、その後フランス革命による王朝の終焉に伴い、「レユニオン島」に改名されます。

1806年には、皇帝ナポレオンにちなんで「ボナパルト島」と改名しましたが、ナポレオン戦争が終結し、1814年にイギリスがこの島を占領したことにより、再び「ブルボン島」に改名されました。

しかし、1848年フランスの2月革命により、再び「レユニオン島」に改名されて今に至ります。

時の政権によって何度も名称が変わった島ですが、この島の産業も1700年代当初の珈琲栽培から、トウキビ栽培へと移り変わり、アラビカ種における2大品種の片割れとも言える「ブルボン種」、その名称発祥の地では、極僅かの栽培になっています。

しかし、その子孫たちが現在の世界のアラビカ種をけん引しているのです。

来週からは、個々の品種について説明してまいります。

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