自家焙煎珈琲 カフェ・ヴェルディ

カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記

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2023年11月

新たな一歩

2023年11月17日 

2016年9月、カフェ・ヴェルディは下鴨本店に次いで、二号店として当時の京都造形芸術大学瓜生館1階に食事も楽しめるカフェをオープンさせて頂きました。

しかし、始まりがあれば必ず終わりはあるもの。

2023年12月11日(月)をもって、ヴェルディ京都芸術大学店は営業を終了いたします。

そして、12月下旬、「ヴェルディ北白川焙煎所」として、場所を変えて新たな一歩を踏み出します。

芸大店は、オープン以来これまでの下鴨本店にはなかった食事メニューやアルコールメニューも提供し、珈琲専門店から食事もできるカフェとして営業してきました。

「週替わりカレー」や、季節限定メニューなど、私も楽しくメニューを考えてきましたが、コロナの流行で営業は一変しました。

そして、コロナの規制が明けて、お客様も戻ってきた今、同時に髙島屋店のオープンもあり、焙煎が追い付かない状態になってまいりました。

また、コロナの間に自然減したスタッフも多く、人手不足の中、私が京都芸術大学店に入り込まないと店が回らない状態で、本来私がすべき仕事が滞り、様々な副反応がでてきました。

またお盆以降の3か月、私自身が1日も休みを取れない現状、だからと言ってお客様やスタッフの前では、決して疲れた顔を見せないようプロ意識をもって仕事をしてきましたが、さすがにこのまま走り続けたら、倒れるのは時間の問題だろうという思いもあり、そうなっては本末転倒。

いろいろと考えた結果、京都芸術大学店はコーヒーよりも食事メニューに力を入れなくてはならない、また立地柄複雑なオペレーションを必要とするため、私が最前線レベルで入り込まないと回らない営業をしていて良いのか、かなり悩みました。

コロナ後、お客様も戻り、新たな常連のお客様も増えてきた中、後ろ髪を引かれる思いはありましたが、ここは原点に立ち戻り、本当に良い珈琲を提供することに全力を尽くすべきだと言う考えに至りました。

そんな私の判断を最終的にコーヒーの方へと後押ししたのは、髙島屋店のスタッフたちの姿でした。

10月に採用して、わずか2週間という短い期間の間に、皆がしっかりとコーヒーについての知識をつけようと私にくらいついてきて、おいでになったお客様には、自分の得た知識を駆使してコーヒーの説明をしてくれる姿。

そして、私のLINEには毎日のように、誰と言わずスタッフたちから「お客様にこのような質問を受けたのですが、どうこたえたら良いでしょうか?」といったメッセージが届きます。

芸大の店長は、「マスターが私たちに教えてくれるコーヒーのこと、You Tubeで語って、コーヒーの深層について発信すべきですよ」と進言してきます。

私も四捨五入したら60。

そろそろヴェルディという会社も次のステップを考えなくてはならない中、やはりどこまで行ってもヴェルディは自家焙煎珈琲店。

本当に良いコーヒーをお客様に提供し、本当の情報をしっかりと伝えていくことこそ本分だという結論に至りました。

ヴェルディ京都芸術大学店をご愛顧下さった皆様には、本当に心苦しい思いではありますが、どうかご理解くださいませ。

そして、明日から芸大店のカウントダウンが始まります。

最後の3週間、全力で頑張ります。

ラスト3週間のヴェルディ京都芸術大学店、どうぞよろしくお願いいたします。

そう言えば、オープン当初はロッキングチェアがありましたね。笑

12月から

2023年11月17日 

先日の日記にも書いていたが、昨年の11月に1ドル150円近くまで下がった円相場。

いっとき少し戻ったかと思ったものの、このところ150円を突破。

昨年の今の時期以上の円安傾向になっている。

ヴェルディの場合、主要な豆については、国内に入って来てから商社や問屋から購入するのではなく、流通前に1年分のオファーをかけているため、一般に流通した後の価格より安価に仕入れられていた。

そんなこともあり、同じクオリティーレベルの豆であれば、他の自家焙煎店と比べても、お値打ち価格で販売できていたのだが、さすがにここまで円安が進むと、現状の販売価格維持が難しくなってきた。

