先週より始まったコーヒーの精製、今回はナチュラル(Sun dry)について説明いたします。
ナチュラルは、最も古典的な精製方法です。
その方法を簡単に説明すると
① 収穫後すぐに乾燥工程に入る。
② 乾燥は、主にパティオ(地面に広げる)だが、アフリカンベッドやドライヤー、スタティックドライヤーを使うこともある。
③ 重量ベースで水分量が11±1%まで乾燥させて保存
④ 出荷前にドライミルで脱穀する。
ということになります。
順を追って詳しく説明しましょう。
まず、収穫するか否かの判断です。

上の写真で言う①がすでに完熟状態なので、通常はここで収穫します。
②は「グレープ」とも評され、この段階まで行くと深みのある味わいになります。
③はさらに深みが増し④は樹上完熟状態で、ブラジルではこの状態まで行ったチェリーのことを「ボイヤ」と言います。
ただし、②より先まで樹上で残すのは難しく、熟度が増すと木との付け根の部分も軟らかくなるため落ちてしまうことも少なくありません。
また、同時に鳥に食べられてしまう危険も高まるため、無難に行けば①か②で収穫する農園が多いと言えます。
ちなみに、ジャクバードという鳥が食べた後は、種が農園のあちこちに落ちています。

これが、鳥(ジャクバード)が食べた後の糞(コーヒーの種、パーチメントまでついていますね)
インドネシアだと、ジャコウネコが食べた糞から採取したものを「コピルアック」として販売していますが、ブラジルでもジャクバードの糞から採取したコーヒーが売られています。
ただ、インドネシアでは飼っているジャコウネコでコピルアックを作るところが大半を占める中、ジャクバードは野生しかいないので、このような糞をちょっとずつ採取して回らねばならないため、ものすごい手間がかかります。
話がそれました。
こうして完熟豆を収穫したら、パティオ(地面)かアフリカンベッド(網状の板の上に並べる)で天日乾燥します。

広大な地面に広げて乾燥

雨が多い場所では、屋根の下で乾燥させることも。

アフリカンベッドでの乾燥
また、時としてドライヤー(乾燥機)で乾燥させることもあります。
ドライヤーを使うのは、主に大量生産のコマーシャルコーヒー(コモディティコーヒー)で、安価なブレンドやインスタント用に使われることがメインで、スペシャルティコーヒーの場合はめったにドライヤーは使われません。

ドライヤーはこんなもの。
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と、言うことで、ナチュラルプロセスの特徴をまとめてみました。
- ナチュラルプロセスの特徴(ポジティブ)
- フルーティーな香りが出せる(Fruity , Acidity , Sweetness)
- 水の使用量が少なく、全く使わなくてもできる。
- 排水やパルプ、ミューシレージなどの廃棄物が出ない。
- ナチュラルプロセスの特徴(ネガティブ)
- 未熟豆混入のリスク
- チェリー内の水分が多い状態で熱が加わるため過発酵になりやすい。
- カビ発生のリスク
- ドライヤー使用時 ⇒ 乾燥工程中のチェリー破裂のリスク
- パティオ ⇒ 天候によってリオ臭などの発生がある。
- リオ臭
- 独特の腐敗臭を「リオ」と言うが、これは収穫期に雨が降り、収穫後のチェリーや種子が雨水にさらされることにより細菌やカビが発生して生成されるヨード臭のような独特の臭い。収穫期に降雨の多いリオデジャネイロ州近辺でよく発生することから「リオ」「リオ臭」と言われる。
ナチュラル精製は、最も古典的な精製方法と言いましたが、現在ナチュラルをメインにしているのは、主にエチオピアとイエメン、ブラジルの3か国です。
エチオピアは、ウォッシュドとナチュラルが半々程度ですが、イエメンはほぼ100%、ブラジルは8割程度がナチュラルと言えるでしょう。
しかし、近年はコーヒーのキャラクターを強く出すために、これまでウォッシュドメインで精製していた国でも、ナチュラルを取り入れるところが増えてきました。
これは、ナチュラルの特徴である「フルーティーな風味」を出したいからに他なりません。
一方で、ナチュラルの風味は、どこの国であろうとナチュラルフレーバーが先に立ってしまうため、逆に生産国の個性を出しにくい部分もあり、最近では嫌気性発酵や、酒樽でのエイジングなどという手法で個性を出そうとする動きもあります。
次回はウォッシュドについて説明いたします。


