自家焙煎珈琲 カフェ・ヴェルディ

カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記

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たわごと

別物

2026年5月28日 

今日の日記は、何となくつらつらと長くかいてしまったので、時間のない方はこのまま右上の×印をクリックして下さい。

昨夜、グノーのファウストをDVDで観ていたら、何となくバレエの音楽が聴きたくなったので、今夜は白鳥の湖。

チャイコフスキー バレエ白鳥の湖

ランチベリー指揮 フィルハーモニア管弦楽団

ランチベリーという指揮者、普通に管弦楽曲や交響曲しか聴いていなかったら、ほとんど耳にすることのない指揮者だが、バレエの指揮者としては有名な方。

そして、バレエの指揮者って、ほとんどバレエしか振らないから、一般的な管弦楽曲しか聴かない人には馴染みがなくて当然。

で、白鳥の湖は、全曲盤を6枚ほど持っているが、バレエ音楽ほど見方(聴き方)によって演奏の良し悪しが分かれるジャンルも他にないのではないかと思う。

つまり、バレエ音楽として聴くか、管弦楽曲として聴くか。

バレエ音楽として聴く場合、フランス風なのか、ロシア風なのかによっても、ちょっと違ってくるが、それ以前にバレエ音楽の全曲盤を録音している指揮者の大半は、ピットに入ってバレエの本番を振ったことがない人がほとんどだと思う。

そうなると、何が起こるかと言うと、普通に管弦楽曲として聴いた場合は良くても、バレエ音楽として聴いた場合は、「これじゃ踊れない!」とか、「このシーンは、こんな雰囲気ではない」と思ってしまうわけである。

なので、バレエそのものを観ている人なら、視覚的な記憶があるから、この踊りは、こんな風・・・と思って聴いていると、全くそういう風に踊れないようなテンポで演奏されることも多く、その時点で客観的な管弦楽としての評価ではなく、バレエとしてダメな演奏になってしまう。

さらに、そもそも白鳥の湖は、初演のとき大コケで、チャイコが書いた初稿で再演されることはなかったのだが、振付師のプティパによって、ストーリーや曲順が変わり、多くの曲が割愛され、場合によってはその後にみつかったチャイコフスキー パドゥドゥが挿入されたりして今のバレエ上演の形になった。

ただ、実際にバレエとして振っていない指揮者は、現在のプティパによる実際の上演に即したスコアではなく、現在は全曲演奏がされることのない初稿で録音している場合がほとんど。

私が持っているCDの中で言うと、小澤征爾だとか、サヴァリッシュなんて、バレエを観たことがなく、演奏だけを客観的に聴いたら美しいメロディーに聴こえても、実際に白鳥の湖のバレエを観たことがあったら、拒否感を覚えてしまう演奏になる。

個人の嗜好で言えば、バレエ音楽としてはダメでも、唯一プレヴィン盤は管弦楽曲として好きだったりする。

そういう点で言えば、ゲルギエフ盤がバレエを観る人にとってはベスト盤ではないだろうか。

このランチベリー盤、HMVのレビューを見たら、割愛されている曲がいくつかあって、全集版としては「良識のない商品」とまで書かれているが、ゲルギエフ盤は、そもそも初稿ではなく、その後にプティパによって実際のバレエに即した演出に改変されたスコアを使っているため、このランチベリー盤よりもカットされている曲は多いし、初稿のスコアにない別のバレエ音楽の曲が挿入されているし、順番も違うし、憤慨する人がいてもおかしくないが、バレエで白鳥の湖を観ている人にとっては、恐らく最も感情移入できる演奏だと思う。

と、前置きが超長くなったが、最近コーヒーについても同様のことを感じてしまう。

コーヒーという飲み物、「日用品」としての位置付けか、「嗜好品」としての位置づけか、どういう観点で選ぶかということによって、コーヒーの存在意義は大きく変わってくる。

ヴェルディとしては、20種類以上の豆を並べることにより、嗜好品として多くの方が自分好みのものを選んでいただけるようにしつつ、なるべく日用品としても飲めるよう、価格を抑えるように頑張っている。