10月以降に入港した豆の価格が、全体的に上がってきていることもあり、現在情報を集めて今後の生豆価格の予想を出しているが、なかなあ厳しい数字が並ぶ。

そこで、ここまで頑張ってきたものの、12月から売価改定をしなくてはならなくなりそうな状況。

各豆の価格など詳細は、来週に発表できるかと思う。

そして、もう一つ。

恐らく明日、大きなご報告をさせて頂くことになるかと思います。

明日の日記もご覧いただければ幸いです。

悩みどころ

2023年11月14日 

この1年、コーヒー生豆の価格が高騰して、ブラジルとグァテマラが1.5倍、コロンビアやケニアが1.8倍、エチオピアに至っては2倍以上の値上がりとなった。

ヴェルディでは、なんとか仕入れ関係をしっかりとして、あまり価格を変えずに来たが、ちょっと限界にきてしまっているので、近々売価改定をしなくてはならないかもしれない。

そんな中、エチオピアの産地情報が入ってきた。

一昨年は長雨による収穫期の遅れがあり、クオリティーが全体的に落ちていたが、昨年は一転降雨量もしっかりとありつつ、雨季が収穫期に長引くこともなく豊作だったのは喜ばしいことだが、エチオピアのコーヒー価格に対する法律が変わったこともあり、チェリーの価格が史上最高値になってしまった。

その影響でエチオピアの生豆価格がこれまでの2倍程度まで高騰した。

ところが、市場経済の原理原則として、急速な高騰が起こると、買う側も躊躇するので売れずに余剰在庫が出てしまうという現象が起きる。

昨年は、チェリーを仕入れる仲買人が、価格の高騰で多額の仕入れ代金を銀行から借りたものの、売れないと借金の返済も滞る。

すると、返済が滞ったら銀行はお金を貸さなくなるので、仲買人は仕入れたくても仕入れられない。

買い手がつかなかったら当然売価は下がって、チェリーの価格も昨年より安値で取引されることになる。

それだけを見ると、豆の価格が下がって仕入れる身としては喜ばしい、と、思ってしまうのだが、そう簡単な問題ではないのが産地との取引というもの。

先述の通り貸した金を返してもらえない銀行が貸し渋りに入り、今年は豊作にもかかわらず仲買人が仕入れるためのお金を調達できなくなる。

そうなったら、農家はより安く売らなくては収入がなくなってしまう。

でも、たたき売りはしたくない・・・

そしたら、どうするかと言うと、ちゃんとした設備のある精選加工所(ウォッシングステーション)に持ち込んでも現行の安い価格でしか引き取ってもらえないので、自分たちでサンドライ精選(ナチュラル精選)をしてストックし、価格が上がるのを待つという方向へ行ってしまう。

仮に、各々の零細農家が、きちんと管理して、しっかり丁寧にサンドライ精選をすれば良いのだが、普段はウォッシングステーションで人を使ってきちんと撹拌しながら、未熟豆も取り除きながら精選するところを各農家が本当にちゃんと面倒を見るかどうかが問題になる。

それ以前に、優良なウォッシングステーションは持ち込むチェリーの熟度をきちんとチェックして、未熟なものが多く混入しているものは受け付けないということもある。

しかし、熟度のチェックなしのフリーパスになってしまったら、各農家が本当にちゃんとした収穫をするかどうかも不明になってしまう。

すなわち、23-24のナチュラルクロップは、安値にはなるかもしれないが、普通に商社から仕入れた豆は玉石混交のものであるリスクが高くなってしまうということになる。

そして、もっと恐ろしいのは、零細農家は水洗加工所など持っていないので、各農家でできるのはナチュラルのみ。

すると、ウォッシュドが市場にほとんど出回らず、チェリーの売価が下がっても、ウォッシュドの価格は高騰してしまう可能性が高いということ。

今までエチオピアの豆の仕入れは、ほとんどが公的オークション経由だったところ、2年前に大幅にシステムが変わり、ヴァーティカル インテグレーションが導入されたことで、輸入業者はオークションを介さなくても、ウォッシングステーションから直接買い付けができるようになった。

従って、優良ウォッシングステーションとの関係が構築されている輸入商社であれば、昨年同様とはいかなくても、農家が納得する価格を提示することで、品質の高いものを引っ張ってこられるかもしれない。

が、2年前はエチオピアの内乱で非常事態宣言が出ていたこともあり、ここ2年ほどの間に現地としっかり関係を繋げてきた日本の商社は私の知る限り1社しかないというトホホな状態。

