開業から10年以上、 Verdi のカウンターは、私が守り続けてきた。
なんて言ったら大げさだが、ほぼ常に私がカウンターに立って、珈琲を抽出していた。
しかし、今年に入ってからは、逆に私がカウンターに立つ機会が激減、店長の土田か、伊藤がカウンターに立つことの方が多くなっている。
センター交代と言ったところだろうか。
ただ、カウンターで抽出すると言うことは、単に珈琲を淹れるだけではなく、店全体をしっかりと掌握して、常にお客様に目を配り、また、珈琲についてのご質問にも、的確に対応することが求められる。
更に言えば、お客様からご質問を受ける前に、お客様の表情や雰囲気から、先回りしてご質問を引き出して、おこたえできるようになって、初めて『抽出担当=店の顔』と言える。
さて、日曜日の朝は、短時間に多くのお客様がお越し下さるピークタイム。
その時間、私は何をしているかと言うと、ホールに出てご注文を受けたり、食器のあらいものをしたり。
あらいもの、と言えば、採用された新人さんが、一番最初にする仕事の一つ。
なんだか雑用のように思われるかもしれない。
事実、人によっては、「あらいものばかりではなく、早く抽出ができるようになりたい」と思う人もいることであろう。
しかし、あらいもの一つとっても、極めようと思ったら、並大抵のものではない。
店全体を見ながら、どんなご注文が多く通っているかによって、洗うものの優先順位を考える、効率的に水を切るため、洗う前に、食器を整然と整えてから、順序良く洗う。
など、頭を使ってあらいものをする人と、漠然と目の前にある食器を洗う人と、どちらの人が洗い場にいるかによって、店の流れそのものが違ってくる。
たかが「あらいもの」しかし、どんなに雑用に見えるものでも、その作業を誰がやるかによって、お客様の流れが変わる、また、店の流れがスムーズになるか、滞るかが違ってくる。
もっと言えば、一見売上には影響のなさそうな、小さな作業であっても、その一つの歯車が狂うと、店の成績に関わってくることは否めない。
昨年の後半に採用したアルバイトの人たちも、一本立ちして、多くのことを任されるようになってきた。
そんなときこそ、小さな作業の一つ一つも、極めれば全く世界が違ってくること、面白くないと思うような仕事でも、実は非常に重要なことである、ということをしっかりと認識して、仕事をするよう考えてもらいたいと思いながら、一歩下がって店を見ている昨今。
Verdi の仕事には、ただの一つも、無意味な雑用などないようにしたいものである。