しかし、ネットで売られている1キロ1,000円みたいな、超安価な日用品にはできないし、100gで1万円もするような、超嗜好品にもできないところが、もしかしたら中途半端な業態なのかもしれない。

でも、私としては、可能な限り多くの方から「美味しい」と評価してもらえるよう、その豆のポテンシャルを発揮できるような焙煎をすることは、開業以来変わらない一貫した経営方針である。

ただ、このところ嗜好品でも日用品でもない、ファッションアイテムとしてコーヒーを扱っているお店も増えている。

私も〇〇コーヒーと書かれているから、同業種だと思って、話題になっている店に行ってみたものの、酸っぱすぎて一杯飲むことが出来なかったということが少なからず。

でも、店自体は今風でカッコよく、そこで働いている人たちも、現代の若者らしいおしゃれなファッション。

何軒か流行りのお店に行った感想としては、「これはコーヒーを売っているのではなくファッションアイテムだな、と。同じコーヒーと呼ばれる商品を扱っていても、実は別ジャンルの商売だ」と実感した。

同じ「白鳥の湖」でも、バレエ観点で聴くか、管弦楽観点で聴くか、その観点によって同じ曲でも大きく感じ方は変わってくる。

しかし、レビューを見ると、両方の観点で書かれたものが混在しているので、「このCDエエのか、アカンのか、どっちやねん!?」となってしまう。

そんなとき、両方の観点があるということを理解していたら、あぁ、この人は管弦楽としてしか聴いたことがないから、こんな感想なんだ、と思えたり、この人は舞台芸術としてのバレエが好きな人なんだ、と分かったりするから、1つ星と5つ星が混在していても納得できてしまうわけである。

が、世の中そんな両方の観点を知っている人ばかりではない。

コーヒー店のレビューを見ていても、その店をファッションとしてとらえるのか、味を重視した飲食物を売る店としてとらえるのか、その観点によって評価は大きく変わってくる。

そんな中、そもそも昔からコーヒーが好きな、ある程度年を重ねたコーヒー愛好家よりも、今までコーヒーをほとんど飲んだことがないまま、ファッションとしてのコーヒーをコーヒーだと思ってしまっている若い人の方がネットの世界では優勢。

なので、特に昔から今風の営業ではなく、味作りにこだわって、営業をしている店は、下手にネットで自分の店の評価なんかを見てしまうと、ちょっと落ち込んでしまうようなことが書かれていることも少なくない。

けど、そんな昔から営業している店に足繁く通ってくださるお客様はまた、ネットに書き込んだり、それを読んだりしない、または自分自身の好みで動くからネットに何が書かれていても気にしない人が多いのだから、実際に自分が接しているお客様の大半には、どうでも良いことだったりする。

とは言え、やはりネットの書き込みは気になってしまう・・・

ので、私は見ないようにしているのだが、何となくやりにくい世の中になっているなぁ・・・と思う今日この頃。

でした。

Va, pensiero, sull’ali dorate

2026年5月23日 

以前にも書いたように思うが、コーヒーをクラッシック音楽に例えるなら

楽譜=原料の生豆

指揮者=焙煎士

オーケストラ=焙煎機

再生するオーディオ=抽出する器具

再生するスピーカー=抽出する人の技術

みたいなものだと思う。

どんなに素晴らしい指揮者でも、そもそも楽譜(曲)そのものに全く魅力がないものだと、その曲の持つポテンシャルを引き出しようもない。

どんなに指揮者が優秀でも、オーケストラがへたくそだと、その指揮者の意図を音にすることはできない。

どんなに素晴らしい演奏でも、再生するオーディオやスピーカーによって、聞こえてくる音の質は変わる。

でも、結局のところ魅力的な曲(楽譜)があり、その曲の魅力を十分に引き出せる指揮者が、しっかりとした技術を持つオーケストラを振れば、良い演奏になるわけで、この楽譜(生豆)、指揮者(焙煎士)、オーケストラ(焙煎機)が全て良くないと、本当に美味しいコーヒーはできない。