で、11月~1月は、イルガチェフェやグジといった中南部の収穫最盛期になるため、私も23-24クロップのオーダーをそろそろ考えなくてはならないのだが、さぁどうなることやら・・・

またそのうちエチオピア、行かねばだなぁ・・・

スマトラ・ナチュラル

2023年11月13日 

10月末から販売を開始した「ヴィンテージバレル・カシャーサ」も残すところ下鴨店に少しあるだけとなり、本日からの限定コーヒーは「スマトラ・ナチュラル」になった。

通販と下鴨は、明日からの販売開始だが、芸大と髙島屋S.C.店は一足早く今日から店頭に並べた。

毎月の限定コーヒーは、基本的に芸大店で私が焙煎しているのだが、今日は芸大店の焙煎機で一度に焼けるMAXの5キロを焙煎。

3店舗+通販で振り分けで、午前中に髙島屋へ持って行ったのだが、午後に様子を見に行ったら早い段階で売り切れたようで、ストックがゼロになっていた。

午後に私は打ち合わせがあったので、夕方芸大へ戻って急ぎ焙煎。

明日も開店から陳列できるようにしてみた。

その「スマトラ・ナチュラル」インドネシアのスマトラ島と言えば、マンデリンが有名だが、この豆はマンデリンではなく「スマトラ・ナチュラル」

何が違うのか?と言うと、「マンデリン」と呼ぶには条件が2つ。

まず、スマトラ島の北中部で採れた豆であること。

そして、「スマトラ式精選」がされたものであること。

そう言うと、スマトラ式精選とは何か、という疑問が出てくる。

ヴェルディのスタッフは、全員精選についてはしっかり理解しているはずなので、(もし知らなかったら、今後の雇用についてちょっと考えなくてはならない)店頭で聞いてもらってもよいのだが、せっかくなので簡単に書いておこう。

コーヒーの精選とは、一言で表すなら、【どの段階で「乾燥・保管」をするか】と言うことになる。

ナチュラル(サンドライ)は、チェリー(果肉がついたまま)の状態で乾燥・保管して、出荷前に脱殻する。

水洗式(ウォッシュド)は、果肉を除去した後、種の周りの薄皮(パーチメント)表面にある粘膜質(ミューシレージ)を水につけて弛緩させて除去すし、薄皮(パーチメント)が着いた状態で乾燥・保管、出荷前にパーチメントを脱殻する。

ハニー(パルプドナチュラル)は、果肉は除去するが、種の周りの薄皮(パーチメント)とその表面の粘膜質(ミューシレージ)を残した状態で乾燥・保管して出荷前にミューシレージがついた状態のパーチメントを脱殻する。

そして、スマトラ式(ウエットハル)は、以下のようなプロセスとたどる。

スマトラ島の圧倒的多数である零細農家は、収穫後チェリーの果肉を除去して、ミューシレージが着いた状態のパーチメントを作る。

中間業者(プロデューサー)は、回収した濡れた状態のパーチメントから薄皮を除去して、生豆の状態で水分地14%前後まで乾燥させ、薄皮などがついていない、生豆の状態で保管し、出荷する。

他の精選方法は、出荷まで果肉なり薄皮などに包まれた状態で保管されるが、マンデリンだけは生豆の状態で保管される。

もし、コーヒーの精選についてもっと知りたい方は、過去の日記の こちら をご覧ください。

そして、今回の豆は、スマトラ産ではあるが、スマトラ式ではなく、ナチュラル精選をしているので、「マンデリン」とは呼んではならないわけである。

最近、スペシャルティーブームもあって、いままで水洗式しかしてこなかった中米などの生産者も、ナチュラルに手を出すようになってきた。

しかし。インドネシアは非常に雨が多く、天日乾燥をしていても降雨で棚ごと移動させなくては、と言うことも少なくない。

そんな事情から、インドネシアのコーヒーに詳しい人なら、スマトラ島でナチュラルが作られている、というだけで驚きの表情になる。

そんな希少なスマトラ・ナチュラル。

通販と本店では明日から販売開始ですが。芸大店と髙島屋A.C/点で1日だけ先行販売。

通販は、明日の0時からお求め頂けるようになります。

全店で30キロだけの限定販売、ぜひおためしくださいませ。

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