自家焙煎珈琲 カフェ・ヴェルディ

カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記

  1. 下鴨店TOP
  2. カフェ・ヴェルディの気まぐれ日記
  3. 中米視察

中米視察

アカテナンゴの農園

2024年2月8日 

グァテマラには、8大産地という地域がある。

昨日行った「アンティグア」を筆頭に、「アティトラン」「ウエウエテナンゴ」「オリエンテ」「コバン」「フライハーネス」「サンマルコス」そして、今日訪問した「アカテナンゴ」からなる8つの地域である。

ヴェルディでは、アンティグアやウエウエテナンゴはお馴染みとして、コバンとフライハーネスは、期間限定商品として扱ったことがある。

そんな中、アカテナンゴは今まで提供したことのない地域。

私も初めてアカテナンゴのコーヒーに触れることになった。

今回伺った La Senda 農園は、25ht(ヘクタール)と昨日のカペティージョ農園の280htと比べると、こじんまりとした家族経営の農園。

ご主人が、コーヒーの木のことを見て、奥さんがプロセスを担当、お嬢様が販売のルート開拓や営業をされている。

こちらは、中東を中心に珈琲豆を販売されているのだが、その販売と精選のシステムが非常にユニークな農園。

ウォッシュド(水洗式)精選がメインのグァテマラの中にあって、ナチュラル(天日乾燥式)にも力を入れている上、アナエロビック(嫌気性発酵を施した精選)にも積極的に取り組んでいる。

それら精選をどのような比率にするかは、受注性だと言うのである。

↑アナエロビックの発酵タンク

先にオファーを出して、顧客から欲しい精選方法の量を聞き、どこにナチュラルが何袋、アナエロが何袋、ウォッシュドが何袋、といったように振り分ける。

収穫と並行して先にオーダーを受けた、クライアントの要望に応じて精選すると言うことらしい。

もう一つ、こちらの農園では、収穫したチェリーをいったん水で軽く洗ってから、1日エイジングをして各プロセスに入ると言う方式を取り入れている。

昨日収穫されて、軽く洗った後、ここでエイジングをする。

収穫精度の高さにびっくり。

とても優秀なピッカー(収穫の季節工夫さん)を使っているのだろう。

そして、ちょうどアナエロビックをタンクから出すと言うことだったので、それも見せてもらえた。

ほんのりとお酒のような香りがする。

そして、現在取り組んでいると言うゲイシャ種も見せていただいた。

実のつきかたは、ティピカのような感じ。

葉っぱも細く、一瞬ティピカと見間違いそうになるが、木の茂り方がティピカより一段低い感じ。

チェリーを食べてみたが、他のブルボンやカツーラとはちょっと生のチェリーの風味もちがって味そのものはちょっと淡泊に感じるが、香りは独特。

完熟チェリーだけをピッキングする優秀なピッカーさんたちと。

アカテナンゴは、アンティグアからもほど近いが、季候や風土は全く違うので、風味も変わってくる。

ちょっとアカテナンゴも面白いかも。

EL CAPETILLO農園

2024年2月7日 

いよいよ今日から農園視察。

まずは、グァテマラの中で最も有名な産地「アンティグア」へ。

グァテマラは、中小零細農園の多い国ではあるが、本日訪問する「エル カペティージョ農園」は、活火山である「フィゴ火山」、「アカテナンゴ火山」「アグア火山」に囲まれた280htの広大な土地で年間約3万トンのチェリーを収穫する大農園。

農園名の「カペティージョ」は、1874年に、この地を開拓して農場を始めたカペティージョ氏の名前に由来している。

ブラジルやケニアの大農園とはまた違った、伝統を感じさせるオーナーの住居

こちらの農園では、しっかりと区画を決めて「ブルボン」「カツーラ」「カツアイ」「パカマラ」を栽培。

各々の区画で、チェリーや葉っぱの形状、木の茂り方などを見せてもらった。

私も産地視察を始めたころは、葉っぱの形状や木の茂り方を見ても、「コーヒーの木」としか認識できなかったが、いろいろな国、いろいろな品種を見ていくうちに、だんだん葉っぱや木の形状などを見ると、(主要な品種に限られるけど)その木がどの品種か、概ね分かるようになってきた。

でも、これは非常に重要なことで、農園に行く前は「ブルボン」がメイン品種と訊いていても、実際に見てみると「カツーラ」だったりということも少なくない。

もっとよく勉強して、そのあたりが明確に分かるようになりたいと思う。

同じ大農園でも、ブラジルなどとはかなり違って、きちんと秩序だててシェードツリーが設けられていたり、樹高を低く維持していたり。

もちろん、そういう部分がしっかりしているからこそ、高いクオリティーを維持しつつ、年間3万トンものチェリーを作る所以なのだと思う。

こちらの農園は、ウェットミル、ドライミル両方を持っていて、ウォッシュドだけではなくナチュラルも作っている。

私もパティオに広げられたパーチメントの攪拌をさせてもらった。

現在、ヴェルディのグァテマラは、「ウエウエテナンゴ」地域にある「ミラバリャ農園」のものを使っているが、こちらも契約在庫が700キロを切ってきたので、次のグァテマラをそろそろ選定しなくてはならない。

