自家焙煎珈琲 カフェ・ヴェルディ

カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記

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知らなくてもいい珈琲の話-その25【相場高騰2021】

2021年7月27日 

本来なら、コーヒーの品種の中からハイブリッド品種について書く予定でしたが、日本ではオリンピック連休が始まった7月22日(木)のNYコーヒー相場が高騰、もともと高値で推移していたのに、この週の3日間で21%も相場が跳ね上がりました。

さらにこの表での高値を記録した23日の翌日金曜日には一時209.5¢/lbをつけ、最終的には利益確保の売り傾向が出て終値は189¢となりました。

※ コーヒーの商品取引:アラビカはニューヨーク商品取引所で扱われ、ポンド単位で取引されます。

一方ロブスタはロンドンの商品取引所で扱われ、キロ単位で取引されます。

ヴェルディが仕入れているコーヒーは、もともと相場とは関係のないオークションであったり、商社と農園の直接取引で仕入れるものなので、NY相場の影響はあまり受けないのですが、さすがに10年に一度とも言われる今回の相場高騰では全く影響を受けないと言うことはなさそうなので、今年のコーヒー相場がどうしてこのようなことになっているかを書きたいと思います。

そもそも高値で推移していた

NYコーヒー相場(アラビカ)は、2016年11月の179.55¢を最高値にその後は落ち着いて平均110¢前後で推移していました。

しかし、コロナの世界的流行以降、徐々に値を上げて特にこの春以降は140¢を超える高値で推移(ここ数日は160~170¢/lb・最高値は200¢超えで推移)、その大きな理由は世界的コンテナ不足とコロンビアの労働者ストに起因していると考えられます。

そのコンテナ不足とはどのようなものでしょうか。

2021年年初から、欧米諸国ではコロナの影響で輸出入および消費の鈍化が進みました。

結果、欧米から輸出に使うコンテナが船積みされず港に残る状態が続きます。

コンテナは、基本的に輸出時に荷物を搭載して出港、輸入元の港で荷物を下した後、空いたコンテナに次の荷物を詰め込んで船積みというサイクルになっています。

従って、どこかの港でコンテナが停滞すると、本来行くべきだった先の港ではコンテナが不足してきます。

そのような理由から、中国やアジアの国々ではコンテナが不足、それが巡り巡ってコーヒーの輸出港においてもコンテナ不足が及んできました。

そうなると、コーヒー豆は麻袋に入った状態で、港の倉庫に山積みとなるため、モノはあっても消費国に届かないため、消費国の倉庫では在庫不足が発生します。

ただ、コロナの影響で需要が減少傾向にあったため、相場は上下を繰り返しながらも一定ラインに留まっていました。

しかし、ワクチンの接種が進んだ国では、飲食店や商業施設の再開に伴い、需要が増加し、この春からは需要に対する供給量が少ないことが相場を押し上げる大きな要因となりました。

そこに来て霜害

コンテナ不足に加え世界最大の産地であるブラジルの中でも最大生産量を誇る地域「Minas Gerais」では、今年は降雨量が少なく本来土壌の水分含有量60%程度が望ましいところ、20%に落ち込んでおり、収穫量に影響が出ていました。

それに加え、南ミナスを中心にこの冬(ブラジルは季節が日本の逆)最大の寒波、と言うよりここ四半世紀で最大の寒波が襲いました。

20日の最低気温は4~5℃で霜が降り、樹齢4年以下の木を中心に霜害で木が枯れたという情報が入っています。

今年は、6月末と7月1日にもパラナ地区で霜が報告されており、その実害は10万袋程度だったと言われていますが、今回はスーデミナス地区で60万袋、モジアナ地区で130万袋、セラード地区で80~90万袋の被害と言う情報もあります。

ただ、商社も自社契約農園の被害は分かっても、全体像をまだつかめていないため、日を追うごとに実像が見えてくるものと思われます。

茶色くなっているのは、霜で枯れたコーヒーの木。

今年の収穫は、終盤に近付いていたたものの、来期の減収は100~300万袋との予想も出ており、枯れた木の植え替えが進み、収穫が開始される4年後までは20万袋程度の減産となるという見方もあるため、今後より一層の高値がつくこともあり得ます。

すでに、大手コーヒーロースターは卸価格の上方修正を各業者へ告知し始めていることから、今後スーパーなどで売られているコーヒーの価格も上昇傾向に転じると予想されます。

一方で、相場とは別のところで価格が決められているスペシャルティコーヒーにおいても、世界的な需給バランスの中には含まれていることから、コーヒー全体が品薄になれば、当然価格は上昇していきます。

すでに、取引商社からは、20/21クロップ(当年物の新豆)は価格が上がるとの連絡が入ってきています。

それを受け、私も現在豆の確保に奔走しており、今日もパプア・ニューギニアのスペシャルティ豆30袋を現行価格で抑えたところです。

明日以降も、売価を大幅に上げなくて済むよう、主力商品の生豆をしっかりと抑えて、お客様にご迷惑がかからないよう努力してまいります。

でも、正直このところのコーヒー豆価格変動を見ていると、本当にお腹痛くなってしまいますねぇ・・・

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