自家焙煎珈琲 カフェ・ヴェルディ

カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記

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長く続けること

2016年3月17日 

今週は、中学校などの卒業式が多く執り行われている様子。

私の娘も、先日15日に中学の卒業式だったが、全く頭になかった私は、その日、朝日カルチャーセンターの講座を入れていたりして・・・

私の友人のお子さんも、今日や明日、卒業を迎えるところが多い。

皆さま、ご卒業おめでとうございます。輝く高校生活を満喫してください。

 

というわけで、この時期は、何かとイベントが多いこともあり、店の方はわりと静か。

お昼時、満席になったりはしたが、普段だと賑わう昼下がり、今日の晴天のように、スカーっとした客席を見ながら、気分は空の色(ブルー)になる私であった。

 

さて、こうして毎日営業していると、売り上げが良い日もあれば、残念な日もあるわけで、これはお客様商売の宿命と言っても過言ではないだろう。

そして、もう少し長いスパンで見ると、開業してから10年以上営業していると、苦労して我慢の営業を耐える時期もあれば、右肩上がりのときもある。

 

我慢の営業をしている時期は、いかにそこから脱却して、この店をお客さまで満たすかということを考え、日々努力して行くわけだが、今の Verdi を見ると、お客様がおいでにならなかった時期、お越し下さった一人一人のお客様に、珈琲のことを丁寧に説明して、最高のサービスを心がけ、必死で営業していた経験を持つスタッフは、もはや私とカミさんだけになってしまった。

 

今現在、毎朝店を開けたら、ほどなく常連のお客様がお越し下さり、午前中から満席になっても驚かない。

珈琲豆が1日に10キロ、20キロと売れても、それが普通なように感じてしまう。

それでも、お帰りになるお客様には「有難うございます」と、言ってお見送りしているのだが、現在のスタッフは、本当に「ありがたい=有ることが難しい」と心から感じとっているだろうか。

これは、お客様がおいでにならないことが普通で、お一人でもご来店下さったときの、心からの喜びというものを知らないと、なかなか実感できないことかもしれない。

 

開業当初、たった一人のお客さまでも、本当に有難いと思いながら、その有難いお客様に、どうしたらまたお越し頂けるか、全力で一人一人のお客様に向かい合っていた時期があったからこそ、そのとき撒いた種が、やがて芽を出し、木となって、今やっと花を咲かせつつあると言っても良いだろう。

 

最近、店を店長以下スタッフに任せ、一歩引いて眺めながら、あの当時の本気さをどうやって、今のスタッフにも理解してもらい、本当に良い商品、良いサービスを提供しようと、心から思えるよう教育して行こうか?と、思うことがある。

現在のスタッフも皆、決して手を抜いてはいないし、頑張って良い仕事をしようと思ってくれていることは分かるし、本当に良い人材に恵まれていると感謝している。

しかし、やはり当時の一生懸命さとは、温度差があるように感じる。

体験していないことを理解することは難しいが、今後よりステップアップするために、その温度差をなくして行けないだろうか?現在の私にとっての最大の課題である。

 

さて、ここ数年「コーヒーブーム」と言われている。

世の中には、エスプレッソ系ドリンクを中心としたコーヒースタンドが林立し、しっかりとその地位を確立しているが、それとは別に、サードウェーブと呼ばれる、アメリカからの上陸系コーヒーショップや、小規模自家焙煎店が次々とオープンしている。

 

先日、焙煎機のことで何人かの人の話を聞いたが、今最も売れているのは1~2キロ程度の小型焙煎機だそうである。

昨今の Verdi は10キロ焙煎機でも、製造が追いつかなくなってきているのに、1~2キロの焙煎機では、少し豆が売れたら、もう朝から晩までフル稼働しなくてはならなくなるのではないか?と疑問に思った。

しかし、焙煎機の販売に携わる方の話では、どうも、本気で豆を売ろうと思っている人は少なくて、自家焙煎というスタイルがカッコイイから、焙煎機を入れている人が多いとか。

『要するに、カッコいいことはしたいけど、リスクは負いたくない人が、自家焙煎珈琲に流れ着いているんですよ』とは、大手の焙煎機メーカーで営業をしている方の弁。

 

私たちは、多くの方に、良い珈琲をご自宅でもお楽しみ頂けるよう、いかに豆をお求めいただけるようにするかを考えて、日々営業してきたのだが、最近の自家焙煎店は、むしろ自家焙煎していること自体に満足している様子。

10キロ釜を導入してしまった私としては、その釜をきちんと稼働させるためには、毎日何十キロかの豆を焙煎できるよう、珈琲豆の販売に力を入れなくてはならなかった。

そうなると、畑仕事で言えば、荒地の石をどかし、土を耕し、種をまいて、水や肥料を散布して、芽が出たあとは、愛情もって接し、丁寧に収穫するという仕事をやり続けなくてはならない。

 

一方で、今現在のコーヒーブームにのっかっているサードウェーブを中心とした上陸系のお店は、畑であろうと荒地であろうと関係なく、ぱっと撒き餌をして、餌につられて集まってきた小魚を網を広げて根こそぎもって行き、漁場の魚が別のところへ行ってしまったら、後は去るのみ。

といったところだろうか。

 

そこで、漁場の魚が別のところへ行ってしまう=新たなブームが起こって、コーヒーブームが下火になってしまったら、自家焙煎がカッコイイと思って営業していた人たちの中でも、しっかりと個性を主張できなかったお店は、群がった小魚の下に、実は荒地しかないことに気付き、耕す体力もなく終わってしまいそうで、今のこのコーヒーブームにとても危うさを感じてしまう。

 

しかし、私たちには、これまで10年以上の歳月をかけて、土作りから始めて耕し続けた大地があるから、ブームとは関係なく、地道に営業を続けるのみ。

流行りはしないけど、そう簡単には廃らないという思いがある。

そういう観点で見ると、Verdi のお客様は、清澄白河あたりのコーヒーショップに並んでいる人たちとはちょっと客層が違うように思える。

まぁ、憂いていても仕方ないので、ブームはブームとして、そこから得られるものは頂戴しつつ、私たちはブームに浮かれるのではなく、今一度創業期の一生懸命さを全スタッフが共有できるよう、心構えから再考しなおさねば、と、最近の自家焙煎店を見て回っていて感じるのであった。

 

で、長く続いているお店と言えば、裏寺あたりにある「サラダの店 サンチョ」

先日、ちょっと用事があって、裏寺あたりの個性的な服飾店へ行ったとき、久しぶりに行ってみた。

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もう、洋食の王道的メニュー。

恐らく、ここへ来たのは、私が学生だった頃以来なので、かれこれ30年近く前に来たっきりではないだろうか。

それだけ長く続けると言うことは、本当にすごいことだと思う。

奇を衒わず、王道を粛々と歩む洋食店に脱帽するのであった。

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店名:サラダの店 サンチョ

住所:京都市中京区裏寺町四条上ル中の町572 (四条河原町みずほ銀行横上ル 50m)

電話:075-211-0459

営業:11:30~15:30・17:00~21:00(LO)

Web:http://sancho.co.jp/

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