今回の視察で、しっかりと見て良いものを仕入れたいと思っているが、このカペティージョ農園も有力候補として検討したいと思う。

オーナーのFederico氏と。

グァテマラ視察 その1

2024年2月6日 

今日からが視察の本番。

朝のグァテマラシティ中心部の街並み

グァテマラシティ、朝の街並み

まずは、コーヒーの大手 exporter である UNIX 社のオフィスへ。

建物の写真を撮ろうとしたら、警備の人に「写真はダメ」と言われたのでオフィス外観の写真は無し。

ここで、今年のグァテマラコーヒーの作柄や、近年の状況について、同社CEOの Gustavo Ruiz氏から説明を受ける。

今月号の月刊紙にも書いたが、グァテマラの品質低下や価格の高騰は労働力不足によるところが大きい中、今後どのようになっていくか等、いろいろな側面から話を聞けた。

詳しい内容は、また帰国してから何らかの方法で解説したいと思う。

その後、UNIX社のウエットミル(収穫された豆の最終加工および出荷所)へ。

こちらへ持ち込まれたパーチメント(内果皮が着いた状態の豆)は、まず品質管理の部署へ入り、豆の状態などがチェックされる。

そして、パーチメントが除去され

比重選別にかけられ

カラーソーター(色選別=欠点豆の除去)にかけられ

袋詰めをされて

倉庫に積まれ

世界各国へ出荷されるのを待つ

という、このドライミルでのプロセスを一通り見せてもらった後は、明日訪問する農園のものを中心に4種類ほどカッピング。

明日訪問予定の農園の豆

現在、こちらの農園は収穫が最盛期のため、今回のサンプルは一番最初のころに採られたもので、まだ風味が乗っていない上、若いクロップなのでやや酸味に青さが残っているが、それでもドライの香りは、甘みがとても強く感じられ、ポテンシャルの高さが伺えた。

明日の訪問では、収穫の精度や作柄などをしっかりと見て、取り扱うかどうか検討したいと思う。

UNIX社品質管理部門の皆さんと

そんなわけで、今日はまず exporter のオフィスとドライミルを見せて頂き、明日からは農園と現地のウエットミル(チェリーをパーチメントにする精選所)を視察させて頂く。

楽しみ。

視察の後は、ナチョスとタコスを頂いた。

美味しかった。

無事到着

2024年2月5日 

日曜日の朝、成田を発ってメキシコ経由でグァテマラに入りました。

今回は、初めて乗るアエロメヒコ。

レビューとかを調べていたら、機内エンターテイメントのモニターが故障していることがあると書かれていたので、kindleに何冊か小説を入れて搭乗したところ、私のは大丈夫だったが、隣に座っていた新婚と思しき男女のモニターが壊れていて、何度かCAの人に文句を言っていたら、前方のプレミアムシート(ビジネスまでは行かないけど、ちょっと広いシート)に移動させてもらっていた。

逆にエエやん!とか思ったが、一緒にグァテマラへ行く自家焙煎店の方一人もモニターが故障していて、その人は席が空いていないという理由で移動できずだった。

やはりアエロメヒコに乗るときは、時間つぶしになるものを持ち込まねばいけないかもしれない。

そんなこんなで、12時間ちょっとかけてメキシコへ到着。

街のビルなどが並ぶ向こうに、高い山が朝靄をまとって佇んでおり、なかなかいい感じの光景だった。

そして、メキシコシティの空港で4時間のトランジット。

前回は、カタールでトランジットだったが、空港で食べたサモサやケバブは、ちゃんとテーブルサービスで、概ね日本円換算で1,800円~2,500円くらいだったので、まぁ、こんなものか、と思ったが・・・

メキシコの空港で、山積みになっているサンドウッチ、これがだいたい1つ2,000円~3,000円。

ミネラルウォーターを買おうと思って値段を見たら、500mlが1本450~500円。

こりゃ、海外の人がみんな日本に来たがるのも分かる。

といった値段だった。

その後、無事グァテマラへ到着。

本当なら、ホテルの送迎バスが空港に来ているはずだったのに、なぜか来ていないし、ホテルに電話をしてもつながらない、という、なかなか嫌な予感。

仕方ないので、空港のカフェへ。

まぁ、カフェなのか売店なのかよくわからなかったが、ケーキを注文してみた。

ちょっと甘いかな?と思ったが、別に冷蔵庫に入っているわけではなく、常温のショーケースだったので、糖度高くないと逆にヤバイかも、ということで注文。

フォークをぶっさして提供された。

このケーキと、ミネラルウォーターでだいたい700円。

メキシコと違い、同じ空港でもグァテマラの物価は、日本と同じ感覚でいける。

でも、少し前なら、産地の物価は安かったので、けっこういい思いができたのに、ここ数年は円安もあって、下手したら発展途上の産地より日本の方が物価安に感じることもある、と、今回同行して下さる商社の中米担当の人が言っていた。

ケーキを食べている間に、ホテルとの連絡も無事について、迎えに来てくれるのかと思ったら、バスの送迎がオーバーブッキングでできないからタクシーで来いと言われたそうで、タクシーに分乗してホテルへ。

私が乗ったタクシーは一番最初に出たはずなのに、なぜか着いた後、待てど暮らせど次のタクシーが来ない。

ちょっと心配になってホテルの看板を見たら「マリオットホテル」に行くはずが、降ろされたのは「ハイアットホテル」「ット」だけは合っていた。

惜しい!

と言う問題ではなく、みんな電話が使えない中、どうしようと思ったが、マリオットホテルまで歩ける距離だったので、歩いて移動。

タクシーの運ちゃん、途中でかかってきた女性からの電話に夢中になってしまって、マリオットかハイアットか分からなくなったものの、とりあえず高級な方に届ければいいか、みたいな感覚だったのかもしれない。

無事、マリオットに着いて、みんなと合流したが、今回ご一緒した人たちのうち、3人は今までも一緒に産地へ行った人たちだったので、顛末を話したら「まぁ、あるあるですよね」と笑っておしまい。

毎回いろんなハプニングがある産地視察。

今回も楽しいスタートになりました。

グァテマラの街は、いたるところに公衆電話がある。

なんか、日本ではほとんど見なくなったので、逆に新鮮だった。

このページの先頭へ