ヴェルディの通信販売では、一部【送料込み】のギフトや、セット商品以外は、全てのご注文に対して送料を頂戴している。
amazon prime の有料会員登録者や、大手通販サイトでは、【送料無料】を謳っているいるところもあるし、〇〇円以上送料無料としているところもある。
ヴェルディでも、高額購入者に対しては、送料を負担するかどうか検討したこともあったが、最終的に送料は運送会社の正規料金より安価に設定して、若干弊社負担をしつつも、一定額頂戴している。
ただ、少数派ではあるが、「送料無料にしてほしい」というご要望もあることは事実。
確かに、【送料無料】と言ったら、もっとご注文は増えるかもしれないが、そうしていないのには理由がある。
まず、ヴェルディでは、【送料無料】ではなく、【送料込み】と表記している。
その理由は、送料無料を謳っている通販では、ほとんどの場合本来その会社が本来つけるべき価格に送料を上乗せした値段を販売価格にしているわけで、送料は「無料」にしているのではなく、「上乗せ価格」になっているだけ。
ヴェルディでも、100%上乗せしているわけではないが、送料を全て負担しているわけではないので、「送料込み」と表記している。
そしてよく言われる、ある程度高額の購入をしてくださった場合、送料をヴェルディ負担にするとどうなるかと言うと、例えば1万円ご購入下さったとき、ヴェルディがお客様向けに正規料金より安価に設定している送料ではなく、正規の送料を負担したら、実質15~20%(発送先の地域による)ディスカウントすることになり、原価率を考えると、ちょっと難しい数字になってしまう。
そして、「無料」ではなく、「込み」にしているもう一つの理由は、配送して下さっているヤマト運輸の人たちや、日本郵便の人たちの仕事に対するリスペクトということもある。
今日の京都は最高気温が35℃を記録する猛暑日だった。
そんな中でも、汗をかきつつ荷物をかかえてドアまで運んで下さるドライバーの方。
こんな猛暑日でも、雨の日でも、こごえる寒さの中でも、笑顔で(そうでないこともあるけど)荷物を届けてくれる姿に対して「あなたの仕事は無料にされてしまう程度の価値です」とは、決して言えないので、「無料」ではなく「込み」と表示しているところもある。
会社で言えば、製造部門や営業部門は、直接利益に関わる部門だけど、総務などは裏方仕事で売り上げをとってくるわけではないので、給料なんて払う必要はない、と言っているのに近いことだと思う。
ヴェルディのような零細企業は別として、ある程度の規模の会社であれば、総務や経理の人たちがバックグラウンドで仕事をしてくださっているから、営業や製造は円滑に安心して自分の仕事ができるということは、誰でもわかっていること。
総務の仕事は、直接利益を生み出していなくても、会社という団体が成立する重要なピースである。
同じく、配送業者の方がいるから、通信販売と言うビジネスは成立して、配送して下さる方がいるから、安心して商品を販売することができるし、お客様も注文することができる、通信販売というものにおいて、絶対必要なピースなわけである。
毎週金曜日は、ヴェルディで業務用にコーヒー豆を使って下さっている、所謂卸先様への配達日。
お昼過ぎから、私は車に豆を積んで半日かけて配送しているので、ほんのちょっとではあるが、配送業者さんの気持ちも分かるのだが、あるお取引先様が以前の配達先から移転され、現在の配達エリアから少し離れてしまい、そこを回ることで丸30分ほどよけいにかかってしまうようになった。
ルートから離れていない場所であれば、少量でも回れたのだが、30分かかってしまうと、その時間店に人をいれなくてはならないし、私にとっての30分は、なかなか重要なものでもある。
それでも、量が多ければと思うが、注文量は一般のお客様が一度にお求めくださる平均量より少なく、さらに卸価格を設定しているので、もしアルバイトに配送させたとしても、赤字になってしまう。
ただ、今までのお付き合いもあったので、赤字にならない最低量をご注文頂けない場合は、配送料を頂きたいと言ったところ、スパッと取引は終了することになった。
つまり、配達をしている私の時間に対しては、お金を払う価値がない、と言われたのと同じ意味なわけである。
もし、自分の仕事に対して「あなたが赤字になっても知ったことではないから、無料で仕事をしろ」と言われたら、どんな思いをするだろうか。
というわけで、ヴェルディでは配送料は配送料としてきちんと頂戴し、私たちは配送料を頂戴するに見合うコーヒー豆を作るよう努力する。
ギフトや一部のセット商品は、送料込みの方が分かりやすい、これは消費税込みか外税表示かの違いと同義というつもりでそうしているのであり、だから「送料無料」ではなく「送料込み」と表示して、配送業者さんの仕事は決して価値のないものではないということを一応主張しているわけである。
自分でも、何を書いているのかよく分からなくなってきたが、ヴェルディにおける送料に対する考え方は、そんなものだということをご理解願えればと思うのでした。