自家焙煎珈琲 カフェ・ヴェルディ

カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記

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ストレートとブレンド

2017年7月16日 

今日は祇園祭の宵山。

だいたい、例年だと宵々山か宵山の日にものすごい雨が降って、巡行の日はカラッと晴れて猛暑になって、そのあたりで梅雨があけるというイメージなのだが、そうすると今日あたりものすごい雨がふるかも・・・

と、予感させるような空のもと、かなり汗をかきつつウォーキング。

はやく涼しくならないかなぁ・・・

さて、そんな予想がぴたりと当たり、今日はお昼過ぎに外が一面真っ白になるほど激しい雨が降りはじめた。

ちょうどサロンライヴのためオーダーストップをする頃だったので、この雨の中「閉店です」とお客様にお引き取り願うのは気がひけると思っていたら、閉店時間には小降りになり、サロンライヴがスタートする頃には晴れ間も見えてきた。

そのサロンライヴ、今回は初となる「お箏」。

恐らく、今までにも生で箏の音色を聴いたことはあるのだろうが、改まってコンサートとして聴くのは初めてかもしれない。

前半は、一ノ瀬佳子さんによる箏のソロ、後半はフルートの奥田裕美さんとのデュオを堪能。

こんなにも複雑かつ繊細な音色を奏でられる楽器なのだと、ある種衝撃を受けた前半。

そして、後半はもっと驚きの協奏であった。

普段は、歌とピアノとか、ヴァイオリンとピアノといった組み合わせが多い Verdi サロンライヴだが、そういうときは歌がメインでピアノは伴奏といった色が濃かったのに、この箏とフルートのデュオは、どちらが主役というのではなく、互いが双方をより輝かせつつ、一体となったハーモニーを聴かせてくれる、まさに『協奏』という表現がぴったりくるものであった。

オブリガートと主旋律が混ざり合いながら交錯しながら、一つの音楽を作っていく様はとても感動的で、先に箏のソロを聴いていただけに、よけいフルートが加わったハーモニーが、いかに豊かな音楽表現と新たな音色の創造につながるかということを認識させてくれる。

もし、これが聴きなれた組み合わせなら、こんなに感じなかったのかもしれないが、日本の古典的な楽器と西洋の楽器との融合が、より一層そんな思いを強くさせてくれたのかもしれない。

そんなことを感じながら、ふとこれを珈琲に置き換えると、ストレートとブレンドがそれに当てはまるという考えがより一層強固になった。

ストレート(最近は、シングルオリジンと言う人が多いが)は、確かにその豆の個性を主張できるものではあるが、どこまで行っても一種類の豆の個性しか出すことはできない。

しかし、何種類かの豆をブレンドすることで、一種類の豆では決してできない表現力を持つことができるし、数種類の豆が混ざることで、10しかなかったストレート豆の表現力が、12にも15にもなる可能性すら持っている。

だからと言って、ブレンドこそ素晴らしく、ストレートは味気ないなんていう気は毛頭ない。

しかし、単一豆至上主義とも思える昨今の風潮は、ピアノソナタだけを聴き、壮大な交響曲を聞かずしてベートーヴェンの全てを知ったかのように語られるのと同じような気がしてならない。

もちろん、ピアノソナタも素晴らしいし、その時の気分次第ではオーケストラ曲ではなく、器楽曲を聴きたいときも少なくない。

ふらっと入った喫茶店で、カザルスの弾くバッハの無伴奏なんかが流れていたら、その時の気分にかかわらず、なぜだかホッとする。

だから、どちらが上位と言うわけではなく、もっと多くの人にブレンドが持つ可能性を感じてほしいのだが、どうも最近の珈琲業界は「シングルオリジンこそ最高」というような表現が多いように思えて、ちょっと悲しくなる。

なんて、箏とフルートの素敵な競演を聴きながら思ってしまった今夜のサロンライヴであった。

また是非演奏して頂きたいお二人でした。

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