ただ、指揮者も全ての作曲家の曲に造詣が深いとは限らず、やはり得意なレパートリーというものはあるし、オーケストラも、技術はあっても曲によっては向き不向きというものもあると思う。

で、最近出版されたこちらの本を購入して読んでみた。(まだ読んでいる最中)

カウンタートークの中で、お客様と「この人(指揮者)の代表盤に〇〇が入っていないなんて・・・」とか「これ、本当にこの人の代表盤か?」とか、ちょっと意見が白熱したりして、でもある意味そういう会話から、お客様の音楽の好みや趣向も分かったりして。

まぁ、この本の著者がその指揮者の代表作として書いているものに、もろ手を挙げて賛成とは言わないが、そもそも音楽も好みの世界なので、誰が見ても全員が納得する選曲などあろうはずもなく、そのあたりを理解しつつ、いろいろとお客様と意見を交わすのは楽しいこと。

ただ、その指揮者の生い立ちから人となりまでを読んでから、その指揮者が振る曲を聴くと、また感じ方も違ってくる。

まだ、【サ】までしか読めていないが、とても面白く読ませて頂いている。

全部読み終えたら、本棚に入れておこうと思うので、興味のある方は手に取ってご覧ください。

でも、意外と指揮者って、ず~っと音楽一本って人もいるけど、紆余曲折を経て、とか、全く違う職業から転じる人もいて、ある種そういった経験が音楽にも厚みをもたせているのかもしれないと思ったり。

結局、音楽って作曲家が作った曲を聴いているようで、実は作曲家が作った曲を鏡に、それを演奏する人の頭の中を覗いているように思う。

コーヒーも、産地(例えばコロンビアとかエチオピアとか)のコーヒーを味わっているようでいて、実は焙煎する人の思いをコーヒーを通して飲んでいるのかもしれない。

と、開業時のときに思ったので、開業以来ヴェルディのロゴには、サブタイトルとして、この文字が書かれているのでした。

Va, pensiero, sull’ali dorate 

ヴェルディ作曲 オペラ「ナブッコ」より

コーヒーに伸びる手とコーヒーから羽ばたく鳥のダブルモチーフになっているロゴ、黄金の翼でありたいと思います。

喫茶店と珈琲店

2026年4月26日 

昨日は、「どうしちゃったんだろう?」と思うほど、平日の方がお客様多いのではないか(いや、実際平均値でみると平日の方がお客様の数は多かった)と言うほど前半戦はお客様の少ない土曜日。

午後から盛り返したものの、スタッフ1名欠員の中、焙煎室では鈴木が一人で奮闘し、ホールの方は私とカミさんとアルバイト1人で回るレベル。

にもかかわらず、売り上げ的には平日の倍近くあるから不思議なもの。

珈琲豆をお求めくださるお客様が多かったので、なんとか数字的には良い結果で終われた。

閉店後、カフェの開業を目指しているアルバイトのOさんに「今日、豆が売れてなかったら、この程度しか売り上げなかったよ」と言ったら「お店の営業って難しいものですね」と、彼女的にもいろいろと考えるところがあった様子。

一夜明けて今日は、朝からまずまずお客様もお越し下さり、午後からはランチもタマゴのホットサンドが売り切れになるほどご注文頂き、その後も途切れることなくお客様がご来店になった。

今日は昨日よりもう一人多くアルバイトが入っていたので、無事に店は回ったのだが、閉店後に今日の営業成績を見たら昨日より1割以上売り上げは低い。

店内飲食のお客様は多かったものの、コーヒー豆の売り上げが昨日の半分程度だったので、昨日よりスタッフは一人多いものの、体感的には今日の方が圧倒的に忙しいのに、売り上げ的には昨日の方が上という、感覚と数字のギャップにアルバイトスタッフたちは「マジか?!」となっていた。

