自家焙煎珈琲 カフェ・ヴェルディ

カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記

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世界一

2026年9月29日 

たまにお客様からヴェルディへの称賛の言葉として、「世界一美味しいコーヒーや」と言って頂くことがある。

とても嬉しい反面、内心では「それはあり得ないだろう」という思いもある。

ともかく、上には上がいるので、本当に世界一というのは、恐らく誰も分からないだろう。

さらに、何を基準に世界一と言うかということも問題で、例えば「世界で一番コーヒー豆を売っている」と言うのであれば、難しいだろうけど全てのロースターの販売量を集計すれば見つけることも可能かもしれない。

が、こと【味】について言えば、Aさんは世界一だと思っても、Bさんは別の店のコーヒーの方が美味しいと言うかもしれない。

それに、どんなコーヒーマニアであっても、世界中の全てのコーヒーを飲むなんて絶対不可能なのだから、軽々しく世界一という表現はできないし、どんなジャンルでも、その世界を知れば知るほど「No.1」を選ぶことは究極的に難しいことだと言うことが分かってくるはず。

そう言ったら、例えば100mを何秒で走るか、とか、42.195キロを何分で走るか、といった、具体的に数字に表れるものであれば世界一を決めることはできる、と思われるかもしれない。

しかし、アフリカへの山間部へ行ったら、恐らくオリンピックの金メダリストよりも走るのが早い子供を探すことも不可能ではないと思う。

写真は、標高2,500mの高地で、車と並走する子供。

コーヒーに落とし込んで考えてみると、抽出や焙煎のコンテストで優勝した人のお店でコーヒーを飲んでも、「普通に美味しい」としか感じないことも多く、場合によっては、自分の好みには全く合わないことすらある。

かつて、私はシャムさんでタイカレーを食べた後、あまりの美味しさに感動して、「ここより美味しいタイカレーはあるのか?」と、いろんなお店で食べ歩いたが、残念ながらシャムさんよりも【私が美味しいと思える】お店には出会っていない。

が、私がシャムさんをオススメした方が、行ってこられて感想を述べられたとき「うん、まぁ美味しかった」という表現をされた。

つまり、その方にとってシャムさんは、感動レベルの美味しさではなく、普通レベルの美味しさだったということになる。

何を食べても飲んでも、人の好みは千差万別、だから同じジャンルの中でも、いろいろなお店が共存できるわけである。

まぁ、そうしてみると「ヴェルディのコーヒーは世界一美味しい」と言って頂いて喜ぶのではなく、「その方が今まで経験した中では、ヴェルディのコーヒーが一番お口に合った。」と解釈するのが一番しっくりくる。

で、結局何が言いたいのかというと、今月はなぜかブラームスを聴くことが多く、先週からブラームスの交響曲を1番から順に、私が持っているCD数種類を聴き比べていった。

昨日、第4番を聴いて、とりあえず今回のブラームスシリーズは終了となったのだが、私はカラヤン/BPOでブラームスの交響曲を全曲生で聴いたことがあり、その当時は若気の至りということもあり、カラヤンのブラームスこそ世界一だと思っていた。

確かに、生で聴いた中では、一番だったが、録音した音源となれば話は変わってくる。

実際、カラヤン/BPOのブラームスのCDは持っていて、長く愛聴盤になっているのだが、そこへ来てクライバー/VPOのブラームス4番を聴いたら「これ、カッコイイ!」と感動してしまい、いったいどちらが世界一なのか?と思うようになった。

しかし、私はブラームスの4番のCDを7枚しか持っていないわけだが、現在市中に出回っている同曲のCDは軽く2~300枚を超える。

それ全部を聴き比べないと、世界一は決められない、と言うか、私が好きな演奏第一位は決められない。

が、そんなの全部聴けるはずもない。

結局は、自分の持っているCDが、私の中のブレームスワールドの全てなわけで、私が形成している世界の外にあるものについては、選定の範囲外ということになるが、よりその曲を知るためには、なるべく多くの録音を聴きこんで、多様な解釈を知らないと、小さな世界の中だけで物事を見ることになってしまう。

と言うわけで、見分は広げつつ、結局はその日の気分で自分の持ち駒の中から何を聴くかを決めるしかないのだが、少なくともカラヤンとクライバーは、その筆頭候補になるだけという話。

二つの演奏は、と言うか、二人の指揮者は全く違う個性で、曲に対する解釈やアプローチも違う。

それをヴェルディに置き換えたとき、私はカラヤンとクライバー、どちらのコーヒーを目指すべきか考えてしまった。

結果、多分カラヤン。

かなぁ・・・?

いや、クライバーと仲は悪いが、ちょっとクライバーに憧れているカラヤン?

いや、私は意外とクナパーツブッシュかも。

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