昨夜、空路ケニアに入り、今日は農園4つとファクトリー(精製所)の視察。
タンザニアの場合、最大都市のDar es Salaamから農園までは、まず飛行機で飛んで、さらに車で数時間かけなくてはならないところ、ケニアは大多数の農園や小規模農家がナイロビから日帰りで行ける距離にある。
そうなると、農園へ向かう景色も結構変わってくる。
最初は、本当に都市部の豪華な住宅街の中を走り、農園に近づくに従い、アフリカっぽい風景が見られるようになってきた。
とは言え、露店の品ぞろえもタンザニアより豊富だったりする。
そんなわけで、今日は エンブ地区の小~中規模農園を訪問した。
まずは、グシェンタ農園へ。
こちらは標高1,600メートルあたりに位置し、14エーカー(約6~7ヘクタール)の土地でコーヒー栽培をされている。
3代目というエドウィン氏と。
自家精製後、ドライの状態で24時間乾燥、その後水を使って24時間かけて水洗工程の仕上げをし、網をかけて直射日光を避け長時間かけたドライングをしている。
続いて、ジェム農園へ。
こちらは標高1,750メートルの位置に10エーカー(約5ヘクタール)の土地で栽培。
同じ場所に2本植えて、7年ごとに大規模カットバックをして丁寧に木の管理をされている。
日本への輸出が多いため、JAS認証はとっていないものの、全くの無農薬と殺虫剤も不使用で栽培されている。
農場主のムシリ氏が、フライクロップ(本収穫より早く熟したものを収穫した豆)のコーヒーを試飲させてくださった。
クリアで力強さもあり、本収穫が始まった後に完熟したものは、さらに高品質であろうことが想像できる。
続いて、標高1,680メートルの位置にある、ムラゲ農園のマリナ氏と。
こちらはさらに広い土地で栽培されており25エーカーの農園を運営されている。
1,700メートルにもなると、品種はSL34を使うかと思ったが、ここまでの農園は全てSL28を栽培されていた。
最後に訪問した農園、ルリマエステートは、さらに広くて60~70エーカー。
こちらは、先代が亡くなったときに、10人いる息子・娘に土地を分けて、兄弟で運営されている。
精製設備もしっかりしており、どちらかと言うとヴェルディのような小規模自家焙煎店ではなく、もう少し規模の大きな中小ロースターが使うような豆を作っているのではないかと思った。
農園を回った後は、ファクトリー(精製所)へ。
まとまった量を作れる農園は、自家精製が許されているが、零細農家はファクトリーと言われる精製所へチェリーを持って行き、精製してもらうというのがケニアのシステム。
今日訪問したキイコーヒーファクトリーの全景
零細農家の人たちが、持ち込んだチェリーのグレーディングを待つ。
水洗工程をする作業員の人たち。
色々な面で、学ぶことの多い一日だった。
…
さて、タンザニアの零細農家やケニアの小規模農園を視察して、またいろいろな情報を聞いて、11月26日に芸大店で開催予定の珈琲夜話の会は、内容を一部修正しようという思いになりました。
ヴェルディの月刊紙には、アフリカ訪問記をお話しすると書いていましたが、とても1時間ちょっとでタンザニアとケニア両国についての説明は不可能。
そこで、今回はタンザニアに絞って、「キリマンジャロの功罪」というタイトルでお話をしたいと思います。
お客様としては、知ったところで全く役に立たない情報ですが、この話を聞いたら、よりキリマンジャロコーヒーを楽しめる内容になると思います。
かなり深い内容になるはずの夜話の会、よろしければご参加ください。
珈琲夜話の会「キリマンジャロの功罪」
日時:2022年11月26日(土) 18:00~
場所:ヴェルディ京都芸術大学店
費用:1,000円
ご予約は芸大店までお電話で
075-746-4310