開業を目指すアルバイトのOさんは、「豆が売れなかったら、店内飲食がこれだけ忙しくても、この程度の売上なんだ・・・」という感想を持った様子。

もう一人の学生アルバイト君は「だから近頃はコーヒー1杯1,000円とかもザラにあるんですね」と。

確かに、コーヒー1杯1,000円とれたら、店内飲食だけでもそこそこの売り上げにはなるかもしれない。

が、繁華街でもない限り、1杯1,000円のコーヒーだとお客様の数は1日100人を切ってしまうかもしれない。

結局、売り上げ的には変わらないような・・・・

そして、今から始めるお店の場合、そこに来るお客様は、その店はコーヒー1杯1,000円だと分かって来るのだが、ヴェルディの場合もう20年間通い続けて下さっているお客様も少なくないし、ほぼ毎日ご来店くださるお客様も少なからずいらっしゃる。

毎日でなくても、週に2回以上ご来店下さるお客様となったら、けっこうな数の方がいらっしゃるわけで、そんなお客様に「明日からコーヒー1杯1,000円にします」なんて、心情的にもお店を支えて下さっている恩義の面でも決して言えないわけだから、ある意味高額な価格設定という点で言えば、これから始めるお店の独壇場。

ただ、それじゃぁ、1杯1,000円のコーヒーを出す店が、この先20年以上続けられるのか?と言えば、そういうビジネススタイルではないのかもしれない。

まぁ、そんなわけで、カフェと言うか、喫茶店と言うか、コーヒー豆の販売をあまりしていないお店と、コーヒー豆の売り上げが店内飲食よりも高いという営業形態の珈琲店は、見た目似ているようで実は全く違うことをやっているということを開業希望で入ってきたスタッフは身をもって知ることになる。

なんか、この土日は、そのあたりがかなり明確に分かる2日間だった。

さぁ、もうすぐゴールデンウィーク!

どうなることか分からないが、とりあえず頑張っていこう。

音友

2026年4月24日 

今週は、なぜだかモーニングが大忙しの一週間。

昨日は雨だったので、ちょっと暇になるかと思っていたら、存外に多くのお客様にお越し頂けた。

明けて今朝も、開店とほぼ同時に満席になって、ほぼモーニング終了時間まで19席の店内に入れ代わり立ち代わりで18名が入っている状態が続いた。

そんなピークタイムも私と朝のパートさん2人で回すわけだが、「これでスタッフが増える午後にはお客様がおいでにならなかったりして・・・」と言っていたら、まぁ、当たらずとも・・・という感じで、結局モーニングが一番のピークだった。

なかなかうまくいかないもの。

さて、話は変わって4月17日発売の「音楽の友5月号」の読者プレゼントに、ヴェルディの月間限定ブレンド(店主趣味のブレンド)が採用して頂けました!

コロナ前までは、ヴェルディのマガジンラックに毎月音楽の友が入っていたので、私も毎月読んでいたが、コロナと同時にマガジンラックの雑誌もやめてしまったため、私も久しぶりに読んだ音楽の友。

今月号の特集は「現役指揮者50名が選ぶ最も影響を受けた指揮者たち」というもので、私も実際に演奏を聴いた指揮者もいれば、全くその人の演奏を聴いたことのない人まで、多くの指揮者が取り上げられていたので、いろいろと参考になって楽しかった。

コンサート評などを見ていると、そう言えば私も芸大でサロンライヴをやっていた頃に出演して下さった方のコンサートや、バレエの公演に足を運んだくらいで、このところオーケストラのコンサートに行っていないなぁ・・・

と、思いながら、何となく京響のコンサートガイドを見ていたら、なんと今年の10月の定演はブルックナーの6番!

これは聴きたいぞ!と思いながら先に進んだら、シベリウスのプログラムがあったり、火の鳥があったり、ラフマニノフのPcon3番の独奏が彼の全集を持っているルガンスキーなうえ、カップリングがこれまた滅多に演奏されないショスタコの15番、今年度後期の定演は、12月の第九以外聴きたいものばかり。

思わず後期の友の会に入ろうかな?と悩み中。

で、再び音楽の友に目を移して最も影響を受けた指揮者たちの中で、私が実際にコンサートで聴いた人たちの評を読みつつ、やはりバレンボイムってアンソニー・ホプキンスに似ているなぁ、と思った次第でした。

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