今朝もけっこう涼しかったが、昼間は真夏のような日曜日。

こんなにスカッと晴れていても、明日から天気は下り坂、そのまま梅雨に突入か?ってことらしい。
今朝のニュースで、今年の梅雨は降水量が多いうえ気温も高いという、なかなか過ごしにくくなるらしい。
さらに、そのあとの夏はかなり暑いらしい。
困ったものである。
そんな暑さも吹っ飛ばすような素敵な歌声を聞かせてくださったのは、久しぶりのご出演となるソプラノの講殿由紀奈さんと、ピアノの阪口航大さん。
今回は、オペラのアリアを封印して、ドイツリートを中心としたプログラム。
普段、自宅や車の中でもオペラを聴く機会が多く、サロンライヴでもアリアや二重唱を演目にする方が多い中、ドイツリート中心のプログラムはもしかしたら初めて。
曲は知っていたり、CDは持っていても、めったに聴かないだけにある意味新鮮であった。

それにしても、講殿さんはご出演くださるたびに、どんどん素晴らしくなっていく。
シューベルト、シューマンにヨハン・シュトラウスからドビッシーやリヒャルトまで、思わず聞きほれてしまい、終演後は「有名になっても、出演してくださいね」と言ってしまった。
そして、今回最も「そうだよな」と思ったのが、阪口さんがピアノソロでモーツァルトのソナタを弾く前に語った言葉。

モーツァルトと言えば、西暦1,700年の作曲家なので、前衛的とか新しいことをやっているというより、クラッシックなある意味古い曲のようなイメージがあるものの、1,700年当時の音楽界においては、ものすごく斬新で前衛的な曲を作っていた。
なので、皆さんも1,700年頃の作曲家の曲を聴くというより、1,700年当時の音楽しか知らないという感覚で聴いてみたらとても面白い。
というようなことをおっしゃっていた。
なるほど、確かに今からしたらモーツァルトは非常にクラシカルで前衛的とは言い難い。
最近私が好んで聞いているスクリャビンなどと比べると、面白みに欠けると言えるかもしれない(でも、やっぱりモーツァルトは凄いとは思うけど)しかし、確かにモーツァルト以前のバロック時代の作曲家の曲と比べると、非常に斬新で新しいメロディに聞こえる。
でも、そのバロック時代の作曲家にしても「バロック」(いびつな、といった意)と言われるほどその当時は前衛的だったわけなので、世の中そんなものなのだろう。
「スリラー」を発表した当時のマイケルの音楽を聴いて「なんてスゲーんだ!?」と思ったし、クインシー・ジョーンズって新しい!と、思っていたのに、ジャネットの「コントロール」や「リズムネイション」を耳にしたときに受けた衝撃、ジャム&ルイスって新しい!という感覚は、クインシーを古ぼけて見せてしまったわけで、どの時代でも同じことが繰り返されているということ。
そんな中、300年経っても世界中で演奏され続けているってことは、ある意味スゴイと感心する。
同時に、普段はオペラばかり聴いていると、逆にリートが新鮮に聞こえた。
いつもと違うものを聴くのは楽しいものである。