今日も外に出た瞬間は肌寒さを感じたが、歩いていたら汗ばんでくる。
まぁ、珈琲の産地のような季候といった感じかも。
このところ、コーヒーの焙煎セミナーを受けに来て下さる方が多いということは先日の日記にも書いたが、基本的にヴェルディのコーヒーセミナーは一般の方向けでプロまたはそれに準ずる方は対象外にしている。
と言うか、プロまたはプロを目指している人に教えるのであれば、内容も変われば受講料も一桁変える必要があるから、もしプロが受けに来ても一般の方に対して以上のことは教えられないわけだったりする。
が、今日来た方は焙煎機も3キロ釜を購入して、これから商売にしようとしているとのこと。
さらに、一昨日の人は「大阪でバリスタをやっています」と。
ただ、そのバリスタ君、実はうちの娘の幼馴染で、もう彼が幼稚園のころから知っているので「大きくなったね」と。ご両親とも旧知の間柄なので、会話も弾んで楽しく講座ができた。
が、私はどうも「barista」という表現が好きではない。
他の人が「私、バリスタです」と言う分には、そうですか、といったところなのでどうでも良いのだが、たまに外でコーヒー講座なんかをやって、しかも抽出講習の時間があったりすると、私のことを「続木バリスタ」と紹介されることがある。
そんなにプライドが高いわけではないが、バリスタと呼ばれると、どうも私的には違和感を覚えて嫌なのである。
昔オペラを聴きにイタリアへ行ったことがある。
もしかしたら、今は違うのかもしれないが、イタリアでbaristaと言ったら、バルでソフトドリンクを作る担当者という意味以上でもそれ以下でもない。
つまり、日本の飲食店で言ったら、単に飲食店のドリンク担当。
しかも、カクテルを作るといったことや、料理には手が出せない、店の中では決して高い地位にいる人ではないというのが私の認識なので、最近baristaが敬称のように扱われていることに違和感を覚えずにいられない。
※ 一般的なバリスタの意味は こちら
ただ、最近は技術を競うコンテストなども行われているので、「バリスタ」の前に「○○優勝」とか、そういう冠をつけたら敬称になるのだが、私の感覚では「バリスタ」というのは敬称ではなく職種を表しているだけの言葉なので「プログラマー」とか「ドライバー」というのと同じこと。
私の場合、豆の買い付けから選定、焙煎、ブレンドもするし、店で出すフードやスイーツのレシピも考えつつ、当然抽出もするから極狭義で言えばバリスタかもしれないが、ヴェルディにおいては単なる抽出担当者ではないのだけどなぁ・・・と思ってしまうわけである。
なのに、講座の講師として紹介されるとき、日本語に訳したら「ヴェルディの続木抽出担当です」と言われているわけで、そう紹介されたら「単なる抽出担当ではないんだけどな」と、テンション下がった中で講座をしなくてはならなくなる。
じゃぁ、なんて呼んだらいいんだ?と訊かれたら「ヴェルディのマスター、続木です」が一番しっくりくる。
取引業者の方なんかは「社長」と呼ぶが、正社員7人の零細企業、社長というのはどうもしっくりこないので、自社の社員には「マスター」と呼ばせているし、お客様からも「マスター」と呼ばれるから、やはり一番呼ばれ慣れていて違和感がない。
さらにいうと、「マスター」って、ヨーダやオビワンと同列ってことで、何となくフォースと共にいられそうな気にもなる。
もしかしたら、それが一番の理由かもしれないが、まぁ、そんなわけで、たまに私をバリスタ呼ばわりする人がいますが、それ、私にとってはNG Wordなので、この日記を読んだ方は決してそう呼ばないようお願いいたします。